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酸素は貯金できる!? TTやアタック前に試したい呼吸方法|ラクになる呼吸テクニック

トップ選手は呼吸のタイミング、テクニックを使い分けることでより楽に、パワーを出している。今回はJプロツアーにも参戦する“走れるドクター”、整形外科医の武井 裕さんに、TTのスタート前やアタックがかかる前など、激しい動きの前の呼吸のコツを解説してもらった。

呼吸回数を増やし、血中酸素濃度を高めておく

「酸素負債」と呼ばれる現象がある。これはヒルクライムやレースのフィニッシュ時に全力を出したあとに、運動中に酸素を使い切ってしまい、ゴールしてからその酸素の不足分を取り戻すため、しばらく苦しく感じる現象だ。逆に酸素を貯金することもできるという。「TT前やアタックがかかる前など、このあと激しい運動をすることが予想されるなら、大きく深呼吸を数回することであらかじめ酸素を血中に多く取り込んでおくことで、少しでも有利に走ることができます」。もちろん、ちょっとした差だがレースではこの差が分かれ目になるのだ。

呼吸のイメージ

肩で息をするとなぜつらくなるのか?

「苦しくなってくると、どうしても肩で息を吸う状態になります。肩で息を吸う状態だと、呼吸回数は増えても換気量が少なくなり、換気効率が悪くなります。最後はしょうがないんですが、できるだけそうならないように、しっかり吐き切ることを意識しましょう」。呼吸が浅いと、より酸素が必要になる盗血現象などが起きやすい。

盗血現象「呼吸筋も呼吸をしている?」

「じつは運動強度が高くなると、呼吸筋でもより多くの酸素を使ってしまい、脚への血流が少なくなってしまう『盗血現象』が起きるんです」 。これはどういうことか?

人間は、運動時に脚や腕の活動筋で多くの酸素を消費する。さらに運動強度が高まるにつれて酸素がさらに必要になるため、換気量が増加し、より多くの酸素が筋肉に送られるようになる。これに対応するために多くの呼吸筋も使われるようになる。安静時には横隔膜や外肋間筋などの一部しか活動していなかった呼吸筋も、運動時や強制換気時にはそのほかの多くの呼吸筋が導入されて、酸素需要が高まる。これによって脚への血流が減ってしまい、動きが悪くなることがあるというのだ。

「一定の閾値(ほぼ有酸素運動の閾値であるLT値あたり)を超えたあたりから、呼吸筋でのエネルギーコストが急激に上昇し、下肢などの活動筋において必要とされていたはずの血流が制限され、持久性パフォーマンスの低下が引き起こされていることがあります」

つまり、本来は脚で使われるはずの分の酸素を、呼吸筋が使ってしまい、その分の血流が脚へ行きわたらず、血流不足になってしまう現象が起きるのだ。このような反応を専門用語的には呼吸筋の“盗血現象” と呼ぶことがあるという。つまり「ぜーぜー」するような余裕のない呼吸をしたらそれだけエネルギーを使ってしまうということだ。逆に追い込んだときに呼吸抵抗が下がると活動筋への血流が増加し、パフォーマンスが向上したというデータも出ているらしい。

「僕らは自転車に乗るとき、ぜーぜー呼吸したくてしてるわけではないのですが、もし、ふだんから呼吸筋を鍛えておくことで効率的な呼吸ができれば、こうした盗血現象を抑え今よりもっと楽に速く走ることができるかもしれません」

運動強度が高く呼吸筋が酸素を使うと脚が動かなくなる

(中央)活動筋も呼吸筋も効率よく動いている (右)呼吸筋に多くの酸素を使われる=盗血現象

教えてくれた人

整形外科医 武井 裕さん

多忙な中トレーニングをこなし、現在JプロツアーチームVC福岡で走る。学生時代はバレーボールに取り組んでいたが、ケガから自転車に転向。スプリントを得意とする。

※この記事はBiCYCLE CLUB[2020年5月号 No.421]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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