体幹が安定する呼吸法をマスターして、スプリントに強くなる|ラクになる呼吸テクニック
Bicycle Club編集部
- 2022年03月30日
トップ選手は呼吸のタイミング、テクニックを使い分けることでより楽に、パワーを出している。今回はJプロツアーにも参戦する“走れるドクター”、整形外科医の武井 裕さんに、スプリントのときに役立つ呼吸のコツを解説してもらった。
息を大きく吸って吐き出しながらスプリント
「スプリントするときには、スプリントする前に大きく息を吸い込んでから、息を吐きながらもがきます。これは酸素を取り込むための呼吸だけではなく、むしろ空気を吸うことで胸郭の内圧を高め、体幹を安定させる狙いがあります」
内圧を高めることで、体幹も安定する
スプリントの場合、持続時間は短時間と限られているので、その直前に息を吸うことで、胸と腹、両方の圧力を高める。いわゆるドローインの状態にすることで、体幹をより安定させることができる。
2回吐くと死腔量が減り、より換気率が上がる
「呼気の中には死腔と呼ばれる呼吸器経路のなかでガス交換に関与しない空間、約200mlがあります。そのため1回の換気量が少ないと、換気量中の死腔の割合が増え効率の悪い呼吸となってしまう。このとき2回息を吐くことでしっかり肺から二酸化炭素を多く含む空気を追い出すことができます。
2回吐くメリットとメカニズム
2回吐いて1回吸うなどテンポを変える
2回吐いたほうが呼吸はラクになる。「吐いて、吐いて、吸って」などが代表的だが、タイミングは個人によって違う。ペダリングに合わせてリズムよく息を吐こう。
教えてくれた人
整形外科医 武井 裕さん
多忙な中トレーニングをこなし、現在JプロツアーチームVC福岡で走る。学生時代はバレーボールに取り組んでいたが、ケガから自転車に転向。スプリントを得意とする。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2020年5月号 No.421]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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- CREDIT :
- TEXT:山口博久(編集部) PHOTO:荒木優一郎/管洋介 ILLUST:田中斉
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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