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ロードタイヤ開発者とガチ走行を楽しむ西伊豆ライドツアーを体験|Panaracer

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開発にあたり、まず今のサイクリストたちがタイヤに求める性能をリサーチすることから始めたという。アジリストの開発責任者である高橋 諭氏は次のように話す。

「プロレーサーからアマチュアまで幅広く声を聞き、さらにシェアを伸ばしている競合他社がどのような商品価値をユーザーに提供しているのかも調べました。その上でタイヤの性能を改めて検討しました」(高橋氏)
パナレーサーがタイヤに提供できる価値を定めることから開発はスタートした。

転がり抵抗を重視するユーザーが多い

開発で最も重視されたのは転がり抵抗であった。昨今は第三者機関で転がり抵抗値が測定され、そのデータをタイヤ選びの参考にしているユーザーが多いのも事実だ。

「独自のアンケート調査でレース志向が強い人ほど転がり抵抗を重視していることがわかりました。グリップ力や耐パンク性は一定レベルで高いことは大前提とし、より転がり抵抗が小さいことが求められています。また、転がりがよいタイヤは、レーサー以外にもメリットがあり、乗り心地がよく快適なライドを提供できます。もちろんクセがない扱いやすさもタイヤに求めるべき性能です」(高橋氏)

このようにアジリストは転がり抵抗を重視しつつ、新しい時代に即して誰もが楽に速く走れるタイヤづくりをコンセプトに据えて開発された。

トレッド形状の見直し

今回の開発はトレッド形状の選択から始まった。トレッド中心をやや尖らせたオールコンタクト形状は、RACE EVOシリーズで採用されてきた、いわばパナレーサーのレーシングタイヤのアイデンティティ。それを見直すことからはじめ、実際にアジリストはラウンド形状に変更された。昨今のユーザーの声、機材との適合性、試験機での性能テストなどを総合的に判断した結果だ。

左が従来のオールコンタクト形状、右がアジリストで採用されたラウンド形状。ETRTO2021規格に合わせてリム幅19Cで設計された

「トレッド形状の変更にはじまり、新コンパウンドや耐パンクブレーカーに新素材を採用しました。ケーシング以外は全て新しい素材に生まれ変わっています。すべては従来どおりの高いグリップ力や耐パンク性を維持しながら、転がり抵抗を徹底的に低減するためです。従来の耐パンクブレーカー素材は強度が高くて丈夫でしたが、いっぽうでタイヤのしなやかさが失われ、それが転がり抵抗値にも悪影響をもたらしていました。そこで、アジリストはより柔軟性に富んだ新素材に変更しています。また、(タイヤとリム幅の統一規格である)ETRTO2021規格に合わせて設計し、トレンドの19C幅のワイドリムに最適化しています」と高橋氏。じつは開発が始まった途中でETRTO2021情報が飛び込んできて、急遽設計し直したということがあったそうだ。

新テクノロジーや素材を融合

さまざまな課題をクリアしながら、トレッドのラウンド形状への変更、新コンパウンド「ZSGアジャイルコンパウンド」、耐パンクブレーカー「TFスーパーベルト」といった新テクノロジーや素材を融合。その結果、前作RACE  EVO4と比較して、20gの軽量化を実現しつつ、転がり抵抗値を大幅に減らすことに成功している(冒頭紹介したプレゼンでの極秘資料にも確かに記載されていた)。まさに、アジリストの一連のプロモーションで耳にする「全く新しい黄金比」、究極の性能バランスを実現した「パナレーサーレシオ」なのだ。

伊豆の絶景が楽しめる山岳コースでテストライド

今回の西伊豆を舞台にしたライドツアーのコースは、関東随一の絶景ルートとして有名な西伊豆スカイラインが組み込まれた距離45km。会場となった伊豆マリオオットホテル修善寺を起点に船原峠や戸田峠をつなぎ時計回りに1周する山岳コースだ。言ってしまえば、平坦はごくわずかで、20km近いヒルクライムのち豪快なダウンヒルというルートだ。タイヤ性能を存分に発揮してもらうには申し分のないシチュエーションと言ったところだ。

パナレーサーの大和竜一代表取締役もライドに参加

パナレーサーからは開発サイドのメンバー3名に加えて、大和竜一代表取締役も参加。2020年に他業種から社長に就任した大和社長自身も健脚サイクリストだ。会社のある兵庫県丹波市から日本海まで走破するなど、本格的にロングライドを楽しんでいる。

若手開発メンバーは日頃からロードレースやシクロクロスなどに参加するレーサーたち。社内には「パナレーサーサイクリングクラブ」があり、社員同士、定期的にプライベートライドやイベント参加を楽しんでいる。なお、従業員数は120名ほどで、うち15名ほどが今回のアジリスト開発に直接的に関わっているという。ここには工場生産ラインスタッフは含まれないが、現在はフル稼働でアジリストを製造しているため、開発者メンバーたちも応援で工場に入り、タイヤのラベル貼り作業などの工程を手伝っているそうだ。

今回のライドツアーにはロングライド派の編集部ニシヤマも参加
各々のペースでアジリストの走行フィールを感じながらヒルクライムを堪能
アジリストとともに西伊豆スカイラインを駆け上がる
修善寺温泉にあるそば処「ささや」で昼食。わさび1本をすりおろして十割そばをいただいた
修善寺温泉街は自転車を押し歩いて散策を楽しんだ。こうした時間こそ参加したメンバーたちが交流を深める機会になる
ライドの終わりは、修善寺のキャンプ・ベアードのブルワリーでフィニッシュ。伊豆マリオットホテル修善寺までは無料送迎バスで安心

テストライドを終えて

パナレーサーの開発者とともに堪能した西伊豆の絶景ライドツアー。開発者と走ったライドレポートを通して、メイドインジャパンのアジリストを身近に感じることができた。アジリストの試乗レビューについては改めてお届けする予定だ。お楽しみに!

▼AGILEST(アジリスト)製品の詳細はこちら
AGILEST特設ページ

 

問:パナレーサー
https://panaracer.com/

出典

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PROFILE

ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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