回数やタイミングが重要! ラクに走るためのギヤチェンジのコツ|ロングライド快走術
Bicycle Club編集部
- 2022年04月29日
ロングライドをいかにしてラクに楽しく走り切れるか? 苦しまずにロングライドを走るための実践ノウハウを自転車プロコーチのウォークライド須田晋太郎さんに教わった。
今回の記事では「ギヤチェンジのコツ」を紹介! ロングライドが苦手なサイクリストの多くがギヤチェンジの回数が極端に少ない。しかも、変速のタイミングも悪く、体への負荷は増すばかりだ。改めて、ギヤチェンジの意識づけを行い、テクニックを実践していこう。
常に予測する意識を持って積極的にギヤを変えていく
「初級者ほどギヤの変速回数が少ないんです」とい須田コーチ。ロングライドで苦しんでいる人ほど変速回数が極端に少ない傾向にあるという。まだ脚が元気なうちは、ゆるめの坂道なら筋力で踏み切れるかもしれないが、その積み重ねが終盤にダメージとして返ってくることを覚えておきたい。坂道だけでなく、向かい風などトルクの変化を感じたら積極的に適正ギヤに変えることが大切だ。同時に変速のタイミングもマスターしたい。
初級者は坂道の途中でギヤが重く感じてからフロントをアウターからインナーギヤに変速することが多い。ラクに走るためには勾配が変化しだす前にギヤを変えておく習慣を身につけたい。
「ギヤが重いから変えるのではなく、余裕のあるうちに変えること。先の状況を見て予測することを意識しましょう。常に予測してギヤを変えて、また予測して……の繰り返しです。また、信号ストップの直前にギヤを2〜3枚シフトダウンしておくことも忘れずに。信号につかまるごとに重いギヤを踏み込んでいては、終盤に脚がつってしまいますよ」(須田コーチ)
筋力ではなくギヤで負荷の変化に対応する
ギヤチェンジのタイミング
ポイントは、坂道の途中でペダルが回らなくなってからフロントをアウターからインナーに入れないことだ。トルクが高まっている段階で、無理にフロントをインナーに入れれば、トルクが急に抜けてリズムが狂ってしまう。そのため、最低限、坂道に入る前の段階で、フロントをインナーに入れる作業だけは必ず行おう。そのうえで、インナーに変えると同時にリアのギヤを2〜3枚シフトアップすると、トルク変化を抑えられる。
トルクで稼ごうとせずケイデンスを上げよう!
パワーは、ペダルに伝えるトルクとケイデンス(回転数)の掛け算だ。そのため、トルクを高めてもケイデンスが下がればパワーは低下する。逆に、トルクは低くてもケイデンスを上げればパワーは高まる。後者のほうが、脚の筋肉へのダメージは少なくて済むので、ケイデンスを高める意識をもつことが大切だ。
パワーメーターを使えばペーシングが楽になる!
ロングライドのペース管理に欠かせないパワーメーター。客観的な出力データによって、走りながらリアルタイムに負荷レベルチェックできる。ペースを安定させやすく、坂道でついつい踏みすぎてしまった、ということを防げる。「ステージズ」や「4iiii (フォーアイ)」など価格を抑えたモデルも多い。
教えてくれた人
自転車プロコーチ 須田晋太郎
ウォークライド シクロアカデミア、日本体育協会公認自転車競技コーチ。10代のころから自転車競技に取り組み、実業団トップカテゴリーで活動後、トレーナーとして国内チームに帯同。現在、プロコーチとして幅広い層のサイクリストのコンディショニングやフィッティングサービスを行いながら、大磯クリテリウムや箱根ヒルクライムなど人気イベントも主催する。
https://walkride.jp/academia
※この記事はBiCYCLE CLUB[2020年10月号 No.426]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:ハシケン イラスト:西村アメリカ君
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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