
表はストイック、裏はゆっくり! 野島流のヤビツの楽しみ方とは?|おすすめヒルクライムスポット

Bicycle Club編集部
- 2022年05月11日
著名サイクリストがお気に入りの峠を紹介。「いったいなぜ自分がその峠を好きなのか」を存分に語ってもらった。今回は東京都や神奈川県のライダーにはおなじみのヤビツ峠の魅力を、声優の野島裕史さんに聞いてみた。
ゆるサイクリストも楽しむヤビツ峠の魅力とは?
僕の「俺峠」は神奈川県にあるヤビツ峠です。僕自身はゆるいサイクリストで、楽しんでいくことを目的に自転車に乗っていて、ガチのヤビツライダーからいえばきっとぜんぜんたいしたことないです(笑)。でもやはり好きですし、何度も上っていますね。
東京都内を移動するだけの人間だった自分がヤビツに挑戦したのは7年前。数カ月後に出場予定だった富士ヒルクライムへの予行練習としてでした。タイムも計測したりして。
個人的なヤビツの上り方として「表はストイックに追い込む、裏はゆっくり下って楽しむ」が僕のスタイル。裏ルートの川の景色を楽しみながら下るのがとにかく好きです。本来下りは怖く、好きじゃないのですが、上りで苦しんだ後にゆったり楽しめるのがいいですね。下った後は宮ケ瀬湖そばにあるレストラン「スタンプ」のハンバーガーをよく食べています。
自転車初心者の仲間と上るときなどもまず裏ヤビツです。仲間というと、声優自転車チームのメンバーとも上っていて、同じ弱虫ぺダルに出ていた伊藤健太郎さん(田所迅役)ともよく行っていました。
思い出は初めて表を上ったとき、菜の花展望台がゴールだと思うじゃないですか? あれ罠ですよね(笑)。やられましたよ〜。しかもあそこからの上りもまだきつくて。でもトレーニングとしては最適なんですけどね(苦笑)。
それと……あるとき夕方にヤビツに向かい、日暮れ前に上り切ろうと走りだしました。すると霧が出てきた上りの途中、道に座り込む男性を見つけたんです。上下白服で荷物はなし、でもケガとかの雰囲気もなく……。上りながらの一瞬にひとこと「大丈夫ですか?」と声掛けしたのですが無反応……。
上るのに一生懸命だったのでいったんそのまま頂上にたどり着き、すぐに引き返しました。でも下り途中に出会えなかったんです、その人に! 一本道だし、民家もない、クルマも一台も通っていなかったのに……。後で調べたらけっこう「出る」らしいですね。それ以降は明るい時間に上るようにしています(笑)。
サイクリストが多いこともヤビツのよさだと思います。上りできついとき「あと少しだよ、頑張れ」って励ましてくれるのがうれしいですよね。そうやって声かけられると、ほんとうは苦しいのにやたら大きな声で元気に「はーい、頑張ります!」と答えちゃうんです。職業病かな(笑)? なので自分も下っているときには頑張れって声をかけるようにしています。



ヤビツ峠
距離:11.4km
平均勾配:6%
標高差:663m
スタート地点:名古木交差点 98m
ゴール地点:ヤビツ峠頂上看板 761m
教えてくれた人
声優 野島裕史さん
ロードバイク歴約12年で、声優仲間と作った自転車チーム「ボイシクル」発起人。JFN系列の自転車FMラジオ「サイクリストステーション・ツアー・オブ・ジャパン」のパーソナリティーや、Jスポーツのサイクルロードレースのナビゲーター。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年12月号 No.440]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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