海外からも人気！　思わず声が出るほど感動する長尾峠の魅力｜おすすめヒルクライムスポット

Bicycle Club編集部

2022年05月03日

著名サイクリストがお気に入りの峠を紹介。「いったいなぜ自分がその峠を好きなのか」を存分に語ってもらった。今回は神奈川県と静岡県を結ぶ短い旧道「長尾峠」の魅力を、小田原市にサイクリング拠点をもつツアーガイド、マイケル・ライスさんに聞いてみた。

感動の絶景を望むなら長尾峠

私は小田原市でジプシーさんのサイクリングカフェを拠点にツアーガイドをしていて、自転車に乗っていれば幸せな人です（笑）。そんな私が選んだおすすめの峠は長尾峠！　長尾峠は上るたびに写真や動画を撮っていて、それを今見返してみました。え〜、2019年10月に初めて上ってからわずか2年で30回以上、上っています。笑っちゃいますね！

それまで箱根は何度も走っていましたけど、ある日イギリスのグランフォンド仲間と「もっとチャレンジングなルートを見つけようぜ」と、神奈川から静岡へ向かう長尾峠へ走り出しました。そうしたら上る途中に「え、こんなに美しい峠があったのか!?」とすごく驚きました。芦ノ湖、大観山、大涌谷が一望できて、手前のゴルフ場さえも美しい！　さらに頂上のトンネルを抜けると静岡側の富士山が見られる！　そのうえこの長尾峠は旧道で、めったにクルマが通らない天国のよう。まさにサイクリストにぴったりな峠です。

長尾峠にはこれまで友だちやお客さんを、少なくとも500人は誘っているはずです（笑）！　サイクリングジプシーカフェをオープンさせてから、1000m上れる脚があるお客さんが来たら、長尾峠を紹介しています。それに初めてヒルクライムを上るような人とは、ただ上るだけでなく、頂上でピクニック風にランチを食べたりもしましたね。まぁそのとき私は肋骨を折っていたので、クルマサポート役でしたが（笑）。

小田原駅近くのサイクリングジプシーカフェで食事や情報収集を行ってから長尾峠に向かおう

峠としてはさして高くない（最高標高地点944m）が、アップダウンを繰り返しながら一部15%超えの区間もあるなど、決してラクではない峠。中盤から後半にかけてとくに景色がいい

そしてなによりグランフォンド！　私たちが企画するジプシーグランフォンドには「必ず絶景を入れる」という命題がありますから、いつも長尾峠を組み込みます。ちなみにそのルートは箱根峠や十石峠、大観山をつないだ120km以上のコースで、獲得標高は2700mを超えます。この1年で11回も開催しています。

オススメの季節は秋！　秋は空が澄んで青空がきれいです。そして同じ箱根エリアにある仙石原のススキの黄色が、一番美しい時期でもあります。山の緑とススキの黄色、芦ノ湖の青が混じってとっても美しい！　しかも長尾峠はほぼ一年中雪が降らないのでいつでも上れます。私的には10〜12月までがベストシーズンだと思っています。みなさん来てください！

さらに最近では、長尾峠を含むこのエリア全体を世界的なサイクリングの観光名所にするべく、神奈川県の行政の人たちとも協力、活動をしています。長尾峠やその周辺エリアの魅力を世界中に伝えたいですし、それほどに魅力のあるサイクリングスポットだと思っています。