
当て効きで車間をコントロール! ドラフティング省エネ走行術でスキルアップ

Bicycle Club編集部
- 2022年05月30日
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グループライドでは安全な範囲内の適度な車間を保つことでドラフティング効果を得られる。バイクコントロールスキルを身につけて安全にラクに走ってみよう。
グループライドで効果的な車間コントロールテク

ロングライドイベントで仲間と走るときに必ずテーマになるのが車間コントロール。グループライドの一体感を楽しみながら、前走者のスリップストリームを利用し車間をコントロールしながら体力の消耗を抑えて走ることができる。走行スキルを磨くことでグループ内の連携もグッと上がり、体力以上のロングライドも走れるようになる。
自転車のドラフティング効果は風の強さや速度にも影響するが、前走者と10mほど離れるとその恩恵は薄くなってしまうため、前走者との距離を安全に縮めていくスキルを習得しておきたい。その前に認識しておきたいのが、どんな場面で車間に十分な余裕を保っておいた方がいいのかということ。管コーチに聞いてみた。
「基本的にはクルマの運転と同様の危険予測が必要です。まずは走行環境や路面状態が不安定になる場面を例に挙げると、荒れた路面、悪天候で前方の視界が不明瞭、木漏れ日でコントラストが強い、急でスピードが出る下り、狭い下りやブラインドコーナーが先にあるといった場合は、前方との距離を離し安全を確保しましょう。次に急なスピードの緩急が生まれやすい上り返し・信号の変わりめは車間に細心の注意を払いましょう」
ペダリングする脚を止めずに車間を調整しよう
ペダリングを続けながら車間を調整
初心者は車間が詰まるとついついペダリングの脚を止めがちだ。ところが、ペダリングでトルクを掛け続けると車体が安定する特性と、フロントブレーキの当て効き制動を加えてペダリングを続けることで、重心の支点を足下のペダルに感じながら車間を調整できる。また、ペダリングを続けながらの当て効き制動は、スピードのわずかな調整にも最適で、急激にスピードがダウンしないことで後走者との車間を守ることにつながる。
グループ走行のスキルアップに有効!
声で知らせれば怖くない

前走者がハンドサインで合図を出すシーンでは、グループ内での情報共有が必要となる。車間に余裕がなかったり、片手離しに余裕がない場合は「減速!」「注意!」など声で後方に伝達することでグループコミュニケーションを成立することができる。前走者も後走者から反応を確かめることができるため一石二鳥だ。
前方不注意が事故の原因!

前走者と十分な車間があっても、ふとメーターを触っている間に追突してしまったというケースはじつに多い。ほかにもボトルを取っている最中やビンディングペダルをキャッチしているときなど、落車の危険の多くは前方から視線が外れたときに起こりやすい。慣れた動作でもグループライドの際は前方の状況判断を最優先しておく必要がある。
最小のアクションで走行ラインを守ろう

まわりの状況を気遣うあまり、振り向いている隙に走行ラインが左右に流れていることに気付かないライダーも多い。グループ走行内のアクションは最小限の範囲にしておきたい。振り向く際も肩までひねらずに行い、急加速や不用意に脚を止めてしまうのもまわりのリズムを大きく崩してしまうのでやめる。チームワークをイメージしてライドを楽しもう。
教えてくれた人
プロサイクリングコーチ
管 洋介さん
アヴェントゥーラサイクリング運営代表/監督。チーム活動のかたわらバイシクルクラブの撮影や執筆も行う。20代のころから海外でレースを走り、国内チームの設立などにも尽力するベテランライダー。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年2月号 No.430]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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