BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

フィリプセンがスプリント勝利、ヴィンゲゴーは落車もジャージも守る|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランス2022は現地7月17日が第2週の最終日。202.5kmで争われた第15ステージはスプリントフィニッシュとなり、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が優勝。記念すべきツール初勝利を挙げた。4賞ジャージには変動がなく、マイヨジョーヌはヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)がキープ。途中で落車に見舞われたが、大きなダメージなくレースを終えている。

久々のスプリント勝負。コースレイアウトを把握していたフィリプセンが制する

個人総合争いに大きな変動が起こるなど、激動だった大会第2週。南フランス特有の暑さも選手のコンディションに影響が出始め、大なり小なりレース結果に反映されている印象だ。

この週を締めるのは、ロデズからカルカッソンヌまでの202.5km。平坦にカテゴライズされ、前後半1つずつの3級山岳を越えることが条件にはなるが、最終盤はフラットとありスプリンターにとっては大きなチャンスだ。

©A.S.O. / Charly Lopez

レースを前に、この日は3選手が未出走。今大会を盛り上げてきたマグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)とサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック、オーストラリア)は新型コロナウイルスの感染が確認されたため、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)は落車負傷を押して走ってきたが、今後への調整を考慮しここで大会を去ることになった。

©A.S.O. / Charly Lopez

154選手がスタートしたレースは、リアルスタート直後にマイヨヴェールのワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)、ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)、ミッケルフレーリク・ホノレ(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)の3人がアタック。その後も追随する動きが見られたが、3人が徐々にリードを広げていく。ときに集団が分裂する局面もあったが、集団の動きが落ち着いたところで一団に戻っている。

©A.S.O. / Charly Lopez

先頭の3人は、当初ファンアールトだけが引いている状態だったが、やがてポリッツとホノレも協力。40km地点ではメイン集団に対して2分14秒のリードを得る。

©A.S.O. / Charly Lopez

ただ、この後にファンアールトがチームカーとのやり取りを経てメイン集団へ戻る判断をする。これで逃げは2人に。集団はアルペシン・ドゥクーニンクやチーム バイクエクスチェンジ・ジェイコが主にペーシングを担って、前を行く選手を射程圏にとどめる。

©A.S.O. / Charly Lopez

レースが半分を過ぎて突如緊張が走った。集団前方を走っていたファンアールトやステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)らが落車。ファンアールトら数人はすぐにバイクにまたがったが、クライスヴァイクは座り込んでしまい再出発ができない。鎖骨骨折の疑いがあり、そのまま救急搬送された。これで、ユンボ・ヴィスマは山岳アシストを2人欠くこととなり、ライバルのUAEチームエミレーツと出走者6人で並んだ。

さらにユンボ・ヴィスマの災難は続いた。8kmほど進んだところで今度はマイヨジョーヌのヴィンゲゴーとティシュ・ベノート(ベルギー)が落車。これにはアシスト陣も脚を止めてヴィンゲゴーの集団復帰を急ぐ。労せず集団に戻ったヴィンゲゴーだったが、ダメージの具合が心配された。

©A.S.O. / Charly Lopez

そうしているうちに、この日2つ目の3級山岳の上りを迎える。トレック・セガフレードが集団を引っ張ると、スプリンターが次々と後退。このうちファビオ・ヤコブセン(クイックステップ・アルファヴィニル、オランダ)やカレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)は、最後まで前線復帰はできなかった。

上りの途中では、ポリッツとホノレに代わってバンジャマン・トマ(コフィディス、フランス)とアレクシー・グジャール(B&Bホテルズ・カテエム、フランス)が先頭に立つ。頂上を越えて、下り区間に入るとタイム差は30秒ほどまで広がった。また、遅れていた選手たちの多くが集団復帰を果たし、ディラン・フルーネウェーヘン(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オランダ)もスプリント戦線に生き残った。

©A.S.O. / Charly Lopez

先頭の2人と集団とは30秒前後の差で行ったり来たり。残り10kmを切ってからは、ユンボ・ヴィスマが危険回避のためにヴィンゲゴーを先頭付近まで引き上げながら、残り距離を減らしていく。

©A.S.O. / Charly Lopez

2人の逃げは、残り4.5kmでトマがグジャールを引き離して独走態勢へ。残り3kmで12秒、残り2kmで5秒と集団が迫ってくるが、最後の1kmを切ってもトマが粘り続ける。あわや逃げ切りかと思わせたが、残り450mで集団に飲み込まれた。

ステージ優勝争いはスプリントに。最終コーナーを前に好位置を固めたのはトレック・セガフレード。ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)のリードアウトから、マッズ・ピーダスン(デンマーク)が放たれた。

ピーダスンの後ろに入っていたファンアールト、その数人後ろから自力で上がってきたフィリプセンが左右から急加速。3人は並ぶようにしてフィニッシュラインへ。きわどい勝負になったが、最後の最後に伸びたフィリプセンが競った2人にバイク半分の差で勝利を決めた。

©A.S.O. / Charly Lopez

この数年ですっかりトップスプリンターの1人になったフィリプセンだが、意外にもツールではこれが初勝利。晴れてエーススプリンターとして乗り込んだ今大会で、大きな仕事を成し遂げた。フィニッシュ直後には仲良しのポガチャルから水かけの祝福も。ステージ表彰も笑顔で登壇した。

フィリプセンに続いて、ファンアールトが2位、ピーダスンが3位。ファンアールトはこの日、中間スプリントポイントでも3位通過しており、順調に得点を加算。マイヨヴェール争いで独走状態にある。

マイヨジョーヌのヴィンゲゴーも集団内でフィニッシュ。落車トラブルには見舞われたものの、大きな問題はなくトップの座をキープ。第3週へと向かう。なお、個人総合上位陣の変動も起きていない。

翌18日は今大会2回目の休息日。このステージのフィニッシュ地であるカルカッソンヌで過ごして19日に行われる第16ステージを迎える。その次ステージは、フォアまでの178.5km。決戦地ピレネーへと脚を踏み入れる1日は、レース後半2つの1級山岳がポイントになりそう。特に2つ目の1級山岳ミュール・ド・ペゲールには18%と16%の急勾配が潜んでいる。最後の27kmはダウンヒル。登坂力と下りのテクニックが要求されるステージだ。

ステージ優勝 ヤスパー・フィリプセン コメント

©A.S.O. / Charly Lopez

「信じられないよ! 何度もトライしてきて、やっとこの日を迎えられた。ワウト・ファンアールトが迫ってくると思ったらそのとおりだった。昨年の経験から、最終コーナーからフィニッシュラインまで長くないことは把握していた。コーナーに入るときにポケットされてしまったけど、マッド(ピーダスン)をパスできてよかった。

ツール・ド・フランスでいつ勝てるのかとずっと考えていた。チームとともにこのステージを勝ち取れたことが誇らしい。それが可能だと信じ続けていたし、今日は調子が良いと感じていた。適切な瞬間と機会を待ってきたけど、今日がまさにその日だったよ」

マイヨジョーヌ ヨナス・ヴィンゲゴー コメント

©A.S.O. / Charly Lopez

「プリモシュ(ログリッチ)、ステフェン(クライスヴァイク)は私にとって非常に重要なチームメートだ。とても強い2人がいなくなるのは、まったくもって良いことではない。不利な要素になってしまうが、パリまで戦い続けるよ。

今日のクラッシュで体の左側を打撲した。すぐに走り出すことができて良かったが、落車してしまうときはいつもそんなものだね」

ツール・ド・フランス2022 第15ステージ結果

ステージ結果

1 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー) 4:27’27”
2 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)ST
3 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)
4 ペテル・サガン(トタルエナジーズ、スロバキア)
5 ダニー・ファンポッペル(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
6 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オランダ)
7 フロリアン・セネシャル(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)
8 ルーカ・モッツァート(B&Bホテルズ・カテエム、イタリア)
9 アンドレア・パスクアロン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)
10 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)

個人総合時間賞(マイヨジョーヌ)

1 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク) 59:58’28”
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+2’22”
3 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+2’43”
4 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+3’01”
5 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+4’06”
6 ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック、コロンビア)+4’15”
7 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)+4’24”
8 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)ST
9 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+8’49”
10 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+9’58”

ポイント賞(マイヨヴェール)

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞(マイヨアポワ)

シモン・ゲシュケ(コフィディス、ドイツ)

ヤングライダー賞(マイヨブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

イネオス・グレナディアーズ 179:46’42”

▼ツール・ド・フランス2022のチーム&コース情報はこちらへ

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

2022年07月01日

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load