BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • 湘南スタイルmagazine
  • ハワイスタイル
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

ポガチャルをステージ優勝に導いたチームUAE、耐えたヴィンゲゴー|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランス2022は現地7月20日に第17ステージを実施。129.7kmに4つの山岳が詰まった短距離コースで、UAEチームエミレーツが終始レースをコントロール。最後はヤングライダー賞のマイヨブランを着るタデイ・ポガチャル(スロベニア)が、マイヨジョーヌのヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)との競り合いを制して今大会3勝目となるステージ優勝を挙げた。ヴィンゲゴーはポガチャルに先着こそ許したものの、同タイムでフィニッシュ。個人総合トップの座はキープした。

総合タイム差2分18秒で最後の山岳ステージへ

大会は第3週に入り、ピレネー山脈を進行中。同地での3連戦のうち2戦目となるのが第17ステージ、サン=ゴーダンスからペイラギュードまでの129.7km。ロードレースステージとしては今大会2番目の短さであると同時に、中盤から終盤にかけて1級と2級の山岳が計4カ所詰め込まれる。その構成は、1級山岳コル・ド・アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)、2級山岳ウルケット・ダンシザン(8.2km、5.1%)、1級山岳コル・ド・ヴァル・ルーロン=アゼ(10.7km、6.8%)、そして最後はツールではおなじみのペイラギュード(8km、7.8%)。

ペイラギュードの頂上フィニッシュ手前1kmは、最大勾配16%。これまでもフィニッシュ前で差がついたことがあり、最後まで何が起こるか分からないコース設定である。

©A.S.O. / Charly Lopez

スタートを前に、2選手が大会を離脱すると発表された。ティム・ウェレンス(ロット・スーダル、ベルギー)は新型コロナウイルスに感染、ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)は前日のステージでチェーンが切れた際に右大腿四頭筋を肉離れ。ポガチャルにとっては最重要な山岳アシストを失い、さらには4選手で残りステージを戦う必要に迫られている。

しかし、そんな数的不利を跳ね返すべく、UAE勢の猛攻が目立つレースとなる。

リアルスタートからしばらくはアタックとキャッチが繰り返され、そのまま32.9km地点に置かれた中間スプリントポイントへ。ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が1位通過し、マイヨヴェールのワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)が続いた。

それからも逃げ狙いのアタックは頻発し、その中には個人総合トップ10が見えるポジションを走る選手の姿もあった。

©A.S.O. / Charly Lopez

中盤までこの状況は続き、山岳区間に入ってようやく形勢が見え始める。ギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プレミアテック、カナダ)とオウェイン・ドゥール(EFエデュケーション・イージーポスト、イギリス)の飛び出しをきっかけに、数人単位の追走パックが発生。コル・ド・アスパンの上りで15人の先頭グループとなる。この中からティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)とアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)が先行を開始。2人逃げとなって、それを10人以上が追う流れとなった。コル・ド・アスパンの頂上はピノが1位通過している。

©A.S.O. / Charly Lopez

続く上り、2級のウルケット・ダンシザンに入っても2人の逃げは変わらず。追走グループが45秒で続き、さらに1分20秒差でメイン集団が続く。集団ではUAEチームエミレーツが牽引を本格化。これによって、個人総合6位につけるアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)や同13位のニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)が遅れ始める。この上りもピノが頂上を1位通過している。

©A.S.O. / Charly Lopez

下りを経て、3つ目の上りであるコル・ド・ヴァル・ルーロン=アゼに入ろうかというところで、追走グループが先頭2人に合流。この中には個人総合9位につけるロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)も含まれ、順位ジャンプアップをかけて先を急ぐ。上りに入るとバルデのチームメートであるアンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)がひとり逃げを開始。バルデを前待ちする形を整える。

©A.S.O. / Charly Lopez

しかし、この上りでメイン集団の勢いが一気に増す。ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)の牽引でスピードが上がると、直前のダウンヒルで再合流していたイェーツやポーレス、トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)らを置き去りにし、さらには先行していた選手たちを次々とパス。頂上手前3kmでレックネスンも追い抜くと、そこにはマクナルティのほか、ヴィンゲゴー、ポガチャル、トーマスしか残らず。トーマスもこの直後に遅れ始め、バルデらと上位狙いのパックを形成した。

©A.S.O. / Charly Lopez

3人になった先頭かつマイヨジョーヌグループでは、頂上200m手前でポガチャルがアタック。これをヴィンゲゴーが読んで、すかさずチェックする。そのまま下りに入ってマクナルティが前線復帰すると、再び牽引を開始してポガチャルとヴィンゲゴーを引き連れてペイラギュードへと向かった。

Photo: Syunsuke FUKUMITSU

いよいよ迎えたペイラギュードの上り。3人の形成に変化がないまま残り距離が消化されていく。後方ではバルデがアタックし、トーマスが続く。さらに後ろでは個人総合4位のナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)、同5位のダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)が追走。活発に動くが、先頭3人との差は広がる一方。

先頭では、残り1.2kmでポガチャルがヴィンゲゴーを前に出してポジションチェンジ。マクナルティに前を牽引させつつ、ヴィンゲゴーの動きをチェックする。ヴィンゲゴーとポガチャル、互いを見合いながら最後の直線へとやってきた。

©A.S.O. / Pauline Ballet

今大会3回目となる飛行場滑走路フィニッシュ。急激に勾配が厳しくなるタイミングでポガチャルがスプリントを開始。すぐにヴィンゲゴーが続くといったん減速。すると今度はヴィンゲゴーが残り200mで加速。ポガチャルがそれを追うと、最後の100mでヴィンゲゴーをパス。そのままトップを守ってフィニッシュへと飛び込んだ。

©A.S.O. / Charly Lopez

ポガチャルはこれで、第6・7ステージに続く今大会3勝目。このステージでのマイヨジョーヌ奪還とはならなかったが、終始チームがレースを支配した中で勝ち切ったことに大喜び。また、ヴィンゲゴーも最後まで踏み切ってポガチャルと同タイムフィニッシュ。マイヨジョーヌのキープに成功した。

©A.S.O. / Charly Lopez

強力なアシストぶりで、このステージの敢闘賞を獲得したマクナルティが3位。後続は、テンポで上り続けたトーマスが4位。逃げから上位戦線に残ったルツェンコが5位、バルデが6位だった。

これらの結果から、ヴィンゲゴーとポガチャルとの総合タイム差は2分18秒に。両者が獲得したボーナスタイムによって、タイム差は4秒縮まっている。個人総合3位はトーマスで変わらず、ヴィンゲゴーから4分56秒差。バルデが順位を3つアップさせて、同6位に浮上。一方で、イェーツが3ランク下げて同9位に。同10位でスタートしたピドコックはトップ10圏外へ下がっている。

今大会の山岳ステージは、翌21日に行われる第18ステージで最後。ルルドからウタカムまでの143.2kmは、中盤から超級オービスク峠(登坂距離16.4km、平均勾配7.1%)、1級コル・ド・スパンデル(10.3km、8.3%)、超級ウタカム(13.6km、平均勾配7.8%)の上りが立て続けに待っている。マイヨジョーヌ争いはこのステージを終えると、第20ステージの個人タイムトライアルのみに。残り少ない攻撃チャンスをどう生かしていくのか、個人総合上位陣の戦い方が見ものになる。

ステージ優勝、マイヨブラン タデイ・ポガチャル コメント

©A.S.O. / Charly Lopez

「4人しかいないチーム状況でステージ優勝できたことは最高の喜びだ。自分たちが成し遂げたことを誇りに思う。ラファウ(マイカ)、ジョージ(ベネット)、ヴェガール(ラエンゲン)、(マルク)ソレルがいなければ、ここまでは来られなかった。明日のことは改めて考えるけど、まずは今日のことを喜びたい。全力を尽くしたし、ステージ優勝しなければならないと分かっていた。

ブランドン(マクナルティ)、ミッケル(ビョーグ)、(マルク)ヒルシには感謝してもしきれない。ミッケルは上りで最高のペーシングだったし、私に自信を与えてくれた。ブランドンは最後2つの上りで素晴らしい働きをしてくれた。彼はツールで絶好調だが、今日はスーパーだった。

私はツールに勝てると楽観的に構えている。明日も難しいステージなので、そこで取り戻すことができるのではないかと考えている」

マイヨジョーヌ ヨナス・ヴィンゲゴー コメント

©A.S.O. / Charly Lopez

「ステージ優勝できなかったのは残念だが、最後のレイアウトは私よりもポガチャル向きだった。私にできることはあれ以上なかった。彼は勝利に値する。

最終局面まで問題はなかった。あるタイミングから1人になっていたけど、焦ることはなかった。難しいステージだったが4秒しか失わなかったし、まったく失望するようなことではない。

UAEチームエミレーツはブランドン・マクナルティとミッケル・ビョーグが素晴らしい走りだった。彼らは自信を深めていると思う。

明日に向けてしっかり休みたい。まだ勝つことについては考えていない。山だけじゃなくタイムトライアルも残っているから、そう簡単に勝てるとは思っていないよ」

ツール・ド・フランス2022 第17ステージ結果

ステージ結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 3:25’51”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)ST
3 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+0’32”
4 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+2’07”
5 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)+2’34”
6 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+2’38”
7 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+3’27”
8 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)+3’32”
9 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)ST
10 ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック、コロンビア)

個人総合時間賞(マイヨジョーヌ)

1 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク) 67:53’54”
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+2’18”
3 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+4’56”
4 ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック、コロンビア)+7’53”
5 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+7’57”
6 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+9’21”
7 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)+9’24”
8 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)+9’56”
9 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+14’33”
10 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+16’35”

ポイント賞(マイヨヴェール)

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞(マイヨアポワ)

シモン・ゲシュケ(コフィディス、ドイツ)

ヤングライダー賞(マイヨブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

イネオス・グレナディアーズ 203:51’41”

▼ツール・ド・フランス2022のチーム&コース情報はこちらへ

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

2022年07月01日

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load