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フォームが変われば走りが変わる! ヒルクライムのための脱力フォーム

パワフルな走りのイメージは、そう続けられるものではない。じつは速く走るコツは、パワフルなイメージではなく「脱力」だという。速く走るのに「脱力」と言われてもピンとこないかもしれないが、ここでは余計な力を使わずに乗るためのトレーニングを紹介する。

ペース・傾斜に合わせたハンドルの持ち方

ひとくちに上りと言っても、平坦に近い緩斜面から10%を超えるような急勾配までさまざまなタイプがある。そして、コース内にはさまざまな勾配変化があるのが普通だ。また、ヒルクライムはタイムトライアル的な要素が強いものの、ライバルと同時に走ることによって、ペースの上げ下げにも対応する必要がある。勾配やペースに応じてフォームを変えることが、ヒルクライム力強化の基本だ。

上りを一定ペースで巡航する基本ポジションはフラット部分

上りを一定ペースで巡航するときの基本フォームは、ハンドルのフラット部分(上ハン)を持つこと。上体が起きて呼吸がラクだ。

ややペースアップしたいときに対応しやすいブラケット

少しペースアップするときにはブラケット部分を持ち、やや上半身の前傾を深めるといい。このとき視線は前を見ること。

アタックへの対応などハイスピード時には下ハンドル

アタックに対応するときなどは、下ハンドルを持って上半身の前傾を最大級に深くする。このフォームでは力強いペダリングが可能。

ペースや勾配に合わせて座る位置を変える

ペースや勾配がきつくなればなるほど、サドルの前のほうに腰を移動させて前乗り気味にするとよい。「勾配がきつくなると必然的に後ろ乗りになってしまうので、体重を十分に足にのせる力強いペダリングができなくなってしまう」と56さん。

勾配のきついときや負荷の高いときは「サドルの前」
勾配の緩いときや負荷の低いとき「サドルの真ん中」

白線の上をまっすぐ走れるようになる

あたりまえだが同じスピードで走るなら、走行距離が短いほうがタイムはよくなる。これは原則的には上り基調のコースを走るヒルクライムも同じで、最短コースを走るのが鉄則だ。まっすぐ走れるようになることは、安全走行の面からも必須。レースに出る前に必ずマスターしておきたい。そのためには、日ごろから白線の上をまっすぐ走るような練習をするといいだろう。

まっすぐ走れば最短距離で速く走れる

リラックスしてまっすぐ走れる

白線の上をまっすぐ走るには、体にムダな力を入れずにリラックスさせ、遠くを見るようにして走るといい。

力んでしまうとまっすぐ走れない

白線の上をまっすぐ走れない人の多くは、体にムダな力が入ってしまっている。また、視線を下に向けるのもよくない。

玉子を持って走れば脱力フォームを意識しやすい

ライディング中にペダリングに合わせてハンドルを押すべきか引くべきか——。この件については選手によっても意見が分かれるところだが、56さんは「押す意識」を持っているという。ハンドルを引くときにムダな力が入ることが多いからだ。「自分もかつてはハンドルを引く意識で走っていましたが、押す意識を持つようになってからレースで勝てるようになった」とか。ムダな力を入れずに走るための秘密特訓として、56さんは「玉子を持って走ってみるといい」とアドバイスする。

視線はつねに前へ! 下を向いて走らない

自転車に乗るときは、前を向いて走るのが基本中の基本。これはもちろんヒルクライムでも同じだ。下を向いて走ると走行ラインが乱れがちになり、安全面でも最短距離をトレースする意味でもよくない。

つねに前を見て走ろう

ハンドルの持ち方

【ブラット部分を持つ場合】玉子をハンドルの前で持つイメージ

フラット部分を持つ場合は、指先で玉子を優しく持つようなイメージで、手のひらでハンドルを押すようにする。実際に玉子を持つと、ハンドルを強く握れないので脱力しやすい。

【ブラケットを持つ場合】玉子をブラケットの外側で持つイメージ

ブラケットを持つときは、中指と薬指、小指の3本の指で玉子を優しく持つようなイメージ。このときも手のひらの手首側でハンドルを押すイメージを持つと脱力しやすい。

教えてくれた人

筧 五郎

56サイクル店長。マウンテンサイクリングin乗鞍などで優勝、ロードとシクロクロスのマスターズの全日本選手権での優勝経験も持つ。NHKチャリダー★など各メディアで活躍。
www.56cycle.com

※この記事はBiCYCLE CLUB 別冊[筧五郎のヒルクライム強化書]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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