ヒルクライムで勝つ方法、タイム短縮で勝つか駆け引きで勝つか
Bicycle Club編集部
- 2022年07月27日
ここでは56さんの25年間の経験から来る「勝つためのメソッド」を教える。勝つということはどういうことかを56さんのレーサー人生から学ぼう。トレーニングだけでは勝てない、そのメソッドとは?
ヒルクライムで勝つための2つの方法
ヒルクライムでの勝ち方は、ふたとおりあると思う。
まずは1年前より自分のタイムを短縮する方法。去年の自分に勝つということは、じつはレース前から始まっている。たとえば去年と同じ時期の開催レースにおいて、「今年は体重が軽い」「マイ峠で去年よりもタイムを更新している」「自転車の重量が軽い」などもあるかな。
このようにポジティブに考えられることがあれば勝てる。それが「去年よりも今年は練習量が少ない」「体重が増えている」とネガティブな項目が増えれば増えるほど言い訳が多くなる。つまりスタート地点に立ったときには、ゴールタイムが決まっている。
とくにヒルクライムにおいてはタイムは自分がやってきた結果そのもの。タイムが更新されれば、それは頑張ったごほうびだ。
忘れてはならないのが、タイムを更新したければトレーニングして、身を削って、体重を軽くして、毎日精進しろということ。
もう一つは、エントリーしたクラスで優勝するというもの。タイムを更新したいと思えば、レースの最初から維持できるペースで進むのだが、クラスで勝ちたい(この場合は一斉スタートとする)のであれば、ライバルがスタートからロケットスタートして逃げ切る気があるなら、ついていかなければならない。そのペースが自分のペースを上回るとしてもだ。
そのときに必要なのが、ロードレースのような駆け引き。「ライバルは行ってしまうのか?」「落ちてくるのを待つのか?」「他の行き遅れたライバルを言葉巧みにまとめて追いかけるのか」「その際、先頭に立たずにライバルに引かせて体力を温存するのか?」「先頭に立って後ろのライバルを休ませていないか?」など、ヒルクライムでロードレースのような展開になったとき、駆け引きする経験があれば有利に働く。
あと大切なのは「独走に持ち込んだら、そのときは後ろを振り向かない」ことだ。後ろから見たライバルに、「キツイんだろうな」と思われる。どうしても後ろを見たければつづら折りのカーブを利用してチラッと見たほうがいい。
ライバルとゴール前でスプリント勝負となった場合、トレーニングで練習仲間とゴールスプリントをしているかどうかが重要となる。「ゴールまでどれぐらい距離があるか?」。乗鞍でいえばゴール前は左カーブなので左側を閉めたほうがいいし、必ず下見をしておくことをお勧めする。
ふだんのトレーニングでも安全に気をつけて、練習仲間と模擬レース風に走ってみるのもいい。
勝ちパターン1
タイムを短縮して自分に勝つ
自己ベストを出すことで、自分に勝つという楽しみ方だ。何もしなければ歳を取ればそれだけ不利になる。でもトレーニングすればごほうびが待っている。
勝ちパターン2
展開を使ってクラス優勝する
これは他人との勝負。いくら自己ベストを出せる状態でも、ライバルとの駆け引きに負けてしまっては勝てない。ロードレース的な展開力が求められる。
教えてくれた人
筧 五郎
56サイクル店長。マウンテンサイクリングin乗鞍などで優勝、ロードとシクロクロスのマスターズの全日本選手権での優勝経験も持つ。NHKチャリダー★など各メディアで活躍。
www.56cycle.com
※この記事はBiCYCLE CLUB 別冊[筧五郎のヒルクライム強化書]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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