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ファウスト・ピナレロも参加、グランフォンドピナレロ八ヶ岳を新米ライターが実走レポート

2022年10月2日。八ヶ岳の南麓に位置する山梨県北杜市を舞台に「第11回グランフォンドピナレロ八ヶ岳」が開催された。3年ぶりの開催となった本イベントは、新たにグラベルフォンドとして途中にグラベル区間を3カ所設けたコースも用意するなどパワーアップしている。地元に愛されたこのイベントの模様を、新米ライターの坂本が実際に走りお届けする。

下って上るコースレイアウト。山梨県北杜市全地域をめぐる105km!

本イベントはメイン会場である「清里の森」を発着点とし、山梨県北杜市をめぐる全長約105km・獲得標高約2,200mの非常にタフなコースだ(グラベルフォンドの場合はグラベル区間約11kmも追加される)。特に特徴的なのはそのコースレイアウト。標高1,500m弱の地点がスタートであり、前半はスタート直後を除きかなりの下り基調(40kmまではほぼ上りはなし)。80km手前でこの日の最低標高となり、そこから約30kmの上りだ。この上りをいかに攻略するかが本イベントの楽しむ要素のひとつでもある。

今中大介さん、エース栗原さんさらにイタリア本国からはファウスト・ピナレロさんと豪華メンバー

今中大介さん & 栗原正明さんによるグランフォンドピナレロ八ケ岳コースガイドなど華やかなトークイベントも行われた。さらにピナレロの名を冠していることもあり、なんとイタリアからはピナレロ社の会長を務めるファウスト・ピナレロさんが来日した。

イベント当日も「みんな緊張と期待とが入り混じった顔をしているね」とオープニングセレモニーで挨拶をするピナレロさんは自身もこのグランフォンドを走行する。イタリア本国ではレース形式のグランフォンドピナレロを開催しているが、ファウストさん自身もイタリア各地のグランフォンドに参加することで有名、60歳になったいまでも精力的にライドを楽しんでいる。

7時にスタート、まずは爽快な下りから

スタート直後にある約1kmの上りを突破するとそこからは見事なまでの下り坂。油断すると速度が上がりすぎてしまうため、参加者たちはしっかりとブレーキをかけつつ進んでいく。最初から素晴らしい景色が続くのだから、多少速度を落とした方が北杜市の素晴らしい空気を堪能できそうだ。

18km地点で第1エイド!豊富な補給食に助けられる。

本イベントは補給食が良いという噂はよく耳にしていたが、受付時にもらう補給食との引き換えチケットをみるだけでそれは理解できた。スタートからの下り基調のため約18kmの地点の第1エイドにはあっという間だ。ここではバナナやゼリーといったものに加え、イベントのサポート企業から提供されているパラチノースが提供される。簡単に言えばゆっくりと吸収されるエネルギーだ。前半の間にいただくことで後半の上りでのエネルギー切れの予防にもなりありがたい。

また、走行中にはいろいろなメカ系のトラブルが発生することも多い。そのような場合に備え、エイド地点ではメカニックサービスがスタンバイしている箇所もある。幅広い参加者に対する配慮が感じられ、これならより多くの人が安心して参加できそうだ。

第1エイド地点でのメカニックサービス。何かあっても安心の体制だ。

「感動360度」

視界の開けた場所にでるとすぐにその景色のスケールの大きさに心を奪われる。止まって撮影をしている参加者もよく見かけた。それほどまでにきれいな場所を走り抜ける。ここ山梨県北杜市のキャッチフレーズは「“感動360度” いつも旬 北杜は自然がおもてなし」とのことだ。このイベントへの参加は、まさにその言葉を体感できる機会となる。

標高も高いのだが、それ以上に高い空。雄大な風景に飛び込むようにまっすぐ進む。

同時に感じたことが、北杜市の方々の協力的な姿勢だ。沿道で大人や子供たちが手を振ってくれたり、わざわざ通過するタイミングを待ち構えていて声援を送ってくれる。

第4エイドであんパンを配っていた方は「ガールスカウト山梨県」の女の子たち。イベントのお手伝いをしているようだ。話を聞くと、「県外からたくさんの人がきて、山梨県をいい場所って褒めてくれるのが嬉しい!」とのこと。地元の人がこんなに歓迎し、協力してくれるイベントであるため、第11回目まで回数を重ねてきているのだろう。参加者としても気持ちよいものだ。北杜市にはしっかりと自転車の文化が浸透してきている。

第4エイドではあんパンが地元のガールスカウトのメンバーにより振舞われた。
「県外からたくさんの人がやってきて山梨のことを褒めてくれるのが嬉しい!お手伝いは3回目で、2年間中止だったのが寂しかったです!」と話すのは山梨県ガールスカウト第17団に所属する大野さん。

40km過ぎ、最初の上りへ。第5エイド前には恐竜の後押しが!

今までのほぼ下りは終わり、ここから約20km弱の上り区間に入る。今までの下り区間での貯金を武器に上っていく。上りながらも常に眺めがよく、飽きることなく走り続けられる。多くの参加者の脚がきつくなってくるなか、第5エイドの手前でまたひとつ厳しい上りが。心が折れそうなその時、目の前に恐竜が現れた。そんなはずはなく、恐竜の着ぐるみをきた人だ。きっと可愛らしい子供が応援してくれてるのだろう。

「パワー!!!!」

恐竜が叫ぶ。子供じゃなかった。大人だ。山梨県北杜市を拠点に活動する地域密着型プロアスリートのエース栗原さん。本イベントへも参加されており、序盤から各参加者に声がけを行い元気づけていた。「エイドまで後1km!頑張れ!」そう言って背中を押してくれた。文字通りに背中を本当に手で押してくれ、少し加速した。このポイントでの応援は本当に力になる。エース栗原の恐竜は多くの参加者の記憶に残ったことだろう。(その後も2時間に渡り参加者をここで鼓舞し続けていたらしい。体力の底が見えない。)

ラスト30kmの上りへ!名物は海岸寺の坂!

この2本の石柱を目印に本イベント屈指の上りがはじまる。

このグランフォンドピナレロ八ヶ岳。残り30kmからの上りが名物だ。特に海岸寺の上りが有名だ。上述のエース栗原もトレーニングで利用しているとのこと。平均勾配10%の上りが約1.5km続く。それまでもかなりの上りをこなしてきている参加者にとってかなりの難所だ。道の両端に石柱が見えたらスタート。私は淡々と軽いギアで確実に進んで乗り切った。参加者の多くもきつそうだが、「きついよ~!」なんて言いながら楽しそうに走っていく方もおり、このイベントの楽しみ方をみんなよく知っていた。

遂にゴールへ!

タフな道のりを走り切った達成感で自然とゴールでは笑顔になる。

最後の30kmの上りを終えると、ついにゴールが見えてくる。制限時間はあるものの、レースではないため参加者のペースはバラバラであり、ゴールタイミングも人それぞれだ。それでもこのゴールの際にMCの方がアナウンスをしてくれるのは粋な計らいである。105kmの走行をたたえてくれるのは嬉しいものだ。またゴール地点が最後のエイドポイントになっており、温かい豚汁が振舞われる。参加者の方々はみな豚汁を食べながら今日の感想を思い思いに話し合っていた。

参加者たちの幅は広い

最後に参加者の方に今日のイベントを終えての感想を聞いてみた。チームではなくカップルや純粋に友人同士の参加者が多く、もちろん夫婦でご参加されている方もいるのが特徴。

東京から参加の「THE CROWN」のみなさん

自転車やスノーボードなどのスポーツ好きが集まったチームの仲間内で参加していた「THE CROWN」は東京からの参加だ。2回目の参加者はひとりで、他のメンバーは初参加とのこと。「コースがとっても厳しくて疲れた。でもそ分達成感もすごい。とにかく第8エイドのソフトクリームを目指して頑張りました(笑)。走りがいもあってその分景色も楽しめる本当にいいイベントで、また参加したいです!」と語っていた。来年はまた参加者メンバーが増える勢いを感じた。

群馬県から参加の岩﨑夫妻

群馬県の高崎から参加の岩﨑夫妻は8年ぶり2回目の参加だ。なんとご主人が69歳、ご夫人が60歳の夫婦で、普段もサイクリングを楽しまれているとのこと。前回参加の際の天候が悪かったため、今回は晴天での走行で非常に楽しまれたとのこと。

「最初の下りは非常に微妙な気分でした。景色もいいし下りだし楽しいのですが、その分この後上るんだなあと(笑)。沿道からのお子さんの応援が非常に励みになりました。それでも“きつい”という一言では表せないくらいきつかったですが・・・。でも、きついからこそ感じるものもありますね。とくに景色は素晴らしくて、エイドの内容も良くてよいイベントでした。」と語る顔は笑顔だ。

還暦超えていながらこのコースを走破するとは……すごい。

地元北杜市の親善大使、エース栗原さん「ロード、グラベル、e-Bikeで風景を楽しんでください」

「パワー!!」とともに真面目な回答もしてくれるエース栗原さんはトライアスリートでアジア年代別選手権で優勝している。現在は北杜市ふるさと親善大使、やまなし大使を務めている

「久しぶりの開催でしたが、すごく盛り上がって北杜市の良さをみんなに体感していただけたのではないかと思います。今回特にe-Bikeで参加されている方が多くなっていると感じました。やっぱりグランフォンドなのでアップダウンは結構きついんですが、e-Bikeを使うことで新しい層の方々に楽しんでいただける道ができてきたと感じました。また、グラベルコースが追加されたことでグラベルの人も楽しめるイベントになり、参加者の幅がとても広くなり、年々イベント自体も進化してきていることを実感しています。チームや仲間で参加されてももちろん面白いですが、ひとりで参加されても絶対楽しめます!サポートライダーも良く声をかけてくれるし、景色を楽しみながら自転車仲間を創るきっかけになると思うので、ぜひ参加に迷っている方は来年きてみてください!!」

山梨県北杜市に育まれてきている自転車の文化。間違いなくその一助にこのイベントはなっており、とても素晴らしい体験だった。これからも地元の協力を得ながら進化していくグランフォンドピナレロ八ヶ岳、その行く先にこれからも注目だ。

走り切った坂本、試乗したピナレロ・プリンスFXが欲しくなった~

前回走ったニセコグラベルとほぼ同じ距離105㎞、獲得標高は2200m。ただ、今回はグラベルコースではなくオンロードだけだったので、無理なく景色を楽しむことができた。 今回、試乗車ピナレロ・プリンスFXで走った坂本。普段はクロモリしか乗った経験がなく、走る前は「レーシーな車体は固くて脚が残らないって聞くな・・・」という噂に若干の不安(笑)。しかしプリンスFXは固いといえばきっと固く踏んだ時に気持ちよく前にスルスル進んでくれる。しかし脚にくるような嫌な固さは感じず、快適に走りきれた。真剣にカーボンロード購入を検討中のいま、プリンスFXが欲しくなってしまった。

タフなコース設定に苦戦したが、プリンスFXときれいな風景に癒されながら何とか走り切った!
PINARELLO公式サイト

大会WEBサイト
https://gf-yatsugatake.jp

 

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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