今、横型が熱い!? ワールドサイクル岩田さんがR250・横型超軽量輪行袋を解説
Bicycle Club編集部
- 2022年11月28日
2022年5月、R250から発売された最新輪行袋は「横型」の超軽量モデル(実測重量なんと199g!)。2022年のトレンドは「横型」に移行した? いやいやまだまだ「縦型」もありか? 「横型」の需要が増えた理由やその特徴を、輪行マイスターの岩田さんに聞いてみた!
ディスクブレーキ主流時代の輪行を、”横型”で解決!?
輪行袋にはいろいろな種類や形状があるが、見てすぐわかるシンプルな違いがひとつある。それは車体収納時の袋の接地状態が「縦型」か「横型」かだ。明確にどちらが優れているというものではないのだが、近年どうやら「横型」が増加傾向にあるようだ。いったいなぜか? ワールドサイクルの「輪行マイスター」こと岩田康裕さんに聞いてみた。
「横型が流行りだした理由は、ディスクブレーキロードが主流になったことに起因します。例えば、フレームがスルーアクスル化したことでエンド金具まわりの部品や作業数が増えた点、収納時のディスクローターへの汚れや傷がつく点、ブレーキレバーを握ったらどうしようといった不安な点、ケーブル内装エアロハンドルが90度切れない点などなど。一言でいうと、前と比べて輪行がより面倒くさくなったのです」
これらの問題は縦型輪行袋のまま解消するよりも、そもそも輪行袋を横型にしてしまうことで解決できます。R250の最新輪行袋も横型で、エンド金具が不要。しかもハンドルを90度切る必要がなく、接地時には安定感も増します。使う部品数が少ないことで縦型よりも全体で軽くできるなど、横型の利点が生かされます」
R250
超軽量横型輪行袋
価格:5500円
素材:タフタ
輪行時サイズ:W1400×H1100㎜ マチ無し
収納袋サイズ:W80×D45×H150㎜
カラー: グレー
重量:199g(実測)
付属品:3本ストラップ、肩ひも、収納袋
問:ワールドサイクル https://worldcycle.co.jp
横型輪行袋と縦型輪行袋を比較してみた
安定感は横型が圧倒的、使用パーツ少なく時短にも!
「横型は収納時や接地時にサドル1点&ハンドルレバー頭頂部2点の合計3点で自立できます。これが地面に置いたときに抜群の安定感を発揮し、風が吹いても倒れづらいです。縦型だとハンドルを切る必要があるので、どうしても立てかける壁が欲しくなりがちですしね。横型ならエンド部分が地面につかないため(縦型には必要とされる)エンド金具が不要です。これにより必要パーツ全体での重量減を実現できますし、作業の簡略化=大幅な時短もできます」
「いっぽう横型の注意点としては、袋の上部に汚れたチェーンが位置するため、担ぎあげた際に脇下がチェーン油で汚れてしまうかもしれないこと。しっかりと袋の口を閉じれるようファスナー留めを5カ所つけています」
縦型の重量
じつは袋単体だと縦型のほうが軽い(173g)のだが、スルーアクスル用のエンド金具を追加すると、セットとしての総重量は横型よりも重くなる。
横型の重量
総重量200g以下と軽く、重たいエンド金具は不要。外袋自体の体積も抑えられるので、サドルバッグやバックパックに収納しやすい。
身長の低い人にやさしい、横型の担いだときの位置!
「横型輪行袋の強みは、特に身長の低い方(目安として160㎝以下)が顕著に感じられると思います。地面から袋の底面までの距離が長くとれるため、袋を担いで移動する際に輪行袋の底(つまり中の自転車)を階段などの段差でぶつけにくくなります。結果歩きやすく、中の車体の安全性も上がります」
「縦型の輪行袋でも、担いだ後に90度回転させるというテクニックがありますが、横型なら初めからそれをする必要がありません。ただし、担いだときの前後幅が縦型より長くなるので、混雑した駅や電車内での移動の際には、まわりに当たらないようにより注意が必要となります」
縦型の使用時サイズ
地面からの距離が短く、身長の低い人だと階段の上りなどで気を付けて持ち上げないといけないかもしれない。
横型の使用時サイズ
前後どちら向きでも収納できるが、ハンドル部分を進行後ろ側にすると脚に当たりにくく、歩きやすくなる。
「電車内での張り出し」では縦型のほうが省スペース
「流行りつつある横型にも不利な点はあります。それは『電車内でのスペースをとってしまうこと』。とくに壁際から通路側へ輪行袋が張り出す距離は縦型のほうがあきらかに短く、横型は長い(※縦型950㎜に対し、横型は1400㎜)。通路にはみ出すことで、ほかの乗客に接触されてしまう確率は上がります。本人的にも他者に対し『迷惑かな?』『ぶつかってしまわないかな?』といった心理的な不安が増してしまうかもしれませんね」
縦型の電車内の様子
座席の高さに寄り添うように置けて、それほど通路側へは張り出していない距離。
横型の電車内の様子
高さがない代わりに、どうしても通路側へ張り出す。混んでいるときは少し不安だ。
教えてくれた人
岩田康裕さん
サイクリングライフを豊かにするパーツブランド「R250(アールニーゴーマル)」を手掛けるワールドサイクルの輪行マイスター。輪行に関して造詣が深く、数々の輪行袋を生み出しつつ、その活用方法などを広く伝えている。
ワールドサイクル HP
※この記事はBiCYCLE CLUB[2022年9月号 No.444]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※2022年11月28日、一部記事内容を修正しました
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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