ダヴィデ・レベリンが事故死。犯人は現在も逃走中
福光俊介
- 2022年12月01日
春のクラシックレース群「アルデンヌクラシック」3連勝など、ロードレース界に輝かしい偉業を果たしてきたダヴィデ・レベリン(イタリア)が現地11月30日、イタリア北部・ヴェネト州のモンテベッロ・ヴィチェンティーノでトレーニング中にトラックと衝突し亡くなった。51歳だった。
犯人は事故後逃走
イタリアの有名紙ガゼッタ・デッロ・スポルトによれば、トラックとの衝突は同地の州道11号線上のドライブイン出口近くのラウンドアバウトで発生したという。自転車走行中だったレベリンはトラックにはねられ、即死状態だったという。なお、事故を起こしたトラックはそのまま立ち去り、現在も逃走中だ(現地時間12月1日未明時点)。
レベリンはヴェローナ近郊のサン・ボニファシオ出身の51歳。1992年バルセロナ五輪にイタリア代表として出場後、プロに転向。ワンデーレースに無類の強さを発揮し、2004年にはアムステル・ゴールドレース、ラ・フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ・バストーニュ・リエージュの“アルデンヌクラシック3連勝”を達成。また、パリ~ニースやティレーノ~アドリアティコといった1週間規模のステージレースでも勝利を収めている。
キャリアの絶頂期にあった2008年、北京五輪ロードレースで2位フィニッシュしたものの、レース後のドーピング検査でCERAの陽性反応を示し、長期間の審議の末に失格と銀メダルの剥奪、その他レースの記録が抹消に。2年間の資格停止処分となった。
2011年にレース復帰し、以降UCIコンチネンタルチームをメインに各地のチームを渡り歩いた。近年はUCIアジアツアーにも参戦。今季はイタリア籍のワークサービス・ヴィタルカレヴェガに所属。10月16日のヴェネト・クラシックで30年以上に渡ったプロのロードレーサーとしての生活を終えたが、同時期に開催されたUCIグラベル世界選手権に出場するなど、グラベルレーサーとして本格的に取り組むことを表明していた。
この事故の3日前、11月27日にはモナコで開催されたサイクリングイベント「BEKING」に参加。フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル、ベルギー)らとともにクリテリウムを走っていた。
本件に関して、続報が入り次第改めてお届けします。
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- TEXT:福光俊介 PHOTO: Work Service Cycling Veneto Classic BEKING
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PROFILE
サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。