圧倒的に使いやすく、ストレスフリー!「105 Di2」の性能をプロショップ目線で語る|SHIMANO
Bicycle Club編集部
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今年の夏に発表されたシマノの「105 Di2(イチマルゴ・ディーアイツー)」。サイクルショップに行くと105 Di2のコンポーネント(変速機・変速レバー・ギヤ・ブレーキ・ホイールなどのパーツ類を指す)の実機や、105 Di2を組み込んだ完成車を目にすることも増えてきた。では、プロのメカニックから見てその性能はどのようなものなのか? なるしまフレンド神宮店の鈴木直太さんに解説してもらった。
INDEX
電動変速が誰にとっても身近に
Di2とはシマノが開発した変速を電動で行うシステムのことで、デジタル インテグレーテッド インテリジェンスの頭文字を取って、Di2と呼ばれている。ロードバイク用のDi2は、2009年に最上位コンポーネントのデュラエース、続いて2011年に次の上位グレードのアルテグラに採り入れられた。
Di2は、プロ選手をはじめホビーレーサーも多く愛用していることから、ロードレース向けという印象が強い。とはいえ、もともとDi2は「すべてのサイクリストのライディング体験を向上させる」をコンセプトに、2001年に登場した初心者向けコンフォートバイク用のコンポーネントがルーツとなっている。今回の105 Di2登場は、そんなシマノの「サイクリングライフを快適にしたい」という軸がブレることなく続いている証といえる。
「これからロードバイクに乗ろうとする人が、ある程度の機能を備えたグレードとして選ぶのが105です。電動変速が誰にとっても身近なものとなりました」と鈴木さんは話す。
レバー操作が軽く、変速も素早い
Di2の大きな特徴は変速を電動で行うこと。手元のレバーでシフト操作すると、その信号がワイヤレスでリア変速機へと伝わる。
「変速はスイッチを押すだけです。ロードバイクは前側の2枚のギヤの歯数が大きく離れているので、機械式(ワイヤー式)ではレバーを深く押し込む動作が必要でした。一方、Di2はスイッチで簡単に切り替わってくれるので、手の小さな女性や小柄な方、ロングライドで疲れているときなどにも便利です」
加えてDi2は変速のスピードも速い。上り坂や急なタイミングで変速したいときにも使い勝手がいい。
「機械式(ワイヤー式)の変速には、『レバーを操作する→ペダルを踏む力を一瞬緩める→変速する」という流れがあり、走行中に少しギヤが重いor軽いと感じていても変速が面倒で、そのまま走ってしまう人も多かったと思います。しかし、Di2はスイッチ一つで素早く変速できるため自然と変速回数が増えます。走行状況に合わせた適正なギヤを選びやすくなります」
初心者にやさしく、使い勝手も良い
メンテンナスの点でも「Di2は初心者にやさしい」と鈴木さん。
「機械式(ワイヤー式)のコンポーネントには必須だったワイヤーの初期伸び調整が不要になりました。どこかに自転車をブツけてしまったり、転倒などの事故がない限り『変速がおかしくなった』といったトラブルはないといえます。メカニックとしてDi2に触れる機会は増えていますが、それほどメンテナンスを必要としない、という印象を受けています」
なお、Di2はレースなどの過酷な状況にも耐える防水設計だ。
「レバーのスイッチは、ブラケット内にあるコイン電池で動いています。105 Di2の交換の目安は3年で、デュラエースやアルテグラの1年半に対してロングライフ仕様となっています。
フロント側とリア側のディレイラー(変速機)は、フレーム内のバッテリーで動いています。充電はおよそ1000kmにつき1回です。充電はリア側のディレイラーから行います」
充電の目安は「週末にロングライドする人なら3~4カ月に1回。ロングライドに加えて通勤でも20~30km乗る人は月に1回程度」、と鈴木さん。
複数の変速モードで快適な走りをサポート
変速が電動となったことでDi2は変速のセッティングの幅が広がっている。通常のマニュアル変速以外に、シンクロモード、セミシンクロモードを選ぶことができる。
シンクロモードとは、リア側のディレイラーの変速と連動して、フロント側のディレイラーがアウターとインナーを自動で選択するモードだ(正式名:シンクロナイズドシフト)。
「平地から上り坂に入ったのでリア側のギヤを軽くしながらいちばん軽いギヤまで変速したとします。そうするとDi2がフロント側のギヤをインナーに変速して、リア側のギヤはアウター×ローと同程度のギヤ比になる位置に自動調整されます。
反対に、平地や下りでリア側のギヤを重くしてインナー×トップになったときは、Di2がフロント側のギヤをアウターに変速するとともに、リア側のギヤは数枚分軽くなってギヤ比が自動調整されます」
シンクロモードは、リア側のシフト操作のみで変速を完結できることから、ワンハンドシフティングとも呼ばれている。とりわけ、上りの途中で「あ、ギヤが足りない!」というトホホな失敗がなくなるのはうれしい限りだ。
もう一つのセミシンクロモードとは、フロント側のディレイラーを変速したとき、リア側のディレイラーが自動的に動いて最適なギヤ比を保つモードだ(正式名:セミシンクロナイズドシフト)
「フロント側をアウターにして上り坂を上っているとき、リア側のギヤが足りなくなってしまってインナーに変速したとします。そうすると急にギヤが軽くなって脚がクルクルと回ってしまいます。そのときDi2がリア側を重いギヤに変速して、ギヤ比が合うように自動調整してくれるのです。
反対に、フロント側をアウターにしたときは、リア側を軽いギヤに変速してくれます。
シンクロモードやセミシンクロモードは、サイクルショップで設定を行ってくれる。自分でも試してみたいという人には、E-TUBE PROJECTというアプリも用意されている。
また、マニュアルモード、シンクロモード、セミシンクロモードは、リア側のディレイラーにあるボタンで切り替えられるので、出先でも簡単に変更できる。
「言葉で説明してもなかなかイメージするのが難しいと思います」と鈴木さん。実際に動画を見る、Di2が自動で賢い変速を行ってくれる様子がわかる。
シンクロナイズドモード、セミシンクロモードの動きを動画でチェック!
変速が12段に
「ギヤは11段変速から12段変速へと変わりました。いま10段や11段変速に乗っている人には違いを感じやすいところだと思います」
「料理にたとえるなら、これまで弱火と強火で調理していたものが、中火やとろ火なども使えるようなってレパートリーが増えるようなもの」と鈴木さん。段数の増加が確実に走りの幅を広げてくれる。
ギヤに関しては34Tが標準で用意され、ギヤ比がフロント1:リア1という、これまでのロードバイクにはなかなかなかった軽いギヤを踏めるようになった。
ブレーキも進化、レバーの位置調整も簡単
ブレーキは油圧式ディスクのみのラインアップとなり、ブレーキパッドのクリアランスが10%広がった。パッドの摩耗が抑えられ、音鳴りも低減している。
「ブレーキは軽い力でよく効きます。ロードバイクに慣れていない初めての人でも、操作しやすいと思います」
レバーの位置もアーレンキーで簡単に遠近を調整できるようになっている。このリーチアジャスト機構によって、小柄な人でもブレーキやシフト操作がしやすくなっている。
圧倒的に使いやすく、ストレスフリー
なるしまフレンド神宮店では105 Di2の実機を展示している。
まだロードバイクに乗ったことのない人が試すと、「いまの自転車は変速が電動であること」に驚き、すでにロードバイクに乗っている人が試すと、「これまでにない快適さ」に驚く、という。
「105 Di2は、変速性能はもちろんのこと、モードの選択ができたり、さらにギヤ比やブレーキにいたるまで、誰もが扱いやすいと感じる仕上がりになっています。Di2を体感するとそんな気づきがあります」
「圧倒的に使いやすく、ストレスフリーですね」、105 Di2を鈴木さんはそう評価する。
105 Di2体験者の声
最後に、今年の夏に実施された105 Di2試乗会での声をお届け。多くの人が新鮮な驚きを体験しています。
「ラクですごくよかったです。フロントディレイラーの切り替えがイン・アウトどちらも速くてびっくり。手の小さいに女性にも操作しやすいです」/山田由香里さん:ロードバイク歴4年。
「私も同じく、フロントの切り替えの良さがいいと思います。上りの場面でもそれを感じました。やっぱり電動は違うな~って(笑)」/山田孝さん:ロードバイク歴4年
「手がすごいラク。少し前の機械式の105を使っていますが、105 Di2はブラケットも細くて握りやすくてすごい。上りを繰り返し走るときでも手が疲れず、上りのシフトチェンジがめちゃめちゃ楽しい! 機械式の感触が好きだったから、電動どうなのかな? って思ってましたが、実際に触ったら欲しくなりました」/苗久光喜さん:ロードバイク歴2年
「今は機械式の105を使っているのですが、Di2の105は変速してもスコッとか、ガクっといった感覚ではなくすごくスムーズ。マウスのクリック感覚で変速できるので、手が疲れにくいです」/加藤優さん:ロードバイク歴10カ月
「触れるだけですぐ反応するという良さ! 今はシマノのエントリーグレードのコンポを使っていますが、Di2ならではのフロント変速の速度がすごくよかったです。また、ディスクブレーキの効きや感触もよかったですね」/岩橋良樹さん:ロードバイク歴1年
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- CREDIT :
- TEXT:タナカ ダン、編集部 PHOTO:小野口健太、編集部
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