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女子日本チャンピオン小川咲絵が男子エリートレースに挑戦した狙いは?|東海シクロクロス

1月28日(土)、愛知県日進市の愛知牧場で東海シクロクロス第4戦が開催された。この男子エリートのME1に女子の全日本チャンピオンの小川咲絵(AX cyclocross team)が特別参戦した。

このME1のレースは翌29日(日)にJCXシリーズのレースがあることもあってかトップライダーたちの参戦は少なかったものの、昨シーズンの東海シクロクス年間チャンピオンである大町健斗や今年からシマノレーシングへ移籍した石原悠希、オンロード/オフロード問わずオールラウンドに活躍する中村龍吉(acu-power RACING TEAM)、全日本選手権のマスターズカテゴリーで2連覇中の大原 満らが参戦するなか行われた。

小川はこのあと2月3~5日の日程で行われるシクロクロス世界選手権(オランダ・ホーヘルハイデ)に日本代表として出場するため、そのトレーニングとして特別参戦したのだ。最後尾スタートのため序盤こそ順位を上げるのに苦労する場面も見られた小川だが、徐々に順位を上げていき、最終的には12位相当の順位でフィニッシュした。ここでは小川に今回の参戦目的を、さらに東海シクロクロスオーガナイザーである蜂須賀智也氏に小川の参戦経緯を聞いた。

世界選手権での完走タイムを想定し、60分間走り切れるME1に出走した小川咲絵(AX cyclocross team)

JCXシリーズのレースが開催される前日である1月28日に、愛知県日進市の愛知牧場で東海シクロクロス第4戦が開催された。

沢田 時(宇都宮ブリッツェン)や竹内 遼(GHISALLO RACING)といったトップレーサーたちの参戦はなかったものの、昨シーズンの東海シクロクス年間チャンピオンである大町健斗や今年からシマノレーシングへ移籍した石原悠希、オンロード/オフロード問わずオールラウンドに活躍する中村龍吉(acu-power RACING TEAM)、全日本選手権のマスターズカテゴリーで2連覇中の大原 満ら、力のある選手たちがME1に参戦。

そんな選手たちが名前を連ねるエントリーリストの最後に、56番のゼッケンで女子エリートの全日本チャンピオンである小川咲絵(AX cyclocross team)の名前が入っていた。

女子選手は通常WE1への出走となるが、今回は主催者側の判断もあって特別にME1への出走が許可されたため、小川の名前がME1のエントリーリストにあったのだ。

本人はレース後に「非常に長かったです」と口にしたが、本人の実走時間としては65分間、男子選手と本気でレースを展開することとなった。

ME1での出走実績がない小川は当然最後尾からのスタートとなる。序盤こそ慣れない人数の多さに苦戦する場面もあったが、決して抜きやすいコースではない愛知牧場のコースで、小川はパワーとテクニックで徐々に男子選手を追い抜いていく。

50分が経過し、実際のレースでは未知の時間へと突入しても小川は脚を止めることなく、前の選手をパスしようとペダルを踏み続ける。最終的には12位前後に相当する位置でフィニッシュを迎え、その走行時間は60分を超えて65分になったという。

世界選手権で完走ラインと思われる60分を超えても最後までレースを走ることができることを小川はしっかりと証明して見せたのだ。

今シーズン独走が多かった小川、男子のレースを走ることで長時間のレースを体験

小川はレース後に「今シーズン50分を超えるタイムで走ったレースは全日本選手権しかなく、それ以外のレースではUCIレースでも45分や48分でした。そこからすると20分近く長く走ったので、非常に長いなと感じました。ただ、世界選手権ではトップの選手でも50分ちょっと走るので、フルラップ完走ラインとなると60分前後は走ることになると思っています。そこに向けて60分走る練習をし、それをレースでもできることが分かり、世界選手権を前にとても自信になりました」と、世界選手権を前に自信をつけることができたと語る。

「今シーズン序盤から独走になることが多く、自分より速いペースで走ることがほとんどなかったので、今回ME1で走ることで自分よりも力のある選手たちと走らせてもらうことができ、本当にいい経験ができました。(65分という時間は)長いことは長いけど、走り切れるなという感覚をつかむことができたので、今回そこが一番大きな収穫になりました」と、普段のレースではできなかった経験を積むことができた小川は、「ずっと世界選手権を完走したいと言ってきました。仕事があるので海外のレースを走ることはできなかったんですが、世界選手権に向けてやれることはやろうという思いで練習してきましたし、その一環でオーガナイザーの蜂須賀さんにも相談して今回はME1で走らせてもらいました。できる限りのことはやってきたので、自信を持って世界選手権に臨みたいと思います」と、できる限りのことをやった上で世界選手権に臨めるようだ。

「挑戦する選手を応援したい。実績あるユースやジュニアの選手から要望があれば同様の対応を取る」レース主催者 蜂須賀智也氏

女子選手がME1(C1)を走る姿を実際に見るのは筆者個人としては初めてだった。これまで2シーズン、彼女を担当チームの選手として撮影してきた立場からは力的にはいけるだろうと思っていたが、一方でレースレポートを書く立場としては、女子選手を男子トップカテゴリーのレースに参戦させることが主催者側として簡単ではないことも想像できていた。

主催者として大きなチャレンジとなったであろう今回の取り組みについて、東海シクロクロスのオーガナイザーである蜂須賀智也氏にも話を聞いた。

「昨年本人からの要望を受けて、C2で走ってもらう機会がありました。今年も同様の要望をもらっていたんですが、1年経って力的にも本人がレベルアップしていましたし、世界選手権では女子エリートとはいえME1の選手よりも速い選手がいるかもしれないということで、僕の方から彼女にME1ではどうかと提案しました。また、40分~50分で終わるのではなく、60分しっかり走ってもらいたいという思いもありました。ただ、あそこまでの走りを見せてくれるとは思っていませんでした。今回は最後尾スタートでしたが、2列目からスタートさせていたらどうなっていたのかなという興味はあります」と、ME1での出走は主催者側からの提案だったと語る蜂須賀氏。

蜂須賀氏はこのような取り組みを今回限りで終わらせるのではなく、今後も継続していきたいという。
「東海シクロクロスとしてはジュニアやユース世代に力を入れているので、彼女の走りを見てああなりたいと思ってもらえれば一番良いかなと思っています。リザルトはどうしても必要ですが、彼女と同じように世界を目指す若手の選手たちから要望があれば、今回と同じような対応を取っていく予定ではあります。また、来年以降、ジュニアやユース、アンダーの選手たちが活躍できるような仕組みを作っていきたいなと思っています。今回はその第一弾のような形だと思っていただければ」

最近では今年のU23全日本チャンピオンである柚木伸元(朝明高校)がジュニア時代に関西シクロクロスで40分という時間制限付きとはいえC1カテゴリーを走っており、C1ライダー勢と競うことで大きく力を伸ばしていた。

今年の男子エリートで悲願のタイトルを獲得した織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や全日本選手権を2度制している沢田 時(宇都宮ブリッツェン)もジュニア時代にC1カテゴリーを時間制限付きで走っていた。

力のある選手たちがより力を伸ばすために、各主催者協力のもとカテゴリーの枠を超えてレースに出場するというのはとても重要なことだと個人的には考えている。

力のある選手たちは海外に出て、海外で同じカテゴリーの選手たちと走るべきだという意見も、それはそれで正しいと思う。ただ、海外のレースを走るというのは金銭的にも決して簡単な選択肢ではない。力のある選手たちがより力を伸ばせる環境が身近にあるなら、活用できる流れが広がっていってほしいと筆者個人は願っている。(三井 至)

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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