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サンツアーのリアメカ、SVXのパンタ部分だけを買う

自転車はスポーツではなくホビーと言い張るいじってなんぼのレストア編集者の手記。

ライドの頻度はさておき、たくさんの変速機を集めては「こんなに持っててどーすんの」と自問自答。今回はSVXのパンタグラフ部のみを入手したというお話。

サンツアーのハンパなパンタ

私はかつて日本にあった変速機メーカー、サンツアーの愛好家だ。私が書いた「旅する自転車の本VОL・3」のサンツアーの記事は「バイシクルクォータリー」で英訳されて世界で読まれているのが自慢だ。

サンツアーのメカといえば、スラントパンタ。パンタグラフが斜めってるやつね。それでシングルテンションのシンプルなメカが、私のサンツアー感としてはいちばんカッコよくて、今使っても性能がいいやつ。

変速系統に工夫してサンツアーを入れるのが、私の自転車カスタムのテーマのひとつだ。こんなことを30年以上もやっていて、いまもネタとして生業にしている。

ヤフオクで600円で入手したSVXというリアメカのパンタ部分だけ。いかにも80年代後半な近未来グラフィックが、今見ると一周してビビッとくる。まあ当時も今のマニアも興味は薄く、あまり話題に上ることのないメカではある。

サンツアー・SVXのパンタグラフ部のみ。VXタイプの末期型メカ。つるっとした仕上げにグレーのボディーがとてもハンサム。見た目はトレンドを先取りしていた

SVXの先祖となる、サンツアーのVシリーズこそが、世界を席巻した勝利の系統だ。70年代初頭のバイコロジーブームに乗っかって全米で普及した。VからVXに進化した70年代後半くらいがサンツアーがいちばんよかった時代かもしれない。

80年代は、どちらかというと失敗作続きのサンツアー。85年のプラザ合意で円高ドル安になり、1ドルが235円から翌年150円台になって、いよいよ輸出がマズくなってきたときに出てきたのがSVXだ。

円が150円台になって、輸入品が高くなると悲壮感漂っていた昨年の我々とは、対象的な危機感といえる。

シンプルで性能がよかったサンツアー全盛期のVX。基本に立ち返ったSVXは、VXをつるっとさせて化粧直ししただけの、ポップに見た目だけ進化したメカだった。

ということで、SVXにVXのパーツを移植したら、そのまま使えた。ということが言いたかっただけだ。

これまた当時としては不人気メカの80年代初頭のBLからGTケージ(このGTケージは70年代半ばの初代サイクロンからずっと同じ)を移植して、グラベルカスタムバイクに導入した。

話のオチは、手に入れたハンパなパンタを運用したら、ハンパなメカが2つ増えてしまったということである。

メーカー車によく搭載されたVX
切れのよい名作メカ、VXのハンガーボルトを使用
キャパシティーのとれる振り子式のGTケージを使いたかったのでBLから取る
スプリングの構造などは、VXと同じ
デビューを考えると7年くらいの隔たりがあるがパーツはぴったりはまった。SVX本来のロングケージとは違うけれど、元VXだけに、あまり違和感はない。変速性能はキレキレでよい

※この記事はBiCYCLE CLUB[2023年3月号 No.448]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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PROFILE

ニシヤマ

Bicycle Club / 副編集長

ニシヤマ

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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