悪天候にも負けず、岡本&宇田川がリーダージャージをキープ|大磯クリテリウム
Bicycle Club編集部
- 2023年02月24日
2月19日(日)、神奈川県の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースで「大磯クリテリウム第5戦」が開催された。Qリーグは岡本選手(ブラウ・ブリッツェン)が2戦連続でアメジストジャージを防衛。Nリーグ中学生男子Nのポイントリーダーは、前戦で念願のバトルマリンジャージ獲得を果たした宇田川選手(スミダ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)がリーダーの座を守ることに成功した。以下、プレスリリースより。
QNリーグもいよいよ大詰め! 最終戦にむけ、熱いレース展開に
今シーズン2022-2023で開催10周年を迎えたこの大会は株式会社ウォークライドの主催で大磯プリンスホテルの敷地内に特設した約1kmの周回コース設定。当日の天気予報では強風とともに昼ごろは雨。朝から会場は風が強かったものの、周回数やスケジュールを調整してのレース開催となった。
大磯クリテリウムでは第1戦と第2戦、そして今大会の第5戦がリーグシリーズ戦である。それぞれ対象クラスはQリーグが「女子スポーツ」、Nリーグ中学生男子Nは「中学生男子」、そしてNリーグ中学生女子NWは新設クラス「女子age10-15」に設定。今回もそれぞれのレースでリーグポイント獲得のための熱いレース展開が繰り広げられた。
風が強いなか、雨も降りだした11時50分。N リーグ中学生女子NW対象レースとなっている新設クラス「女子age10-15」が、マトリックスのサイクルロードレース協会東日本とウォークライドが小学生選手の強化と普及を狙ってタッグを組んで運営している「小学生チャンピオン」クラスと同時スタート。
今回はリーグシリーズ戦の後半からNリーグに登録、前戦の「大磯クリテリウム第2戦」で健闘しトップポイントを獲得した⻄⼭千智(High Ambition)が出場。「集団での走り方が、まだよくわからないし、雨も風も強くて難しかった」と言うが、今大会でもリーグトップポイント28Pを獲得し、総合ポイントリーダーの座も見えてきた。最終戦にも意欲を見せる彼女の走りに期待をしたい。
新設された「女子age10-15」クラスは女子の10歳から15歳まで、ちょうど小学5年ぐらいから中学生までが男子と一緒のクラスだと男子のスピードにかなわない状況が多かったためにセパレートしたクラス。初設定でまだ認知が浸透しておらず今回は参戦が1人と寂しかったが、大会主催であるウォークライドの⼭根理史代表は「女子の参加を増やしたいと考えているので、この女子age10-15のようなクラス分けでレース参戦のハードルを下げたい」と語る。「特にキッズやジュニアは男女ともに将来をつなぐうえで、とても重要な人材。来シーズンも参加しやすい仕組みを、QNリーグとともに考えて実施したい」とコメントしてくれた。
この後が12時過ぎのスタート、周回数は7周に変更となったNリーグ中学生男子Nの対象レース「中学生男子」。今回は28名のエントリーでNリーグからは前戦でポイントリーダーとなった宇田川瀬那(スミダ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)、そしてランキング3位につける稲葉恵人が新しくチーム「TEAM BFY Racing」に加入。同じタイミングで稲葉とチームメイトになった井上湧心もランキング5位につけており、リーダーの座を僅差のポイントで狙う面々がスタートラインに出そろった。
先ほどのレースからさらに一層強くなった雨と風のなか、いつもより⻑めにローリング走⾏をおこない状況を見つつ正式スタート。天候が悪いため、しばらくは集団が1つになったままの膠着状態となったが、残り4周回から集団から単独アタックを試みる選手が出てくる。まずは上遠野蒼大(TEAM BFYRacing)、続いての周回は井上、さらに次の周回は稲葉と同じチームが集団を飛び出してレースを活性化させようと動き、ペースを上げていく。そのため集団からは周回ごとに選手が減らされていき、最終周回では17人までに減ってゴール前の⻑い直線スプリントへ入る。
通称「小田原コーナー」を立ち上がってから、この日の風向きの影響で強烈な追い風となったゴール前の⻑いホームストレート。最初に抜け出したのは田中志門(カンピオーネ)。少しずつ後続を離して優勝を決めた。その田中を追う後続集団からは4人が抜け出し、Nリーグ登録勢では安藤友識(スミダ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)がレースで4位、稲葉が5位に。このため稲葉がリーグポイント20ポイントを積み上げてランキング2位に上がり最終戦を迎えることになった。
稲葉はゴール後「今年に入ってからTEAM BFY Racing というチームに加入して、チームで練習したりレースで一緒に動けるようになって、とても良くなったと思います。ランキングが2位に上がったので、来月のレースでは勝って年間リーダー獲得を狙います!」と力強くコメント。
一方でレースでは稲葉に続く6位となるも、ランキングポイント15ポイントを獲得しポイントリーダーとバトルマリンジャージを守った宇田川は「雨風の強いコンディションでのレースは初めてだったので、積極的な走りができなかったのが悔しい。次回の最終戦は積極的な走りでレースに勝ったうえでバトルマリンジャージを防衛したい」と熱い抱負をコメントした。
現在、ランキング3位は工藤健太(ブラウ・ブリッツェン)で合計148ポイント、続いて4位が宮嵜博己(チームBM レーシング)で128ポイント、5位に井上湧心が今日の結果で111ポイントと積み上げ、Nリーグも最終戦でのポイントリーダー争いがますます目が離せない展開となっている。午後1時からは高校生以上女子のQリーグ対象レースの「女子スポーツ」。こちらはローリングを含めて12周に変更となり、レースは13名の出走でスタート。Qリーグ登録の根本香織(Team 一匹狼)、そして現Qリーグ・ポイントリーダーの岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)を含む集団は、強風で⻑くなったローリングの間、お互いをけん制。
しかしローリング解除から次の周回で、先日のシクロクロス東京で6位という好成績を見せた阿部花梨(High Ambition)が、このロードレースでも快走し単独でアタック! そのまま周回を重ねるごとに後続集団とのタイム差を重ねていき、単独ゴールで優勝を決めた。
そんな阿部を追う集団は膠着状態が続き、誰も先頭を逃げる阿部にブリッジをかける選手が出ない。ゴール後に岡本から当時の集団の動きを聞くと「風が強くてコントロールが難しかったこともあって、誰からも追う動きが出なかった。できれば自分も追いかけたかったが、阿部選手の強さを知っていたので怖くて動けなかった」とコメント。
しかしアメジストジャージを着る岡本としては「そのままでは終われないと思った」と言う。「何としても最後のゴールスプリントは取りたかった」という岡本は小田原コーナーを立ち上がったタイミングから上手に位置を付けて、最後は7人まで絞られた集団の頭を取って2位となった。このため岡本は合計183ポイントでリーダーの座を防衛し、ランキング2位には7位の根本が164ポイントでつける状況となった。
この日は激しい天候のため、午前開催の各レース表彰式においてNリーグのポイントリーダー授与式は実施したが、Qリーグポイントリーダー授与式は別途、屋内でおこなった。レースは全ておこなわれ、悪天候を吹き飛ばす熱い闘いで会場は盛り上がった。
今大会のポイントリーダー授与式においても、QNリーグ・各ポイントリーダー賞として「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」の各リーダージャージご提供は Bioracerさま、副賞ご提供は武田レッグウェアー株式会社さま、株式会社 隼さま、アイリス株式会社さま、そしてリーグ登録選手全員に試供品を株式会社アミックグループさまからご提供いただいている。改めて厚く御礼申し上げます。
レースを通して自転車仲間を増やせるリーグ活動を
次戦について
シリーズ最終戦は2023年3月5日(日)のしもふさクリテリウムMATIRXヒヤリハンター杯3月(チャレンジリーグ主催)。
※来年度2023-2024シーズンのQNリーグ登録要項や対象レーススケジュールは3月中旬に発表予定。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/
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写真撮影:gg_kasai、k.kazuma
テキスト:須藤むつみ(QN リーグ事務局) 協力:株式会社ウォークライド
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