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異例の老舗百貨店での自転車マーケット、YORiMiCHi MARKETができるまで

4月4日まで日本橋三越本店 本館1Fで開催されている「YORiMiCHi MARKET(ヨリミチマーケット)」。老舗百貨店の自転車マーケットイベント。伝統ある日本橋三越で、1STフロアに自転車アイテムが並ぶのは、歴史的快挙だ。

今回は、このYORIMiCHi MARKETの運営陣に、当時のきっかけやプロジェクトの真意をうかがった。理解を増やしてから来場すると違う景色が見えるかもしれない。

このあとすぐに、みんなで設営という緊迫感の中でインタビューは行われた。

日本橋三越本店で自転車×洋服雑貨×ロケーションが楽しめる「よりみちマーケット」開催

日本橋三越本店で自転車×洋服雑貨×ロケーションが楽しめる「よりみちマーケット」開催

2023年03月20日

YORiMiCHi MARKETを作った運営陣でトーク

コウノ:去年の10月くらいだったかなぁ。御社から「今までにやったことが無い企画を作りたい。可能ならば百貨店ではなおさら実現できなさそうな“自転車”を絡めたライフスタイル的な提案が欲しい」ということでしたよね。

小谷野:そうでした。あのとき、フワッとしていながらも色んな意見が出ましたよね。

コウノ:そうそう、覚えている限りのワードを書き出したときに、こういう事をしたいんだろうな。こういう機会が作れれば良いんだろうと思って企画書を作成して、プレゼンさせてもらいました。

YORiMiCHi MARKETのきっかけ

photo by Yosuke Ohtake

コウノ:今回の企画ではライフスタイルという枠組の中で共存していくスタイルをPOP UPで表現することを目的にしました。

自転車の業界って、幅は広いんですけど奥行きが短いと思っていて、それが時には古臭いなぁとも感じています。
例えばロードバイクだったら、そういう系統の服しか着ちゃダメだよ。という固定概念が強かったり。ブランドとしては重要で大きな軸ではあるんですけど、これが逆に意外と狭めているところもあって。大事なことでもあるけど、どうでもいいことでもあるなって思っていました。
自転車だけには留まらずにアウトドアって経路があったり、僕たちはロケーション(自転車纏わる環境)って言い方をしているんですけど、ONOMICHI U2とかバイクワークイベント(バイクロア)があったりもキチンと伝えたくて。一概に何が嫌とか何がダサいとかこれをやっちゃダメですよ、という思いでは無いし、むしろそこに対していろんな間口が広がるというのが強み。それらを全部ひっくるめて楽しんでいただければ。そういう感じです。

YORiMiCHi MARKETのメンバー(自転車と設計者)

コウノ:このプロジェクトを進行するに当たって、全体プランニングは問題無さそうだったんですけど、自転車の専門的な知識であったり、今回の企画趣旨に対して理解を得られる人間をずっと探していたとき、ある方から、ととりあえず●時にココ(ホルモン屋)に来い!!って言われたもんで伺ったら、目の前に吉田さんがいました(笑)。その日が自転車担当となるメンバー吉田さんとの出会いでした。

吉田:そうそう、そのまま鶴見のホルモン屋で口説かれました(笑)。
初めて、その思いやこうであるべきだと思うんだよな~って話を聞いたんですが、確かに自分にも似た感覚があって、自転車業界に関してはやはり狭い業界だなと感じていました。
例えばAブランドとBブランドが同じ所に並んでるはずがないけど、やっぱり並べたいというのがありまして、そういうので今回一つのブランドをメインにバリエーション展開する……ではなく、私(吉田)の欲しいものを並べさせていただいたのっていうのが今回の自転車側のテーマになります。一番最初にコウノさんがおっしゃってた別にどうだっていいじゃん、ダサいとかおしゃれとか人それぞれだし、そのとき欲しいものを使えばいいじゃんっていう。そこに共感しましたね。

コウノ:うんうん、ボクからしたら業界でずっと戦い続けている方に対して失礼かも、という思いもありましたが、ここでキチンと気持ちを合致させるべきだし同じ方向を向かないとそれぞれが自己満足で終わることが嫌だったので。初対面のくせに「引き受けてくれるなら年齢や経験は無しでいきたい」と言ったボクは生意気だったなぁって思います(笑)。 会場の設計・施工を担当した寺田さんももちろん同様ですしね。

田子:コウノさんと寺田さんも特殊ななれそめがあったのですか?

寺田:なれそめって……なんか恥ずかしいですね(笑)。
ボクが前にいた設計事務所で担当したnarifuriというお店を作る仕事がきっかけです。その京都店で店長をしていたコウノさんとは、お店として引き渡した後もつながっていました。コウノさんと一緒に金物作家の人と話して、こういうものを作ろう、とか一緒に作り手との会話を楽しむようなこともさせていただきました。そんな中、コウノさんもちょうど独立のタイミングで「今回のプロジェクトで仕事一緒にやらない?」と電話がありまして。

コウノ:インド視察準備してるときでしたよね。(笑)

寺田:そうです(笑) タイミングが良いのか悪いのかは置いといて、企画内容とイメージを聞き楽しそうだな。と思いました。

コウノ:御社もいろいろ考えた末のご判断と言われておりましたよね?

小谷野:はい。三越リビングとしての課題だったんですが、決まったお客さましか来ない……というところがあり、なかなか新しいお客さまに来ていただけないという課題を感じていました。今回の企画も今まで日本橋三越に来たことがなかったお客さまとの接点を増やしたいという思いが一番でした。日本橋三越としては暮らしの楽しみ方を幅広く提案したいな、と。今回、自転車×ファッション×暮らしのテーマで新しい企画ができるというのは本当に楽しみですし、どんな新しいお客さまが来てくださるのだろうとすごく楽しみにしています。

百貨店の規律へのチャレンジ

photo by Yosuke Ohtake

小谷野:百貨店でこういったイベントを仕掛けるって、コウノさんにとってもチャレンジだったんじゃないかなと気がしているんです。若い年齢層の方々や同じ趣味嗜好の方が集まる場所でやった方が良かったかもしれない中で百貨店=三越本店を選ばれ、チャレンジしていただけたのは我々としてはすごくうれしくて。何より、今までもこういう企画をやりたいと各所にご相談しても、百貨店は難しそうというのは正直あったので。コウノさんはどのような心境だったのでしょう?

コウノ:正直な話、寺田さんとも話していて古臭い百貨店のイメージは正直ありました(笑)。でも、コンタクトを重ねる内にただのネタ探しとかつなぎでのオファーではないんだな、というのが伝わったのと、上からの口調で失礼ですが「やり切りたい、変わるきっかけになりたい!」という気持ちがすごく伝わりました。最初の打ち合わせで三越さん側が6〜7人おられたこともそう思いました。なんかされそうな感もあったけど(笑)。

小谷野・田子:なんかされそうって……(笑)。

コウノ:「必ずやったことが無い事をするから、御社も必要以上にコミュニケーションを取り続けて欲しい」と伝えたのもそれらが理由でした。あとは「短い期間だけどお互い腹決めて本気でやり切りませんか?」と。ボクの心境はそこの答え次第で決めようと思ったのですが、それを発言する前に小谷野さん田子さんが、これまでの規律を超えてでもやり切りたい。とおっしゃってくれたことが一番でした。

吉田:その日すぐにコウノさんから電話かかってき、「やりますよ、止まっちゃだめですよ」ときたときに、私が出せるアイデアすべて出しました。

寺田:同じくです(笑)。

コウノ:それぞれのプロがやる方がきれいなので、それだけです(笑)。

自転車&ギア

吉田:まず、MDとしてお題が来たのですが、これが思っていたことと同じですごくうれしかったんです。

  • 「ダサい、おしゃれ」の格差はやめて、見た人が分かりやすい物を仕入れてほしい
  • 自転車に興味の無い人が楽しめるものを最優先してほしい
  • 「なるほど!」が全セクションで一つ欲しい

まさに、これだな。て思っていたので気が楽になるというか、いつもしていることをそのままするだけで活用できるのがやりやすかったですね。

会場&設計施工&ビジュアル

photo by Yosuke Ohtake

寺田:コウノさんとイメージを擦り合わて行く中で、色々な方の協働で成り立っています。 特に柱のサインは注目です。 入ってすぐに柱を飾る NEW DOMAIN( ニュードメイン ) が作ったロゴと、 ハッチのイラストがお店を出迎えてくれます。 お店に来てくれたお客さんが、写真を撮るようなスポットとして クリエイターがコラボレーションして、思い切りのいい装飾なっています。 三越日本橋の 1 階らしい大理石に、グラフィティのようにサインとイラスト が大胆に入っています。みなさん沢山、ここに来て写真残してくださいね。 是非宣伝も、一緒にして欲しいです。( 笑 )

小谷野:強い思いとチームワークで構成されていることは理解していましたが、改めて伺うと我々もうれしいというか引き締まる思いです。では、最後にご来場いただく皆さまへ一言お願いできますか?

吉田:自転車は気軽でもあるのですが、繊細なものでもあります。“販売してさよなら”では無く、サポートもきっちりさせて頂きます。2週間という短い期間ですが、このマーケットから色んな情報とご提案をさせて頂きますので、気軽にお越しくださいね。

寺田:売る側だけでなく、来てくれた買い手のみんなも 一緒に楽しめるようなマーケットに仕上がっています。 毎日お店の什器を移動してもいいし 毎日違うよりみちをお楽しみください。

コウノ:自転車・洋服・小物雑貨など、東京にいても見られないモノや珍しい並びのブランドが顔をそろえてくれました。このプロジェクトの最終はまだまだ先ですが、いまから各地を回ったり新しいことを取り入れたりしながらどんどんバージョンアップをしていき、最後はココに戻って来れるようにしていくつもりです。「自転車大好き!」な方や関心が無い方も気軽に立ち寄れて息抜きするようにお越し頂ければうれしいですね。

みなさんならではの「よりみち」を楽しみにお待ちしております!

photo by Yosuke Ohtake

お話をうかがったのはこの人

【YORiMiCHi MARKET】左からディレクター コウノリョウタさん、バイシクルMD 吉田 寛さん(よしだルーム)、設計・施工 寺田英史(tamari architects)
【日本橋三越本店リビング担当】左から、アシスタントバイヤー 田子祐輝さん、バイヤー 小谷野敬行さん

イベント概要

YORiMiCHi MARKET

開催会場:日本橋三越本店 本館1階ステージ
会期日時:2023/3/22(水) ~ 4/4(火)
営業時間:午前10:00 – 午後7:30
TEL(大代表):03-3241-3311

Instagram@yorimichi_market_


Twitter@yorimichi_Mkt

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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