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歴史深いアメリカ東部でグラベル熱を語る|竹下佳映のグラベルの世界

アメリカで活動するグラベル界の第一人者、竹下佳映さん。アメリカ東部地域で行われる「モンスタークロス」というグラベルレースに初参加した。2023年もアメリカはますますグラベル熱が高まってきている模様だ。現地でその様子を肌に感じている竹下さんが昨今のグラベル情勢について語る。

太陽を拝める冬。歴史深いアメリカ東部地域

スカッとして気持ちいい! グラベルは固く締まってて乗りやすく、交通量ゼロに近いところも多い

仕事の関係で、この冬はアメリカの東方面に来ています。

アパラチア山脈、ブルーリッジ山脈、シェナンドー渓谷にアルゲイニー台地と変化に富んだ地形で、アメリカ中西部の農道グラベルが延々と続く大地とは全く違った風景です。カリフォルニア、テキサス、フロリダのように暖かいわけではありませんが、毎年シカゴで体験する骨の髄まで染みる寒さや、手袋を着用しないと数分で凍傷とか、外に停めた車のドアが凍り付いて開かない状況が無いのが助かります。また、冬に青空というのは今までなかなか珍しかったので、太陽を拝めるのがうれしいです。

太陽が顔を出す。ここには未舗装スイッチバックがたくさんあります

こちらの方面は以前にも大会で2、3回来ているので初めてではないのですが、平らな中西部との違いはもちろん、西のロッキー山脈とも異なった山地で、毎日山の風景に癒されています。まだ少ししか探検できていませんが、肝心なライドを行う道は、短くて急、上って下りて上って下りての繰り返し。とにかくアップダウンばかりで平らなところがないんです! トレーニングメニューによっては真っ平または斜度が変わらない道路の方がやりやすいので、どこに行けばいいんだろうと少し困ったりします(笑)

青みを帯びた山々が折り重なるのは、なんとなく日本を思い出します

昔戦場だったところが多いので、墓地がたくさんあります。素晴らしい自然だけではなく、歴史もある場所です(アメリカは広いので、歴史がひどく浅い地域もあります)。 馬、牛、羊、ロバを初めとする家畜だけでなく、野生動物も多く見かけますよ。熊も出没するとの事だったので気をつけないと……。放し飼いになっている犬も追っかけてくるので怖いです。

グラベルライドすると色んな動物に出会いますが(野生、家畜)、こんなに大きな豚は初めて見ました。かわいくない

10年以上の歴史あるグラベルレース「モンスタークロス」

750人が参加した2月のモンスタークロス

先月は、ヴァージニア州リッチモンド近郊で行われた大会に行ってきました。もう10年以上行われているので名前は聞いたことがありましたが、今回初参加。モンスタークロスという名称ですがシクロクロスではなく、部類ではグラベルレースとなります。とても大きな州立公園内にコースが敷かれ、グラベル、MTB、クロスバイクが大集結しました。なんと一輪MTBカテゴリーもありました。私もいつか一輪グラベルやってみたいです。

参加者数が750人で、家族や友人、観戦者も合わせたらかなりの数です。これが州立公園内で行われるのですから驚きました。これも地元地域のサポートなんですよね。この辺りのバイクコミュニティーの活動はとても盛んなようです!

グラベル用サスペンションフォークが大活躍した日でした

グラベルレースの新たな楽しみ方が増えている! 広がりを見せるグラベル熱

4月と5月は、チームレースに参加する予定です。南アフリカの西ケープで開催される、アブサ・ケープエピック・ステージレースが2人1組参加であるのと同じで、2人組参加の大会と、3人組のフォーマットです。また新しいグラベルレースの楽しみ方が増えそうです。

屋根付きのカバード・ブリッジ。昔は一万数千もの数が国内に存在したのだけど、もう700くらいしかないのだそう。多く残る州と全然ない州があります

今、アメリカの自転車業界ではグラベルが一番熱い!

今年も海外には何回か遠征したいし、国内でも特に未経験のレースを主に参加したいと思っています。最近のアメリカグラベル界の大きなニュースとしては、3月16日にUSAC(米国自転車競技連盟)がグラベル全米選手権開催を発表しました。1日のレース、プロクラスの賞金は合計で60,000ドル。このご時世当然ですが、男女の賞金に格差がないイコールプライズです。またこの全米戦での成績によって、UCIグラベル世界選・全米代表としての参加資格を得ることができます。昨年はUSACはグラベルに全く関与せず、米国で2つあったUCI世界選への予選大会には全然人が集まりませんでした。1つ目の大会では、参加者枠が1000人分もあったにも関わらず、実際に参加したのはたったの80人強。2つ目の予選大会はいつの間にか中止になっていました。予選の大会があるということすら知らない人のほうが圧倒的に多かったように思われます。今年はメディアもこぞって発表していたので、すでに様子が随分と違っています。

グラベル人気はまだまだ伸びるでしょうし、さまざまなフォーマットで数え切れないほどの大会が毎週末行われています。先日確認したら、4月末、5月頭の週末はそれぞれゆうに2桁を超える数の大会がありました。それも大会登録プラットフォームのウェブサイト、たった1つだけでです。他のサイトも確認したらもっとあるでしょう!! 今、アメリカの自転車業界ではグラベルが一番熱いと言っても過言ではありません。

私のバイクセットアップ

Lauf(ラウフ)Seigla、リーフスプリングのサスペンションフォークがMTBトレイルやガタつく未舗装路で力を存分に発揮!

PanaracerグラベルキングSK 43cでドライコンディションのトレイルを自信もって乗れました。ここ最近はずっとSSばかり使っていたのですが、SKの良さをあたらめて実感しました。もちろんチューブレス。

ドライブトレインはSRAM XPLRのフロントシングル。次のロードバイクも1xにしようかと思っています。

ホイールはZipp 303 Firecrest。バランスがいいので平坦もアップダウンもいけます。

ヘルメットはアジア人頭蓋骨にぴったりくるKPLUSのNovaとAlpha。サングラスは北欧生まれのBliz。キットはカリフォルニア州で作られているElielのを今年から着ています。

1987年から米国で毎年3月に実施されている女性歴史月間。そこに合わせて作られた、Elielのウィメンズコレクション・カスタムジャージを着てご機嫌

IG:https://instagram.com/kae_tkst

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PROFILE

竹下佳映

竹下佳映

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

竹下佳映の記事一覧

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

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