今春、ビンディングペダルデビュー!【後編】よくわかる着脱のコツ|SHIMANO
Bicycle Club編集部
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ロードバイクやクロスバイク、eバイクなどのスポーツ自転車は、サイクリングやフィットネス、通勤・通学の移動の足に使える便利な乗り物。そんなスポーツ自転車には、一般自転車では見ない特別なアイテムがある。それが「ビンディングペダル」と「ビンディングシューズ」だ。
前編に続いて、今回は、いよいよビンディングペダルの付け外しにチャレンジ! 前編と同じく、リンケージサイクリングの田代恭崇さんにアドバイスをいただいた。
INDEX
クリートの位置を調整する
立ちゴケの不安が減ったらビンディングペダルを試してみよう。ビンディングシューズにクリートを装着するには、SPD、SPD-SLのいずれもアーレンキー(六角レンチ)を使う。
「シューズとペダルを良い位置関係にするために、クリートの位置を調整しましょう。ペダルの軸の上に、足の力をしっかりかけられるような位置が理想です」
ペダルの踏み方は、ヒザが開き気味の人、ヒザが内向き気味の人、左右の脚で踏み方が異なる人など千差満別。クリートの位置はこだわるととても深い世界で、プロ選手はそれこそミリ単位で調整してフィーリングを確認し、納得いくまで調整し直している。
とはいえ、「深く考えすぎずに、気軽にビンディングペダルの体験を」と、田代さん。
「クリートの前後位置は、足の親指の母指球(付け根のふくらんでいるところ)から、5mm程度かかと側にクリートの中央が来るように合わせます。左右位置はソールの中央付近。角度はシューズをペダルに付けたときに、シューズとクランクが平行になるぐらいに取り付けます。これが大まかなクリートの位置の目安になります」
ビンディングペダルのテンションは全開放
ビンディングペダルを自転車に装着するときは、ペダルのテンションを確認する。テンションとはペダルがクリートを保持する固定力のこと。テンションが高くなっていると固定力が上がり、低いと固定力が下がる。
「前編で立ちゴケする方の特徴をお話ししました。転びやすい人はそれに加えて、ペダルのテンションが強いことも多いです。はじめは最もクリートを着脱しやすい『最弱』をおすすめします」
ペダルにはテンションをアーレンキーで調整できるネジ穴が付いている。必ず最弱にしておこう。
着脱(付け方・外し方)の方法
ビンディングペダルは、クリートの先端がペダルにはまるようにできている。先端を引っかけてからペダルを踏むと、クリートの後端をペダル後端のビンディング部分が噛んで「カチッ」「パチンッ」という音とともにはまる。
外すには、足のかかと側を横にスライド(ひねる)させると、「カチッ」「パチンッ」という音ともにクリートがペダルのビンディング部分から解放される。着脱の方法はSPDもSPD-SLも基本的に変わらない。
SPDの着脱
SPD-SLの着脱
左足の付け方のコツ
ビンディングペダルで走るとき、基本的に右足は発進・停止時もペダルに付けたままになる。自転車から降りて歩くとき以外は外さないので、右足は静止状態での着脱に慣れておけばとくに困ることはないだろう。
一方、左足は発進・停止のたびに、付けると外すを繰り返す。よく練習しておこう。
発進時の付け方は、“右足でペダルを踏んで漕ぎ出す→左足のペダルが上がってきたらクリートを引っかける→そのままペダルを踏んではめる”という流れになる。
「ポイントは、左足のペダルが時計の針の12時ぐらいの位置のときに、クリートを引っかけることです。慣れないうちはペダルの回転を12時の位置に止めておいて、クリートをペダルに引っかける感覚を養ってみてください。」
自転車のスピードが落ちてきた場合は……。
「左足がペダルに付いていなくても構わずに、ペダルに足を乗せていったん漕ぎます。自転車が安定するぐらいのスピードが出たら、再びトライします」
ペダルの一回転目に入らないことは、ビンディングペダルを使っている人にも多い。焦らずにやり直そう。走行中の動作になるため、『ペダルはどこ?』『もう少し右か左か?』などと下は向かないように。前を見て安全第一で。
左足の外し方のコツ
「微速時にフラフラしないで走れるようになっていれば不安は感じないと思います。外すタイミングは、止まる直前より、その少し手前にすると安全です。ペダルを止めた状態で左足のかかとをスライドさせて外します」
左足を外す位置は、ペダルが時計の針の12時のところで外す人と、6時のところで外す人がいる。どちらでも大丈夫だ。
「最初はやりやすいほうから始めてください。できてきたら、もう一方も練習します。ペダルが上下どちらの位置でもクリートを外せると、急ブレーキや足をとっさに地面に着きたい瞬間にもパニックにならずに対応できます」
少し補足すると、右足を下にして止まる人は、左足のクリートを外すのは自然と12時の位置になる。逆に、右足を上にして左足を下げると脚に力を入れやすいのでクリートを外しやすいことから下を好む人もいる。
ところで、SPDとSPD-SLはどちらが着脱しやすいと感じるもの?
「個人的にはSPDかな、と。ペダルの上で足をモゾモゾと動かすと、ソール内側に付いているクリートの凹み部分にペダルが収まり、クリートの先端も引っかかりやすいです。また、クリートが小さいので、かかとを少し横にスライドさせるだけで外れる感じがします。SPD-SLより、体(足)の使い方が多少アバウトでも大丈夫です。
ただ、結局は『慣れ』ですので、しばらくすると意識しなくてもできるようになります。自身の乗り方を第一に選ぶことをおすすめします」
ビンディングペダルならではの小技も
ビンディングペダルにするとシューズがペダルに固定される。それを利用してベテランのサイクリストはちょっとした小技を使っている。それが停止した状態でギヤを変速すること。前ブレーキをかけて後輪を浮かせてペダルを回せばいいので、重いギヤで止まってしまったときの再スタートに便利だ。
SPD&SPD-SL用のおすすめビンディングペダル
ビンディングペダルと、ビンディングシューズは、初めての人向けに価格が手ごろなモデルが多数そろっている。なかでも自転車のコンポーネント(変速機・変速レバー・ギヤ・ブレーキ・ホイールなどのパーツ類を指す)で世界トップシェアを誇るシマノは、ペダルとシューズに関しても信頼性が高くエントリーグレードでも品質がいい。
今回装着したSPDペダルは、SPDとフラットペダルが使える汎用タイプのPD-EH500。SPD-SLはPD-RS500だ。どちらにもクリートの固定力を変えられるテンション調整が付いている。
オンロードライド用シングルサイド
シマノSPDペダル(PD-EH500)
片面がSPD、もう片面がフラットなSPDシューズ&スニーカー両用モデル。SPDの装着が容易なライトアクション仕様を採用していて初めての人に最適。クリートは、横スライドと斜め上方向に上げても外れるマルチクリートが付属する。eバイクなどの重量がある車体にも対応する堅牢な作り。
希望小売価格:13,347円(税込)
カラー:ダークグレー
タイプ:汎用(SPD/フラット)
重量:383g(ペア)
ロードライディング用シングルサイド
シマノSPD-SLペダル(PD-RS500)
上位モデル譲りのワイドな踏み面をもつエントリー向けモデル。クリートを固定するバネのテンションが軽めで、調整幅も広いため着脱しやすい。ボディにステンレス製ボディプレートを使って耐久性も上げている。
希望小売価格:8,284円(税込)
カラー:ブラック
タイプ:SPD-SL
重量:320g(ペア)
SPD&SPD-SL用のおすすめビンディングシューズ
ある程度長い距離を走りたい人はミドルグレードがおすすめ。ハイエンドモデルは、コンペティション用(競技用)のため、シューズのアッパーやソールが全体的にカッチリしている。力を効率よくダイレクトに伝えてくれるぶん、体に疲れを感じることも。ミドルグレードなら剛性感と快適性が程良いバランスで両立しているので幅広く使える。
XC3(SH-XC300)
SPDシューズのミドルグレードモデル。足を包み込むようなフィット感があり、フィット感の調整はボアダイヤルで手軽にできる。ソール形状の工夫によって歩行時にもしっかりしたグリップ力を発揮する。
希望小売価格:18,810円(税込)
カラー:ホワイト、ブラック、オリーブ(シマノオンラインストア限定)
サイズ展開:スタンダード・ワイドとも 38~48、オンラインストア限定モデルはスタンダードのみで38~45
ソール剛性:5
重量:332g(42サイズ)
EX3(SH-EX300)
2023年発売のSPDシューズのニューモデル。街乗りや通勤に活躍するシティツーリングシューズで、アッパーには通気性に優れたメッシュ素材が使われている。かかと部分にクッション性を持たせたミッドソール構造により、自然な歩行をサポートする。
希望小売価格:16,940円(税込)
カラー:ブラック、ネイビー
サイズ展開:スタンダード38~48
ソール剛性:4
重量:315g(42サイズ)
RC3(SH-RC300)
SPD-SLシューズのミドルグレードモデル。先に紹介したXC3と同じく、シューズ中心にあるボアダイヤルで足全体を締めるクロージャ―システムを搭載し、サラウンドラップ構造と呼ばれるアッパーがグローブのようなぴったりしたフィット感をもたらす。
希望小売価格:17,600円(税込)
カラー:ブラック、ホワイト、レッド
サイズ展開:スタンダード・ワイドとも 38~48
ソール剛性:6
重量:243g(42サイズ)
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:タナカ ダン
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