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復興の進む福島の今を走る、ツールドふたば開催|福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

4月15日から16日の2日間にかけて、昨年の夏に避難指示が解除された福島県大熊町・双葉町で「福島復興サイクルロードレースシリーズ2023」の一環として「ツールドふたば」が開催された。

「ツールドふたば」では、東京電力福島第一原発事故に伴う特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除により、自転車の通行が可能となった両町の国道6号を通るコースを設定。全国のサイクリストに東日本大震災と原発事故から復興する姿を発信した。

サイクリングやロードレースを満喫できる2日間のサイクリングイベント

受付となった双葉駅

1日目はあいにくの悪天候のなか、計120名のサイクリストが参加。個人タイムトライアルとサイクリング、2つのイベントを楽しんだ。

タイムトライアルは本州では珍しい1桁国道の交通規制、約5.7kmを実施。大熊町の三角屋交差点付近をスタートし、双葉駅近くにゴールする国道6号線を北上するコースが設定された。来賓として太田房江経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長のほか、室伏広治スポーツ庁長官の挨拶代読を行った田中聖也スポーツ庁スポーツ地域振興調査官、大熊町の吉田 淳町長、エキップアサダ浅田 顕監督、一般社団法人みんぽうスポーツ・文化コミッション 中尾富安代表理事、福島県自転車競技連盟 岩城光英会長(元法務大臣)、福島県自転車競技連盟 鹿又未可理事長らが参加。名誉スターターは太田房江経済産業副大臣が行った。

県外より参加した参加者からは「想像していたより道がきれいで走りやすかった」、「今後行われる211kmロードレースにもぜひ参加したい」と好評だったようだ。

また、双葉町をスタートし、浪江町、南相馬市を走る約40kmのサイクリングツアーには、福島県サイクリング協会及びロンドンオリンピックで活躍した双葉町を代表するアスリート、渡邉一成選手と、JBCF群馬グリフィンに所属しロードと競輪で活躍した渡辺正光選手も参加。12年前の姿を鮮明に残す震災遺構請戸小、復興が進み最先端の技術を使った福島水素エネルギー研究フィールドといった設備を見学するなど、福島の過去を風化させないという強い思いを垣間見るコースを走った。

双葉町にはアート(壁画)が至る所で見られる
サポートカーによるバックアップ付きで安心
震災遺構・浪江町立請戸小学校
福島水素エネルギー研究フィールドにも立ち寄った
大人も子どももサイクリングを楽しんだ

この日親子で参加したという人は「12年の節目ということで参加しました。よく整備されていると感じる場所もあれば12年前のままもありましたね。天気が悪く寒かったのは残念ですが、全体的にゆっくり走れて子どもでも走れるペースでした。またスタッフの方がつきっきりでサポートをしてくれて、本当に助かりました」とコメント。いっしょに走った子どもも「ちゃんと走れて楽しかったので、今度は晴れているときに走りに来たい」と話していた。この親子以外にも、「クルマが少なくとても走りやすかった」と感じたサイクリストが多く、少しずつ復興にむけて整備が進められていることを実感した。

会場には日本競輪選手会福島県支部所属によるもつ煮の振る舞いも
競輪選手との競争コーナーで盛り上がる
賞状を手にする参加者

2日目は本格的なロードレースが行われた。昨日のゴールとなった双葉駅から東に行った双葉町内の東日本大震災・原子力災害伝承館をスタート地点とし、大熊町にあるlinkる大熊をゴール地点とした13.5kmをホビーレーサーたちが走った。ゲストとして日本競輪選手会福島県支部所属の渡邉一成選手、渡辺正光選手も参加。パレードランの後も高校生の先頭を引き、余裕のある走りを見せてくれた。

メイン会場は東日本大震災・原子力災害伝承館
地元の高校生も参加
先導モトはシマノレーシング風間選手のお父さん
タイムトライアルクラスも開催
タイムトライアル40歳の部で優勝した滝音亮介さん
安全なレースになるようサポートを行った渡辺ペア
日本競輪選手会福島県支部所属の振る舞いはあんこう鍋
表彰式の様子

なお、一日目のタイムトライアルのスタート地点より南に少し行った場所は、昨年末から上映されている新海 誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」で主人公・鈴芽が「帰還困難区域」の看板の前を通り、国道6号を車で走るシーンに登場した場所で、福島県内でもたびたび話題となっている。

「すずめの戸締まり」に登場した国道6号

みんぽうスポーツ・文化コミッション代表理事 中尾富安氏コメント

今回の開催に当たり宮城県、福島県の高校生も参加していただいており、遠くは三重県、四国の香川県からも参加していただいております。ありがとうございます。東日本大震災から12年経過しました。全国のサイクリストの皆さんに復興の段階にある浜通りを知っていただいて、全国に発信をしていただくということを目的にしております。今大会をスタートに、この秋9月には211km、日本最長でのサイクルロードレースも予定しております。ぜひその際にはお仲間といっしょに福島に来ていただきたいと思います。

福島県自転車競技連盟 岩城光英会長コメント

あの大震災から、12年が経ちました。いろんな困難に直面しました。苦労もありました。でも私たちは1人1人が与えられた役割を果たして、懸命に懸命に頑張ってまいりました。ただいまもお話がありましたように、この復興が進んでいる。故郷の状況を国の内外に広く発信していきたい。そして、広域的な交流人口を増やして、故郷の振興につなげていきたい。そういう思いで、福島の復興の象徴となるような、福島復興サイクルロードレースシリーズを目指しております。

経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長 太田房江氏コメント

一歩一歩、福島の復興進んでいる中で、自転車レースを通じて交流人口を増やしていきたい。この自転車を始めとするスポーツ、グルメ、お酒といったたくさんの“資源”を持っているこの地域が、その資源をうまく活用して、そして交流人口を増やし、そして復興を加速させていく。そういう一つの大きなきっかけに、このレースがなってくれるものと信じております。

スポーツ庁長官 室伏広治氏コメント(スポーツ庁スポーツ地域振興調査官 田中氏代読)

スポーツには、1人1人の体を健康に、また心を元気にする力がある。というだけでなく地域の資源を生かしたスポーツツーリズムによる来訪者や関係人口の増加などを通じて、地域活性化にも貢献できる大きな力がございます。ここ大熊町、双葉町は除染などのハード面の復興というところはもちろんのことながら、地域コミュニティーの再生、新たな産業作り、関係人口の拡大などソフト面での復興が大きな課題となっています。そのような中、スポーツはソフト面の復興に大きな役割を果たせるものと考えております。特にサイクルスポーツでは、現在の復興の状況を肌感覚で知ると非常に適していると感じるとともに、美しい太平洋や浜通り地域の素晴らしい景観や空気を満喫することができます。さらに、大会やシリーズへの継続的な参加を通じて復興や地域作りにかける皆さまの熱い思いに触れることができ、その思いに共鳴し、この地域のことが好きになり、地域に関わり続けたいと思うきっかけにもなればうれしいです。

大熊町長 吉田 淳氏コメント

国道そばに見えているのは帰還困難区域の中にあるかつての我が家です。自由に入ることはできないのですが、その目の前でスタートができること、高校時代の通学路がコースと重なることなど、個人的にも大変うれしく思っております。このイベントを通し、被災地のこの姿を特定復興再生拠点と呼ばれるエリアが避難指示解除となりました。加えまして昨年8月、国道6号が自転車で通行可能となりました。そのおかげで、大熊町双葉町の両町において今日のようなイベントが開催できるようになりました。これまでの過去に関わっておられた関係者の皆さまに対しましてこの場をお借りしまして感謝を申し上げます。

エキップ浅田監督 浅田 顕氏コメント

私はリオオリンピックそして東京オリンピックと日本代表チームの監督をさせていただきました。復興支援イベントということで、地元の皆さまのご苦労に関して私が軽々しく口にできるものではございませんが、今日このような機会をいただきまして本当にありがとうございます。そして主催者の皆さま、今日は雨の中ご準備いただきましてありがとうございます。そして選手の皆さん、今日は皆さんが主役です。この国道6号を交通規制いただいたことで思いっきり走れる機会ができました。今日と明日と全力で挑んでください。そしてその力が、世界に届くことを本当に楽しみにしています。

福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

主催:【レース】福島県自転車競技連盟、福島民報社、一般社団法人みんぽうスポーツ・文化コミッション/【サイクリング】福島県サイクリング協会、福島民報社、一般社団法人みんぽうスポーツ・文化コミッション
後援:復興庁、スポーツ庁、経済産業省、福島県、大熊町、双葉町、一般社団法人福島県サイクルツーリズム推進委員会
特別協賛:福島日産自動車
公式サイトはこちら

第1戦は4月22日、23日に行われる「ツール・ド・かつらお」(エントリー受付は終了)。第2戦は6月4日に行われる「そうまエンデューロ」で、こちらは5月28日(日)までエントリー受付中だ。

そうまエンデューロ
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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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