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2人乗りタンデム自転車で世界を巡る「豪華クルーズ船ツアー」が日本各地を走る

2023年4月17日、静岡県富士市の田子ノ浦港に、海外からのサイクルツアー・クルーズ船が着港。300名を超えるサイクリストが、富士山を臨みながらのライドを楽しんだ。

今回のツアーは東京から始まる太平洋側の名所近くの港に寄港し、そこでサイクリングを楽しむもの。クルーズ船「スターブリーズ」は11日間サイクルツアーのホテルであり移動手段だ。

船は、東京〜富士~新宮〜高知〜別府〜博多〜唐津〜釜山(韓国)〜下関〜尾道〜神戸に立ち寄り、この帰り道も別のツアーとなる予定。

富士山に一番近い富士市の港に
海外クルーズ船がサイクルツアーで初来航!

スターブリーズは、全長159.4m、13トンの大型豪華客船。中には入れなかったが、写真と参加者たちの話によるとホテルのような部屋にプールやサンデッキと、イメージどおりの豪華クルーザーである。

一方の田子の浦港は、シラス漁が有名な太平洋岸自転車ルート沿いにある港だ。あまり大きい港ではなく、通常は一般の入場も制限されている。ちなみに港のすぐ近くにある漁協食堂で食べられる生orゆでしらす丼はサイクリストには知られた食だ。

そこに初の海外からのクルーズ船が着港し、またこの周辺を海外からのサイクリストが走る。市内にサイクルレーシングチーム『レバンテ富士』を擁し、市内中心地でクリテリウムレースも開催するほど自転車利用推進に積極的な富士市だ。午前7時に田子の浦港に着港したスターブリーズを、富士市は全力で出迎える。地元の皆さんが、吉原祇園祭のおはやしや大漁旗で歓迎する。

ツアー主催のサンタナと
そのタンデムバイクについても知っておこう

このツアーはアメリカの『サンタナアドベンチャー』が主催する豪華クルーズ客船による海外サイクリングツアーである。

約50年に渡り、アメリカ・カリフォルニア州でタンデムバイクを作るバイクブランド『SANTANA』のオーナーが行うサイクリングツアーだ。

サンタナはタンデムバイクのバイクブランドとして1976年に創業した。奥さんと2人、バイクツーリング好きの奥さんともっとも効率よく走れるよう、2人乗りの自転車であるタンデムバイクを作っている。

現在もカーボン、チタン、スカンジウムなどの最新素材を使い分けたタンデムバイクを作る。その創業者が、このツアーを主催する『サンタナアドベンチャー』代表のビル・マクレディさんである。

写真の左がマクレディさん。右は一行を出迎えた富士市観光大使の「第37代かぐや姫クイーン」山本怜奈さん

「学生時代にツーリストだった今の妻と一緒に、いろんなところを自転車で一緒にたくさん走ったんだ。それで卒業してすぐ結婚して、バイクショップを買った。タンデムバイクを販売するために。

ただ、いいものがないのでロサンゼルス近くの地元ビルダーに相談して、いいクロモリチューブを使ったタンデムバイクを作ってもらって、それをお客さんに販売していった」。それがサンタナサイクルの始まりである。

タンデムバイクだけでなく遊びも提供したかったマクレディさんは、1986年にライドイベントやツアーを企画する『サンタナ アドベンチャー』を設立した。

「最初はクルマやモーテルを使ってツアーをしていたけれど、2006年から船を使って移動するツアーを始めたよ。今は船でのツアーしかしていない。2022年は12回、世界各国を船で移動しながら走るツアーを行ったよ。バルチック海に接する10の国々を10日で走るツアー、タヒチ7つの島を7日かけて巡るツアーなどかな」

ツアー全てにロマンに富んだ企画力を感じ、確かなサイクリングガイドのルートが用意される。タイトルを聞くだけで一生に一回はしたい旅だ。それをできるゲストの数、今回のツアーは312人。全てのゲストがタンデムということではないが、並んだバイクを見ると、半数近くがタンデムバイクを使う。

お客さんの多くはアメリカからだが、だんだん世界からのお客が増えているという。「今回は初めての日本でのツアー。ウェブで発表してからクルーズ船の60部屋が7分で売り切れてしまったよ(笑)。みんな日本に来たかったんだ。でもそこにはガイドが必要だったんだね」。https://santanaadventures.com/

ユーはどうして日本を選んだの?

前日に東京都のお台場でスターブリーズに乗ったゲストは今日、駿河湾沿いにある通称千本松の堤防を走る。富士山を一方に、青く広がる駿河湾を一方に観ながら、まっすぐな堤防上を走れるぜいたくなルートだ。予定としては60kmほど。

そのライドを一緒に走りながら、まずはどうして日本を選んだのか、それを聞いてみた。

レイとシェリル・アレーさんご夫妻は「日本はずっと来たかった国。タンデムは1993年から乗っています。これは2011年のバイクをリビルドして乗っています。今日は走れるまで走って、戻ってこようかと思います」と話す。

そしてアメリカ/シアトルからのトニー・アンドリューズさんとハナ・フロスさんは「オンラインで写真を見て美しいと思い、ぜひ日本の海岸沿いを走ってみたいと思っていました」

スコットランド/エジンバラからのブライアン・ウォーカーさんとジェーン・ウォーカーさんは「日本はぜひガイド付きのツアーで走ってみたかったんです。日本ではサイクリングを通して私たちとは違う文化を体験してみたいです」と語ってくれた。

旅慣れた富裕層のタンデム、その自由なセッティングに目を引かれる

一緒に走っているうちに興味はどんどん自転車そのものに移っていった。

というのも、ゲストが乗るタンデムの自転車が、どれもこれも上品で賢いカスタムが施されているからだ。聞くとかなり自転車旅をし慣れた人々だ。経験と実際の走りでの耐久性を考えた実践的で自由な自転車に乗っていた。

 

皆、そのライド経験と装備がじつは実体験に基づいたハードコア仕様なのが、面白くも頼もしい。この日本でのライドもぜひ楽しんでほしい。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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