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宇都宮で産学連携による自転車利活用の研究がスタート!

栃木県宇都宮市。ジャパンカップなど、自転車の街としての地位を高めている街だ。ここに、自転車について新たな取り組みをスタートさせようという動きがある。「地域共創のための自転車利活用による複合的効果に関する研究(以下、自活研)」と題し、自転車が世の中に与える効果を計測・発信できるようにすることが目下の狙いだ。このキックオフミーティングが2023年7月21日に宇都宮大学で行われた。

自転車を主役に考えない。自転車を使って地域を主役にする

冒頭の挨拶を行うサイクルスポーツマネジメントの柿沼 章さん

発起人は宇都宮ブリッツェンを運営するサイクルスポーツマネジメントの柿沼 章さんだ。「レースでどんなにいい結果を残しても、それだけでは駄目で。強いということだけが地域密着ということではないと感じました」と語る柿沼さんは、2021年に他界した先代の砂川幹男氏から言われた「自転車を主役に考えるんじゃない。自転車を使って地域が主役になるように」という言葉を改めて思い出し、今回の取り組みを開始した。

産学連携での取り組み。新たな評価指標の開発へ

今回の取り組みは、サイクルスポーツマネジメントと宇都宮大学の共同での取り組みだ。以下、公開情報をもとにまとめる。

調査研究の背景と目的

自転車のイベントなどは活発に行われているが、社会的認知度は小さい。そのため、自転車利活用の社会的効果を明らかにすることが必要。
本調査研究では、自転車を通じた諸活動が地域活性化に寄与すると想定し、その効果を明らかにし発信する。そして、その効果を表現する指標を作成し、自転車利活用の効果を継続的に発信するプラットフォームを構築することを目的とする。

目標

・自転車プロスポーツチームの諸活動の地域社会での効果の評価指標開発(BBS指標)
BBS:Benefit by Bike for Society
・評価の実施と評価結果の定期公表と進捗評価
・地域共創のツールとしての自転車利活用の方策の提示
・自転車教育の鞄的情報の整備

研究体制

キックオフミーティングの最後に。前列左から、友常さん、佐藤さん、柿沼さん、横尾さん、喜谷さん、石川さん、池田さん(宇都宮大学学長)。後列の宇都宮大学の学生たちは横尾さんのゼミで研究に励む

【実施主体】
・宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築環境研究室:横尾昇剛
・サイクルスポーツマネジメント:柿沼 章

【協力】
関係の各種団体の他、アドバイザーグループを設け各方面の意見を取り入れていく
(アドバイザーグループ)
・自転車分野:佐藤 正 (栃木県サイクリング協会)
・医療分野:友常 健(済生会宇都宮病院)
・地域分野:石川和弘(サイクルタウンさの)
・経済分野:喜谷辰夫(トヨタカローラ栃木)
・経済分野:福地正浩(ミツトヨ)

自転車による校用の根拠付けができれば、その効果は非常に大きい

主として研究を進める横尾さん(左)と柿沼さん(右)。この小さなキックオフが自転車界に大きな波をもたらすかもしれない

自転車のイベントは素晴らしい、とよく耳にする。実際に編集部坂本も自転車が好きで走ることやイベントもすごく楽しめるのだが、具体的な数字で証明するとなるとなかなかに困難である。本研究によりその効果が明確になり、自転車を利用することのメリットが明らかになれば業界として非常に明るい話題だ。本研究はまだまだ始まったばかりだが、その動向を注視していきたい。

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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