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ジャパンカップで見つけたトップチームの決戦バイクと意外なこだわり 

10月13〜15日、栃木県宇都宮市で開催されたジャパンカップはUCIプロシリーズにも組み込まれる、国内最高峰のロードレース。そのため国内外のトップチームが集まるが、その中で機材面ではさまざまな違いや工夫が見られました。ここでは自らもJプロツアーで走る、せいちゃんこと相原清一朗が、ロードレースファンやいちレーサーとして目にしたさまざまな機材や工夫に注目。今回はその中から個人的に気になったポイントをいくつか紹介したいと思います。

補給の渡し方やゼッケンの取り付け方にもこだわりがある

まずは機材の前に、各チームのさまざまなこだわりや工夫を見てみよう。

補給所での工夫

周回コースのジャパンカップでは補給所での補給が頻繁に行われますが、そこでも気になったポイントがいくつかありました。今回のレースは雨天で、濡れているとボトルを受け取るときに滑りやすいのです。そんななか、受け取りやすくするためにスポンジを使用してボトルを拭くなど、ミスを減らすための工夫を行っているチームがありました。また、一部のチームはサコッシュではなく、ボトルにジェルを貼り付けて渡す方法を採用していました。

愛三工業の赤星太郎マッサーは選手がボトルをとりやすいように超吸水スポンジ(ニトリで購入)を使い、水をふき取ってから渡していた

ゼッケンやゼッケンプレートの取り付け方法

海外の選手はゼッケンの取り付けに一般的な安全ピンを使用していました。その本数は、1枚あたり4本しか使わない選手もいましたが、多くの選手はゼッケンがバタつかないように6〜10本程度使用していました。また、取り付け方にも個人差があり、ゼッケンの余白を切る選手やゼッケンを重ねて張り付ける選手も見られました。
ゼッケンプレートについては、新たに穴を開けて調整し余白を切り取る選手やチームが多かった印象でした。

計測タグの取り付け方法

以前はタイラップで取り付けるのが主流だった計測タグの取り付け方法ですが、近年変化してきています。主流となりつつあるのは、空気抵抗の削減を狙ってラテックスチューブを10cm程度に輪切りし、フロントフォークに取り付ける方法です。また、フロントフォークの内側にチップを取り付けているチームもありました。なお、優勝したルイ・コスタを擁するアンテルマルシェ・サーカス・ワンティなど、ラテックスチューブではなく一般的なブチルチューブを使用しているチームもありました。

同じチームであってもフレームやタイヤが微妙に違う理由は?

続いて選手たちが実際に使用する機材に注目してみよう。

タイヤのチョイス

レースでは、チューブレスを採用するチームが増加していますが、リドル・トレック(ジューリオ・チッコーネはチューブレス)やコフィディスでは伝統的なチューブラーを使用していました。また、スーダル・クイックステップでは、通常はクリンチャーのスペシャライズド S-ワークスターボコットンをメインに使用していますが、日曜日はS-ワークス ターボ ウェットと思われる、雨天用の供給チーム専用モデルのタイヤを使用する選手もいました。

同じタイヤメーカーを採用するチームでも、選手たちが使用するタイヤが結構異なっているのが気になりました。。ヴィットリアのタイヤを使用するチームでは、EF・イージーポスト、チーム・ジェイコ・アルウラー、ロット・ディステニーの選手のほとんどがコルサ プロのTLRを使用していました。しかし、チーム ノボ ノルディスクでは、従来のコルサTLRやコルサ コントロール TLRを使用する選手もいました。さらに、リュブリャナ・グスト・サンティックの多くの選手がコルサ ネクストを選択していました。

コンチネンタルのタイヤを使用するチームでは、バーレーン・ヴィクトリアスはGP5000 TRを使用し、一方、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティではGP5000TT TRを使用していました。また、イスラエル・プレミアテックでは、グッドイヤー EAGLE F1やコンチネンタルのGP5000S TRなど、タイヤのブランドも選手によって異なっていました。

タイヤへのこだわりが強い選手が多いのか、ロゴを消してスポンサー外の製品を使っている選手もいました。個人的にもタイヤで走りは大きく変わると思っているのでこだわる選手が多いのも共感できます。

デベロップメントチームの選手

UCIワールドチームやUCIプロチームは、ジャパンカップなどのUCIプロシリーズのレースでは、1チーム最大2名までデベロップメントチーム(育成チーム)の選手を参加させることができます。

今回のジャパンカップではEFエデュケーション・イージーポストとアンテルマルシェ・サーカス・ワンティは各1名、イスラエル・プレミアテックとロット・デスティニーは各2名、計6名のデベロップメントチームの選手が参加しました。デベロップメントチームはトップチームとほぼ同じ機材を使用していることが多いのでほぼ同じ機材構成ですが、イスラエル・プレミアテックの2選手はコンポーネントがデュラエースではなくアルテグラなど、多少の違いが見られました。

フレームの選択

多くのメーカーがオールラウンドモデルやエアロモデルなど違った性格のレースバイクをラインアップしていて、チームの選手もコースなどによって使い分けていることが多いです。今回のジャパンカップでは海外の参加チームは以下のようなチョイスでした。

  • EFエデュケーション・イージーポスト:Cannondale SuperSix EVO LAB71
  • バーレーン・ヴィクトリアス:Merida Scultura Team(3名)、Merida Reacto Team(2名)
  • コフィディス:Look 795 Blade RS
  • アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ:Cube Litening Ari C:68X
  • リドル・トレック:Trek Madone SLR Gen7(3名)、Trek Emonda SLR(2名)
  • スーダル・クイックステップ:Specialized S-Works Tramac SL8
  • チーム・ジェイコ・アルウラー:Giant Propel Advanced SL
  • イスラエル・プレミアテック:Factor Ostro VAM
  • ロット・デスティニー:Ridley Falcn RS(3名)、Ridley Noah Fast(2名)
  • チーム ノボ ノルディスク:Argon18 Sum Pro
  • リュブリャナ・グスト・サンティック:Gusto Ranger Evo Disc

多くのチームがオールラウンドモデルを選んでいますが、バーレーン・ヴィクトリアスやリドル・トレックは、ほぼ半数の選手でチョイスが分かれていました。ロット・デスティニーもほぼ半数の選手で乗っているバイクが異なっていましたが、デベロップメントチームにはノア ファストしか供給されていないためだと思われます。

国内のチームではチーム内で同じバイクを乗るチームが多かったですが、宇都宮ブリッツェンではフォン・チュンカイのみメリダ・リアクトを、レバンテフジ静岡ではダニエル・グルドのみ旧型のメリダ・スクルトゥーラを、山口瑛志はメリダ・リアクトを使用していました。

一人だけチームメートと全く違う機材

チーム・ジェイコ・アルウラーのほとんどの選手がジャイアント・プロペルアドバンスドSLに乗っていましたが、ハミッシュ・マッケンジーのみファクター・アストロVAMに乗っていました。しかもコンポーネントはシマノではなくスラムのフォースeTap AXS D2。フロントホイールはチームメートと同じカデックス50ウルトラですが、リアホイールはコンポーネントがチームメートと異なるためかジップ303sを使用していました。

なぜこの選手のみが全く違う構成のバイクなのか気になった方もいらっしゃると思いますが、この選手はトレイニーやスタジエと呼ばれる8月からチームに加わっている研修生で、もともといたARA | Skip Capitalというオーストラリアのコンチネンタルチームの機材を引き続き使用しているというのが理由です。研修生は元のチームと研修先のチーム両方でレースに出ることができるため、元のチームの機材に乗り続けているパターンが多いと思われます。
ちなみに今回のジャパンカップではイスラエル・プレミアテックからも2名の研修生が参加していましたが、彼らはチームメートと同じ機材を使用していました。

まとめ

アラフィリップ選手の実写を見る著者

ジャパンカップで機材面を中心に個人的に気になったポイントを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
海外のトップチームは、スポンサーの意向や機材の運搬の制約などもあってか、チーム内で同じ機材を使用する選手が多い印象でした。しかし、補給所での工夫やゼッケンや計測タグの取り付け方法など、細部にわたる工夫が各チームで行われていたのが印象的でした。
ロードレースファンとしては、レースだけでなく機材や細部にわたる工夫にも目を向けることで、さらに楽しみ方が広がると思います。ぜひ機会があれば今後のレースで注目してみてください。

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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