シマノ105メカニカルが大きく進化! 機械式コンポーネントの魅力&活用法|SHIMANO
Bicycle Club編集部
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「ロードバイクに乗ってみたい」「長い距離を走りたい」「レースにも出てみたい」、という人におすすめのコンポーネントが「シマノ105(イチマルゴ)」。変速をワイヤーで行う105のメカニカル(通称、機械式)は、入門用のロードバイクのなかでも本格派のモデルによく採用されている。
2023年9月、そんな105が新たな刷新を行った。ギヤが11速から12速に増え、ギヤ比1:1以下のセッティングも可能になるなど、より使い勝手のいいものとなった。
ここでは新型のシマノ105メカニカル(R7100シリーズ)の魅力と、サイクルライフの幅を広げる有効な活用法を、「なるしまフレンド神宮店」でメカニックを務める鈴木直太さんとともに見ていきたい。
INDEX
待望のメカニカル(機械式)が登場!
シマノはロード用コンポーネントのグレードには、上からデュラエース、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラ、クラリスの5つがある(その下にコンポーネント名のない一般車用製品が続く)。105の格付けは3番目で、上位グレードのテクノロジーを色濃く反映しつつコストパフォーマンスに優れていることから、「街乗りはもちろん、レースも視野に入れるならコンポーネントは105以上を選べ」と昔から自転車乗りの間で言われている。
なるしまフレンド神宮店の鈴木さんは次のように話す。
「たとえば、ブレーキの性能についてですが、以前から105以上のグレードなら『レーススピードでもきっちり減速できる』と高い信頼が寄せられていました」
また、105と上位モデルのデュラエースやアルテグラを比べてみると、リムブレーキ全盛のころにあった各グレード間の性能差は、今の油圧式ディスクブレーキの時代になって大きく縮まっている。
今回の105メカニカルは、2018年に発表された先代からじつに5年ぶりのモデルチェンジとなる。シマノはモデルチェンジをおよそ4年ごとに行ってきたので、「ロングセラーを誇る105の機械式はなくなってしまうのか?」という憶測も出ていたが、ここで満を持しての登場となった。
ちなみに、2022年には105に初のDi2(電動変速)が加わっていて、105は“はじめてのDi2デビュー”にも適したコンポーネントとなった。それを踏まえて、機械式を待ち望む人に105メカニカルがリリースされたといえる。
- なるしまフレンド神宮店
東京都渋谷区神宮前3-35-2
営業時間:12:00~19:00
定休日:火曜・水曜
https://www.nalsimafrend.jp/
注目ポイントはここ!
新型105メカニカルの最も大きな進化点は12速化の採用だ。デュラエースやアルテグラ、105 Di2と同じ段数になった。シフト/ブレーキレバーやフロントディレイラー、リアディレイラーが12速用に刷新されている。
クランクセットの歯数は52×36Tと50×34Tで、カセットスプロケットの歯数は11×34Tと11×36T。ギヤ比を軽い組み合わせにすると1:1以下に収まるので、脚にそれほど自信がない人でも安心してヒルクライムできる。
「ロードバイクのライト層により力を入れた仕様となりました。これから自転車を始める人にとってかなり心強いと存在だと思います。一方、レースでの使用を前提にした方もクランクのアウターが52T、リアは11Tがあるので高いスピードにも対応できます」と鈴木さん。
とても軽いギヤが踏めるようになり、スピードの出せる重いギヤも従来同様に踏める――12速化によってスピード域の幅が広がったのだ。
機械式の魅力
105メカニカルの価格は、グループセットで一式揃えて約13万円前後。105 Di2が22万円前後なので、同じグレードでも約9万円リーズナブルになる。
そして、105メカニカルは機械式で12速を採用したシマノ初のチャレンジングなコンポーネントでもある。デュラエースでもアルテグラでもなく、この105メカニカルが機械式の最高グレードであり、それが求めやすい価格で手に入るのはうれしい限りだ。
「お店での販売傾向を見ていると、Di2が浸透してきたこともあって、以前より機械式を選ぶ人の割合は減ってきました。とはいえ、機械式は価格面において優位ですし、『自転車は趣味のもの、自分で操作する感覚を感じたい』という人に根強い人気があります」
Di2と機械式の操作感をクルマにたとえるなら、Di2がオートマチック車で、機械式はマニュアル車。機械式は、レバーの引き具合やペダルの踏み方を加減してシフト操作する、そんな楽しさをもたらしてくれる。
加えて、機械式の場合は「シフトが操作に不具合がでてきた……」といったときに、ワイヤーの摩耗やチェーンの伸びなど原因を特定しやすいという利点も。Di2の場合は電気的なトラブルも視野に入ってくるので、プロショップといえどもすぐに判断がつきにくいことがあるそうだ。
「シマノのアフターサービス体制はスピード感があって僕らも安心しているのですが、メンテナンスの点では、誰もが機械式のほうがとっつきやすいと思います」
フレーム買いのコンポーネントとして優秀
これから105メカニカルを搭載した完成車が市場に多くでてくるだろう。そのようななかで、105メカニカルには次のような活用法もある。
その一つが「フレーム買い+105メカニカル」で自転車を組むこと。
たとえば、グレードの高いフレームの完成車が欲しい場合、コンポーネントはたいていデュラエースやアルテグラなどが付いていて結構な金額になってしまう。かたや、フレームのみ購入して105メカニカルを組み合わせればトータルコストは下がる。
「ここ最近は、メーカーによって違うものの完成車の価格が上がってきています。そのため、完成車で買うのと、完成車と似たフレームやパーツで組む場合を比べると、両者の間に大きな価格差もなくなってきています」。
なるしまフレンド神宮店では、同店でフレームと、その他すべてのパーツを購入してくれたお客さんに対する取り付け費用は無料だ(ディスクブレーキの場合のみ工賃5,500円)。持ち込みパーツがある場合は、その取り付け費用のみかかるようになっている。
なお、105メカニカルを使って自転車を組む場合は、フレーム形状に気を配ることを忘れずに。
「フレームがDi2専用の場合は装着できません。エアロフレームなどもハンドル周りの形状が特殊でワイヤーの取り回しが厳しくなることがあります。事前にお店に相談してみてください」
コンポーネントの乗せ換えにも最適
105メカニカルのもう一つの活用法が、今あるコンポーネントの乗せ換えだ。もし所有している自転車のコンポーネントがティアグラなら、乗せ換えによってギヤが10速から12速にアップする。
「ティアグラより一つ上のグレードで、かつ最新の105メカニカルへの上位変換になるので操作性の向上はもちろん、ギヤが2段多くなることでも劇的な変化を感じられると思います。最大36Tの軽いスプロケットのおかげで上りの不安もなくなります」
入門用モデルを買ったもののしばらく自宅に眠ったままという方にとっても、コンポーネントの乗せ換えは、再びロードバイクに乗るいい刺激になる。コンポが変わると新車時のようなフィーリングになるので、きっと驚きを受けるに違いない。
なるしまフレンド神宮店では、同店でコンポーネントを購入した場合に乗せ換えにかかる工賃は約3万円。お客さんが気持ちよく乗り出せるように各部のセッティングなどをきちんと行ってくれる。
全国に試乗車あり!
現在、シマノは105メカニカルを多くの人に体験してもらおうと、全国の有名プロショップの協力のもと試乗車の準備を進めている(試乗は2024年6月ごろまでを予定)。
なるしまフレンド神宮店には、スペシャライズドのアレーに105メカニカルを装着したモデルがあり、実際に試乗したに感想をお聞きした。
「ギヤがまだある、まだあるぞ、という感じで楽しかった。これなら坂道もラクできる(笑)」と話すのは、遠乗り用にアルテグラの機械式(11速)のロードバイク、街乗り用に105機械式(10速)の小径車に乗っている加藤さん。
「ペダルの踏み具合を細かく調整できて、シフト操作も軽い。レバーのワンアクションで3段分の多段変速もできるなど、非常に快適な乗り味でした」。ブレーキに関しても「安心して止まれます」と太鼓判を押す。
加藤さんは、これまで各コンポ―ネントの性能差にあまりこだわってこなかったが、すでに2~3世代前となってしまった自身の自転車と比べると、今回の105メカニカルのパフォーマンスの高さに驚いていた。
新たに12速となったシマノ105メカニカルの試乗車設置店はこちらからチェックしよう。
新型105メカニカルは、各パーツともにブラックアウトされた精悍なデザインで、どんなフレームとも相性がいい。すでに前述したとおり、性能は上位グレードに肉薄しながらも価格は控えめだ。完成車での購入にとどまらず、「フレーム買い+105メカニカル」やコンポーネントの乗せ換えなど自由に楽しめる。幅広い層のユーザーの希望をかなえてくれる唯一無二のコンポーネントとなっている。
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- CREDIT :
- 編集:Bicycle Club 文:タナカ ダン 写真:小野口 健太
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