2024ブエルタ・ア・エスパーニャのコースが正式発表、ポルトガルのリスボンからスタート
Bicycle Club編集部
- 2023年12月21日
12月19日、スペイン・マドリードで2024年のブエルタ・ア・エスパーニャ(以下、ブエルタと省略)のコースプレゼンテーションが行われた。来年のブエルタは、ポルトガルの首都・リスボンをスタートし、マドリードをゴールとする21ステージで開催される。この日のコースプレゼンテーションの様子と、2024年のブエルタのコースへの印象を、スペイン在住の對馬由佳理がさまざまな選手や監督にインタビューした。
最初の3日間は、ポルトガルがレースの舞台に
まず、この日発表された2024年ブエルタ・ア・エスパーニャのコースは以下のとおりである。
日付 | スタート | ゴール | 距離(km) | |
---|---|---|---|---|
8月 | 17日 | リスボン | オエイラス | 12(ITT) |
18日 | カスカイス | オウレム | 191 | |
19日 | ロウサ | カスティーリョ・ブランコ | 182 | |
20日 | プラセンシア | ピコ・ビリュエルカ | 167 | |
21日 | フエンテ・デル・マエストレ | セビリア | 170 | |
22日 | カルフール・ススール・ヘレス | ユンケラ | 181 | |
23日 | アルチドナ | コルドバ | 179 | |
24日 | ウベダ | カソーラ | 159 | |
25日 | モトリル | グラナダ | 178 | |
26日 | 休養日 | ― | ― | |
27日 | ポンテレアス | バイオナ | 160 | |
28日 | キャンパス・テクノロヒコ・コルティソ・パドロン | キャンパス・テクノロヒコ・コルティソ・パドロン | 164 | |
29日 | オーレンセ | エスタシオン・デ・モンターニャ・デ・マンザネーダ | 133 | |
30日 | ルーゴ | プエルト・デ・アンカレス | 171 | |
31日 | ビリャフランカ・デル・ビエルソ | ビリャブリノ | 199 | |
9月 | 1日 | インフィエスト | バルグランデ・パハレス・クイツ・ネグル | 142 |
2日 | 休養日 | ― | ― | |
3日 | ルアンコ | ラゴス・デ・コバドンガ | 181 | |
4日 | モニュメント・ファン・デル・カスティリョ・アルヌエロ | サタンデール | 143 | |
5日 | ヴィトリア | マエツ・パルケ・ナチュラル・イジキ | 175 | |
6日 | ログローニョ | アルト・デ・モンカルビーリョ | 168 | |
7日 | ビリャカヨ | ピコンブランコ | 188 | |
8日 | ディストリクト・テレフォニカ・マドリード | マドリード | 22(ITT) |
ピレネーは少なめ、イベリア半島南と北の山岳が戦いの舞台に
2024年のブエルタは、ポルトガルのリスボンでの個人タイムトライアルから幕を開けることになる。8月のリスボンは気温も湿度も高い。加えてこの街の中心部には石畳の坂道が続く。今年のブエルタの初日のバルセロナでのタイムトライアルと同様に、選手たちは初日から高い緊張感の中でレースをすることになる。
ポルトガルがレースの舞台となるのは、第3ステージまで。ポルトガルステージはすべてリスボンの近郊となる。
スペインに入ると、プロトンは内陸のエクストラマドゥーラ地方を通って、アンダルシア地方へと南下する。スペイン国内に入ると、最初の休養日が来るまでは基本的に内陸の山岳コースが続く。最初の休養日直前の第9ステージは、海辺の街モトリルからグラナダに向かうコース。この日は3つの1級山岳を越える特にハードなステージになる。暑さが体に与える影響も考慮する必要があるこの日はサイバイバルレースとなる可能性が高い。
最初の休養日を迎えたあと、選手たちの戦いの舞台は北東部のガリシア地方へと移動する。第2週はスペイン北部のガリシア地方からカンタブリア地方、そしてバスク地方がが続くとなればやはり山岳コースがメインとなる。通常であれば夏のスペイン北部は涼しいはずだが、近年の傾向を考えると気温は上がると考えた方が良いであろう。第2週は16ステージのラゴデコバドンガの上りゴールが注目されがちだが、注意する必要があるのは翌日の17ステージ。サンタンデールに向かう下り基調のコースは、向かい風が強い地域である。
第20ステージはブルゴス地域にあるピコンブランコの上りゴール。カーブも少なめでひたすら長い上りが続くこの日のコースは、風とハイぺースの2つと選手たちは戦うことになる。
最終ステージは22kmの個人タイムトライアル。基本的に平地で、大きなタイム差が生まれることは考えにくいコースである。
2024年のブエルタはピレネーの上りがほとんどないが、それ以外でも厳しい山岳が多いスペインを改めて知ることができるコースとなっている。
選手・監督の見解は?
来年チームとして2回目のブエルタ出走を目指すケルン・ファルマのホアンホ・オロス監督は、「相変わらずブエルタらしい、厳しいコースとなりましたね。でも、ケルン・ファルマの選手向きのコースかなとも思います。前半は南部、後半は北部とかなりはっきり分かれましたし、休養日の移動距離も長いので、選手の体調管理がうまくできるか否かが鍵となりそうですね。スプリントステージは、最初のポルトガルでの3日間だけと考えておいたほうがいいでしょうね」と語った。
また、同チームのウルコ・ベラーデは「今年こそ地元のバスクのステージで活躍したいと思いますが、前半のポルトガルからアンダルシアのコースを見ると、その計画がうまくいくかどうかと思ってしまいますね。この時期ポルトガルはほんとに暑いし、湿度も高いですから。チームや選手にとっていつも以上に難しい3週間のレースだと思います」と話した。
また、第20ステージのピコンブランコについて、地元となるブルゴスBHのフリオ・イスキエルド監督は「長く厳しい上りが続くコースです。強い風がいつも吹いていますが、おそらくブエルタでは、かなりのハイペースとなることでしょう」と語った。さらに「第1週目は非常に厳しく、暑い中でのレースとなります。その上ステージ間の移動距離が非常に長いので、2週目に入る頃には体調を崩す選手がたくさん現れるかもしれません。チームはそのことも上手にコントロールしないと、マドリードのゴールに選手たちがたどり着けないでしょうね」とも話していた。
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- CREDIT :
- 編集:Bicycleclub テキスト:對馬由佳理
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