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個性的自転車の祭典、ハンドメイドバイシクル展ビルダー突撃訪問編|BC Station#39

国内外ハンドメイドバイシクルビルダー、パーツメーカーが、独創性あふれる自転車やパーツを展示する「2024ハンドメイバイシクル展」が、1月20・21日に開催された。主催:(一財)日本自転車普及協会、自転車文化センター。自転車マニアは、これに行かないと1年が始まらない気持ちなる1月恒例のハンドメイド自転車の祭典だ。

自転車のクリエイターたちにこだわりを聞いた

今回は、バイシクルクラブのポッドキャスト番組BCS(BC STATION)の佐藤シンゴと副編集長ニシヤマが会場で自転車のクリエイターたちに突撃インタビュー! 製作した自転車のこだわりポイントをビルダーが語る貴重なエピソードに。

自転車マニアたちであふれかえる、初日土曜日の会場

Yanagi Cycle/柳サイクル

ビルダー飯泉康一さん

ツーリング車を多く製作、グラベルなど山遊びユーザーにも支持されている。千葉県鎌ケ谷市にあるカスタム自転車工房「柳サイクル」。

こちらは、自転車系アーティストでインスタグラムなどを中心に活動をしているゴーストさんの自転車。オーナーの手書きラフをもとに製作。パーカー処理のみで、クリア塗装した独特な風合い。強度とサス効果を備えたトラストフォークが印象的。

ゴーストさんが作った小物なども販売。ケーブルハンガーのアクセサリー
エピソード#37にも登場したことのある宮田浩介さんのバイク。山岳ツーリングを楽しむ宮田さん、こだわりの詰まったグラベルバイクだ

TOEI/東叡社

ビルダー山田博さん

フランスを源流とした、日本の伝統的ツーリング車の工房「東叡社」。古き良きランドナー&スポルティーフを得意としている。

ローロフの14段内装ハブを搭載したフレーム。ある意味TOEIらしくない革新的スタイル

チューブラータイヤを装着したトラディショナルなスポルティーフ、ヴィンテージパーツをふんだんに使ったアッセンブル。ヴィンテージパーツはフリマなどならデッドストックなども潤沢にあるとか。フォークの曲がりを含めての全体的なバランスがTOEIらしい。ステー断面のメッキなど美しい!

昔ながらのスタイルながらも現行品パーツで組んだランドナー。シルバーとブラックのパーツのアッセンブルもあり。性能的には現行品を使ったほうがブレーキ性能も変速性能もいいので長く乗るならこちら。シール性能も高いので雨の日も安心だ。日本の道を旅するならコレ!

CHERUBIM/今野製作所

チーフビルダー今野真一さん

日本のハンドメイド界、最先端を行く「今野製作所」。最新製作のグラベルバイク。展示車として製作したものだけれど、このイベントの前の展示会で海外のオーナーに売れてしまい、この後すぐ納車とか。50Cは余裕で入るタイヤクリアランス。フルワイヤレスながらクロモリの良さを生かした作り

ついにケルビムもチタンフレームを製作したこで昨年話題になったチタンレーサー。ディスクマウントに関しては、相当な熱意を持って開発しているとか。ディスクマウントでフレームが重くしなやかさが失われる欠点を徹底的に排除した作り。フロント用のマウントを使い、穴は1個で極力パイプをスポイルしない。ケルビムのCの彫刻が誇らしげ。

EQUILIBRIUM CYCLE WORKS/エクイリブリウムサイクルワークス

ラトビア出身のウラジミールス・バラホブスキスさん

チタン製のオールロードを得意とする工房「EQUILIBRIUM CYCLE WORKS」。マッペさんほかシンゴさんの友人にもユーザーが多い品川区大崎の工房。こちらはマッペさんオーダーの白いロードバイク。チタンながらあえてホワイトだが、塗装ではなく、セラミックコーティングで塗装の倍の強度という。塗装よりかなり薄いのでシートポストにコーティングしても径に影響はないという。

ハブダイナモのコードを内装したブルべマシン。これでオーナーはパリ~ブレスト~パリを走破。フォークの中にバッテリーも入っている。

リアエンドには、シンメトリーなリアライト。これはカッコイイ!

SILK/絹自転車製作所

自転車設計&ビルダー、荒井正さん

片倉自転車工業出身で、ジャイアントの設計もしていた経験もある荒井さん。自転車レストアの達人でもありながら、新たなイノベーションも生んでいる。今回、絹自転車製作所で見つけたのは、見たことのないフォールディングバイク、シルクテンション。ダウンチューブがひもなので、あっという間に折りたためる。じつは片倉は、第二次世界大戦中に世界初の小径フォールディングバイクを作った会社とか、そのスピリットを継承している。

BYOB FACTORY TOKYO/ビョブファクトリー東京

BYOB FACTORY TOKYO代表の高井悠さん

誰でも自転車のフレーム作りを体験できる場所、「BYOB(Build Your Own Bikes) Factory」。自分で使うものを自分で作ろうという意味だ。ローカルに自分のための自転車を作れる場を作りたいと新宿区下落合にファクトリーを作った。カーゴバイクなどユーティリティーバイクを作る人が最近は多いそう。

カーゴフォーク、バカンスサイクルズと共同で製作したカスタム用カーゴ付きフォーク。こちらは製品版で7万円となかなかリーズナブル。最近は日本製のほうが安いという時代がもう来ているとも。

BYOBを通じたクリエイターたちの自転車を多数展示。目を引く木の自転車は、北海道の工房ピークスファーベルによるもの。地域で手に入る木材資源を活用した持続可能な自転車製作。2mmの厚さに加工した木を貼り合わせて製作、シートチューブレスだが、乗り心地はけっこうしっかりしているという。

GIRAFFE/ジラフ

ビルダー、高津正明さん

板橋区の自転車店「GIRAFFE」。クロカンをやりたい、下りを楽しみたいなど、乗り方の要望に加え、体格体重に応じたパイプをセレクトしてバイクを製作。マウンテンバイクを中心にグラベル、ロードなども製作。ベンドしたトップチューブが特徴。遠くから見てもジラフとすぐ分かる。トップチューブの曲がりは、衝撃吸収性を意図している。

グラベルバイクでは、トップチューブ、シートステーが楕円の偏平したパイプを使っている。高津さんのこだわりが詰まった一台

VELcletta/自転車工房ベレクレッタ

店主の野村 亘さん

横浜市鶴見区にあるサイクルショップ「自転車工房ベレクレッタ」。ランドナーを電動化したシン・ベルクレッタモデルは、技術者肌の野村さんが自ら開発したeバイク。重量は15㎏ほどで輪行ができるのが特徴。日本車両検査協会(JVIA)で道路交通法基準に適合することを確認し、エビデンスを取得している。なので完成車で販売となっている。電動ユニットは、野村さんが試乗を重ねて日本のツーリングに適するようにチューニング。バッテリー1本で獲得標高1000mのツーリングを楽しめる。ランドナータイプのeバイクは初かも!

5分で輪行準備完了のデモンタブル方式のランドナー、ベルクレッタモデルは特許権を取得している

RAVANELLO/タカムラ製作所

ビルダーの高村精一さんとイラストレーターの大野さん(右)

50周年となるタカムラ製作所の高村さん、現役ビルダーとしては最高齢クラス。完成したのは、イラストレーター大野哲郎さんのグラベルバイク。バイシクルクラブの表紙イラストほかこのイベントのポスターも手掛けている「リンネ」オジサンで有名な大野さんだ。誌面の連載でも完成までの道のりをつづった。イベント前日に届いたというできたてほやほや。

チューブは、コロンバスのエアー。水滴型のエアロパイプがカッコイイ。廃版モデルだったがラバネロのためにコロンバスが再生産。アルミバイクのようなフォルムだ。このロゴは大野さんがデザイン
ラバネロはイタリア語で大根。なぜ大根かというと工房のある練馬の名産だから。こちらも大野さんデザインの50周年マーク、大根があしらわれている
ラバネロロゴの松葉。タイヤクリアランスを出すためにあえてクラシカルな仕様

年間100本というフレームづくりだけではなく、若手選手の育成にも取り組む高村さん。ラバネロはジュニア選手権にも選手を輩出している。年中無休で自転車に夢中な高村さん。80代でもバリバリ現役な姿に圧倒される。やはり日本のハンドメイド界はスゴイなと再認識したハンドメイドバイシクル展でした!

個性的自転車の祭典、ハンドメイバイシクル展ビルダー突撃訪問編|BC Station#39

ポッドキャスト番組「BC STATION」では、今回ハンドメイドバイシクル展の突撃インタビューを収録。下をクリック!!

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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