BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

国内チームが集結! バーチャルで走る福島復興サイクルロードレースシリーズ

2月7日(水)、福島復興サイクルロードレース2024シリーズ戦の前哨戦として、サイクリング・ランニングトレーニングプログラムZwift(ズイフト)によるバーチャルレース企画がスタートした。リアルレースとバーチャルレースの相互企画は自転車の新次元を創造するか? 次世代に向けてスタートしたレース企画の第1戦をレポートする。

Round 1「日本クラブチーム対抗エキシビションレース」

2017年から「ツール・ド・ふくしまシリーズ戦」として年間を通じ、復興が進む福島を舞台に県内各地でダイナミックなレイアウトを誇る公道での自転車ロードレースを開催しており、昨年からは「福島復興サイクルロードレースシリーズ」と名称を変え、今年も1レースの走行総距離が200kmを超えるビッグロードレースを含む全10戦が企画・発表されている。

そんなスポーツサイクルを通じて福島の今を国内外に発信し、広域的な交流人口の拡大と振興を目的としている当シリーズ戦が、2024年の新たな取り組みとしてZwiftを通し、より多くのサイクリストに向けた「リアルレースとバーチャルレースの相互企画」が実施されることとなった。

Zwiftはゲーム形式のサイクリング・ランニングトレーニングプログラムで、グループライドやレース参加を通じて仲間が増えることで、リアルとは一味違う魅力でファンを増やしている。

今回は、そんなバーチャルレースシリーズのこけら落としとして、Zwiftを知り尽くした7つの日本ZwiftチームEMU SPEED CLUB、JETT、Marken-Corp、NICO-OZ、TMR、ZEAL、ZWCが参戦。「日本チーム対抗戦」として記念すべきオープニングイベントが開幕し、全世界にライブ配信されることとなった。

双葉町伝承館ビギナーコースをイメージした距離と獲得標高

Round1となるレースの舞台は、WATOPIAのThe Big RingでチームNICO-OZがプロデュース。
その狙いとして「今回選んだコースは、日頃レースコースとして選ばれることが比較的少ないコースなのですが、大雨災害で中止となってしまった昨年のツール・ド・ふくしまの双葉町伝承館ビギナーコースとほぼ同じレース距離、獲得標高となるレイアウトなのでチョイスしました。メンバーが何度も事前に試走し90分以内に完走可能、そしてリアルレースでのコース制限時間と一致しました。特徴としては、平坦基調ですがたび重なるアップダウン、一方でジャングルの上り区間といった仕掛けどころが何カ所かあり、ロードレースのような展開を期待しています」とコメント。

2月7日午後8時のスタートを前に、7時30分から福島復興サイクルロードレースの紹介ムービーから配信開始。今回の企画立案を進めた福島レースの大会事務局ハシケンさん、普段よりZwiftでトレーニングを重ねていて今レース参加チームの1つZWCの代表でもあるKENTAさん、そして司会進行と実況担当の牛むつみさんが今回のバーチャルレースシリーズを盛り上げた。

140人のライダーがバーチャルコースに集まった

スタート地点には8時前にも関わらず、多くのエントリーライダーが集まっており、YouTubeだけでなくZwiftでもチャットで会話を交わしており、雰囲気は比較的に和やか。事前の申し合わせでチームごとにアバターのジャージをそろえ、そのジャージの見分け方やZwiftレースを観戦するコツなどがKENTAさんから紹介があった。
そして、いよいよ8時から全長約51kmのThe Big Ringコースでのエキシビジョンレースがスタート。今イベントをプロデュースしたチームNICO-OZのN.Necoten選手が約140名集まったレースのニュートラル先導を務めた。

このリード役を務めたN.Necoten選手は「Zwiftはシクロクロスのようなスタートダッシュがあり、とてつもない高強度になります。そのため、せっかく参加してくれた選手たちが開始直後から千切れ、残りの数10kmを寂しく走るという結果にはしたくなかったのでプロデュースチーム会議でパレードランの導入が決まりました」という。
「このスタートスタイルは以前、チームEMUのミートアップや過去に開催したイベントでは、おなじみのスタート方法。チャットでコミュニケーションを取ったり三味線をひいたりしながら、リアルスタート直前には緊張感が最大まで高まる楽しいスタート方式で上手くいったかな?と思いました」という言葉どおりの素晴らしい開幕を演出した。

普段からZwiftを走る日本屈指のZwiftチームの選手たちは、そんな先導で非常にスムーズなこともあり、まるでバーチャルレースとは思えないきれいな集団を形成して進んでいき、あっという間にリアルスタートとなるFuego Flats終点の2.2km地点まで到達。多くの方々がYouTube配信を見守りながら、いよいよレース開始となった。

リアルスタートから熾烈なアタック合戦

スタートの合図がN.Necoten選手からチャットでコールされた直後、TMRのD.Shimi選手を皮切りに、11倍以上の負荷で踏み出し一気にアタック合戦! これにつられて次々と選手たちが動き出しメイン集団内でも負荷が5倍から6倍という状況。体重比となるので、例えば60kgの選手であれば5倍となると60×5=300wという高出力での走行となるのだ。

スタートして約10分ほど経過した7km地点辺りから、Marken-CorpのT.Tatami選手やJFTTのy.tawara選手などが7倍から8倍の負荷で次々と前を引き始め、集団は長く伸ばされて後方が千切れだしてくる。

KENTAさんからは「今、前方に出てきている選手たちは国内のヒルクライムレースを中心にリアルレースでも活躍するメンバー」というコメントが。福島復興サイクルロードレースには、磐梯吾妻スカイラインヒルクライムや、あぶくま洞ヒルクライムなど多くの登坂レースもシリーズ戦に組み込まれているので、今回のレースで活躍する選手たちのリアルレースでの走りも注目になるだろう。

しばらくすると最初の逃げをメイン集団が容認、Marken-CorpのJ.Boy選手、ZWCのD.ito選手とY.kato選手の3名が前を固めだす。しかし即座に集団内からブリッジ要員が出動し、約10km地点で逃げは吸収され集団は1つとなり振り出しに戻る。
しかし、その集団の数は50名ほどに絞られている。そして集団が落ち着いたタイミングで再び次々とアタックが発生し、集団から約2秒から3秒のタイム差を持って走りながら、ブリッジ選手が出て逃げが吸収、再びアタックと忙しい動きとなる。
残り距離を考えると、この積極的な動きは後半のスタミナに影響を及ぼす気がするのだが、ここはZWIFTで鍛えている選手を代表して「普段からZWIFTレースでの高負荷な走りに耐えているので、行けるところまでは、どんどん行ってしまうんですよ」とKENTAさんがサラッとコメントしていた。恐ろしい!!

30分ほど経過し、23km地点辺りで、ZWCのY.kato選手、S.Hashimoto選手、TMRのT.Ishikawa選手、富士ヒルクライム・チャンピオンのEMUのA.Manabe選手の4名が集団から逃げ、それにZWCのT.Takasugi選手とJETTのT.Iwai選手が合流、30名までに絞られた集団からタイム差を最大で40秒までつける。

35km地点では、ZWCのY.kato選手、S.Hashimoto選手、そしてT.Takasugi選手の3名が逃げから前に出てチームメート同士で上手くローテーションを回しながら後続を引き離しにかかる。この動きが決定的となり集団からのタイム差も最大1分まで離し、Marken-CorpのT.Tatami選手とEMUのA.Manabe選手が集団から飛び出して追うが、10秒差までしか詰められない苦しい展開。このままゴールまでZWCの3名で行けるのではないか?と思った。

バーチャルレースならではのアクシデント発生

しかし残り3kmと最終展開に迫ったタイミングで、ネット通信を利用するバーチャルレースならではのアクシデント! なんと逃げ3名からY.kato選手が何らかの理由で通信が途絶え、いわゆる「通信落車」により逃げから惜しくも脱落。ツール・ド・沖縄2023で初出場で市民レース200kmを8位となった実力も通信落車を前にはかなわなかった。

一方で、残る2名は集団に追いつかれることなくゴールスプリントとなり、KENTAさんの予想どおりS.Hashimoto選手が優勝、T.Takasugi選手は2位でゴール。その後の約20名での集団スプリントは前半に積極的な動きを見せていたMarken-CorpのJ.Boy選手が先頭を取り、3位を獲得した。

リアル福島レースでは2021年・あぶくま洞ヒルクライム優勝に続く勝利を獲得をしたS.Hashimoto選手。この後のバーチャルレースシリーズも参加する予定とのことなので、今後の活躍にも注目したい。

優勝したH.Hashimoto選手コメント

「昨日のイベントは国内のさまざまなチームが参加するということでエントリー人数も多く、盛り上がりそうだなと感じていたので、とても楽しみにしていました! レース開始前はアタックして目立ちつつ勝ちを狙っていましたが、始まってみると序盤からハイペースでレースが進んだため逃げができても反応せず、集団の最後尾で動きが大人しくなるのを待っていました。スタートして30分ほどで集団のペースが緩んだと感じたので、勢いをつけてアタックをしたところ5、6人の強いメンバーで逃げ集団を作ることができ、良いペースで後続との差を広げることができました。さらに、その後のジャングル上りでT.Takasugi選手のアタックをきっかけに、チームメート3人の逃げに持ち込めました。

このアタックの動きまでに残っていた選手たちはスプリントも強い選手たちだったので、上手く振るい落とせたのは大きかったし、チームメートの3人の逃げということで協調してローテーションしながら後続とのタイム差を保ったまま進んでいけました。終盤にY.kato選手が通信トラブルでいなくなってしまったので、上位ワンツースリー独占は逃してしまいましたが、逃げ切りを確定していたタイミングだったので助かりました。もしも逃げの前半でいなくなっていたら逃げ切りは不可能だったと思うので……。ゴールは逃げのきっかけを作ったからとT.Takasugi選手に譲ってもらい、優勝を手にできました」

男子TOP10

1位 S.Hashimoto (Team ZWC – Attack) 1:09:18
2位 Tomoaki Takasugi (WEz)World Elite Zwifters 1:09:18
3位 J Boy【MARKEN】1:09:23
4位 Hamaji Yuki(TMR) 1:09:24
5位 D Yamabu [TMR] 1:09:24
6位 Akira Manabe EMU 1:09:24
7位 Taishu Iwai (Eldora(JETT) 1:09:24
8位 yuta tanno [ZWC] 1:09:24
9位 Michinari Takagi[ZWC] 1:09:25
10位 KENJI ITO[ZEAL] 1:09:25

女性陣も大奮闘

なお、今回のレースには女性陣も多く参加しており、女子1位はNICO-OZの. mame選手、2位がS mayumi選手、3位K IHO…選手と上位3名がNICO-OZのチームメートが占める大健闘をみせた。

女子TOP3

1位 . mame[NICO]NICO OZ 1:15:15
2位 S mayumi[NICO]NICO OZ 1:19:24
3位 K IHO…(NICO)NICO OZ 1:22:50

バーチャルレースならではの楽しさを体感してほしい

今回のレース中には、KENTAさんから各参加ZWIFTチームの紹介をしていただいたが、このバーチャルレースシリーズの参加や配信観戦を通じて、日本でのZWIFTチームをさらに増やしたり、ZWIFTチーム加入やZWIFT利用のきっかけにしてほしいと思う。

さらに言えば、リアルレースしか経験していない選手たちには、バーチャルレースならではの楽しさを知ってもらうきっかけにしてほしいし、逆にバーチャルレースしか経験していないライダーたちには、リアルレースの面白さを知ってもらうきっかけになってほしいと考えている。それぞれの良さも今レース配信で今後伝えていきたいと思うので、ぜひとも次回も配信をご覧いただければ幸いである。

バイシクルクラブYouTubeチャンネルではアーカイブ放送も

バイシクルクラブYouTubeチャンネルでは、当日の配信終了後もじっくり楽しめるアーカイブ観戦が用意されている。リアルタイムで見逃してしまった方も、ぜひチェックしてみてほしい。

Round2以降も参加者募集中!

今後開催予定のレースにエントリーをしたい人はズイフトコンパニオンからお申し込みください!

・Round2 NICO-OZ プロデュース オープンレース
→エントリーはこちら

・Round3 JETT プロデュースグループライド①
→エントリーはこちら

・Round4 JETT プロデュースグループライド②
→エントリーはこちら

実際のレース参加方法やイベントレギュレーションなどの詳細は公式サイトをチェックしよう。

詳細はこちら

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load