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イタリア・ベネト州で開催のグラベル世界選手権、編集長がウィリエールで走ってみた 続編

2023年10月にイタリア・ベネト州でグラベル世界選手権が開催された。その年代別カテゴリーに出場したバイシクルクラブ編集長山口が現地の模様をレポート。その後半をお届けする。

イタリア・ベネト州で開催のグラベル世界選手権、編集長がウィリエールで走ってみた

イタリア・ベネト州で開催のグラベル世界選手権、編集長がウィリエールで走ってみた

2024年04月25日

地元のマウンテンバイクを使ったコースレイアウト

イタリアに到着してから、大会本部ピエーヴェ・ディ・ソリーゴにあったウィリエール専門店PUNTO ROSSOのチクロメカニコのルカ店長のサポートを得てトラブルを解決してからコースを試走。「ロードバイクでも走れる」と言われていた2022年のコースは大きく違うことがわかってきた。

地元のマウンテンバイクコースとして使われているところもあり、特にコース後半に現れる最後の下り、さらにコッラーグは上りも下りも20%近くなるため、レースの大きな難関となった。ここは砂利も深く、選手たちが現地入りしてから43Cの太いタイヤを選んでいる理由が理解できた。

「昨年とは全然違うね。このコースのことは現地に来ないとわからないし、日本でももっと知ってほしい」と今回出場した高岡亮寛さんも言っていたが、グラベルレースの世界はいま急激に変化しているのを感じた。

シクロクロス世界選手権にも使われた、熱狂的なスタート地点

レースはトレヴィーソのレ・バンディ湖、2008年のシクロクロスの世界選手権会場にもなったところからスタートとなる。優勝したマテイ・モホリッチ(スロベニア)をはじめ、ワウト・ファンアールト(ベルギー)、フロリアン・フェルミールス(ベルギー) 、ロード選手としては引退したがまだまだ現役で走り続けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)など人気選手が顔をそろえた。このため会場の観客は大興奮だ。

JCF(日本自転車競技連盟)が公募したワイルドカード出場メンバー。左から男子45-49歳カテゴリーに島 純郎さん、高岡亮寛さん、編集部山口博久、男子19-34歳に田渕君幸さん

エリートのスタートから10分後には年代別カテゴリーのスタートとなるが、観客の盛り上がりは最高潮。ちなみにエリートと年代別のコースの違いはスタートループがエリートのほうが5kmほど長いだけ、あとは同じコースを走ることになる。エリートのレースで温められた観客のなかをスタート。これを超える興奮はいままでの長いレース経験でもなかなかないものだった。

前が見えない集団のなか、パンクが続出

レースがスタートすると、川沿いの10cmほどの玉石が転がるグラベルロードを進むことになる。地元多摩川と変わらない光景が広がる。残念ながらここで早々に脚がなく山口は集団から脱落してしまうが、前が見えない集団の中で石を避けれずにパンクする選手が続出。コース沿道にはパンク修理する選手が10名近くみかけられた。

今回山口がタイヤチョイスを38Cにしたのは、前年の情報を元に、上りがきついコースと聞いていたためにできるだけ軽くしたかったからだ。集団から脱落したことで結果的にパンクせずに済んだことはラッキーだったのかもしれない。結果的にこの後につづく上り坂でも軽く走ることができたのはこのタイヤのおかげだ。さらにマクハル処理したことで、よりアドバンテージを得られたことは大きいだろう。ただし、レースで戦うならパンクリスクを考えてさらに太めのチョイスをしたほうがベターだ。レース中にメカニックサポートを得られにくいグラベルレースシーンではしばらくは太くて軽いタイヤがトレンドになることは間違いなさそうだ。

上っても上っても前は見えてこないハードコース

グラベルレースである以上、コースは舗装路を避けて走る。基本は農村を縫うように走るダブルトラックが基本的なルートだが、なかには湖の周りのキャンプ場や公園、なかには個人宅の裏庭を抜けて走るようなルートもあり変化に富んでいる。交通規制が少なくて済むのも今後のロードレースの未来を考えると新たな試みなのかもしれない。じつはイタリアでもロードレースのために大規模な交通規制をするのは難しいというのがここ数年の議論となっているからだ。

今回のレースの舞台、ベネト州はプロセッコでも有名なところ。今回プロセッコ通りと呼ばれるブドウ畑を走った。なかでも最大のハイライトはカデル・ポッジョ。ジロ・デ・イタリアでも登場する名坂で、プロセッコの原産地としても有名だ。メイン集団から大きく遅れて走っていると「ジャポーネか、プロセッコ飲んで行けよ」と誘われてしまった。「プロセッコは飲めないけど、記念撮影なら」ということでスマホを渡して、記念撮影してもらった。

ベネト州で走るとわかるレーシンググラベルバイクが多い理由

今回、男子マスターズの49歳以下のカテゴリーでは163km、標高差1,870mを走ることになったが、トップ選手でも5時間に及ぶことから、ツール・ド・おきなわ210kmに相当する運動量となった。高低差を考えるとそれ以上かもしれない。

走っても走ってもなかなか距離は縮まらず、ようやく1周目のループを走り終え、フィニッシュ地点のピエーヴェ・ディ・ソリーゴにたどり着くとエリート選手を待つ観客が待っていた。ここで山口のレースは終わったが、その余韻に浸る間もなく十数分後にはエリートの先頭、モホリッチがやってきた。なんという速さだ。

ウィリエール・レイブSLRはレーシンググラベルバイクだが、オフロードでの快適性はもちろんだが、舗装路でも高い速度域で走ることができるのが最大の特徴だ。こうした思想はオンロードをベースにしながらも、ブドウ畑の抜け道や畑の合間を縫ってライドするにはベストチョイスといえるからだ。これはウィリエールに限らずベネト州に拠点を持つブランドに見られる共通項だ。

レイブSLの試乗レビューはこちら
ハイエンドの性能を踏襲したグラベルレーサー「レイブSL」|WILIER TRIESTINA

ハイエンドの性能を踏襲したグラベルレーサー「レイブSL」|WILIER TRIESTINA

2024年02月27日

トップ選手と同じコースを走れる興奮

アンバウンドグラベル、そして今回の世界選手権と2つの2大大会を走って感じたいのは、トップ選手からアマチュアまで同じ土俵で走れることだ。ただ、世界選手権はよりコンペティティブなので、完走目的のレースではない点は違う。ただ、イタリアでも完走を目的としたグラベル版のグランフォンドも多く開催されており、機会があれば今後もチャレンジしたい。

 

WILIER TRIESTINA公式サイト
年代別カテゴリーのコースは2008年のシクロクロスの世界選手権会場にもなったレ・バンディ湖からスタート。そしてピエーヴェ・ディ・ソリーゴへ向かい、ここから右の周回、左の周回をへてピエーヴェ・ディ・ソリーゴのフィニッシュまでの163km

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PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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