わたらせクリテリウム第1戦でポイントリーダー西沢が優勝!リードを広げる|QNリーグ
Bicycle Club編集部
- 2024年06月11日
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5月25日(土)、栃木県栃木市藤岡町の藤岡渡良瀬運動公園内わたらせサイクルパークにおいて「わたらせクリテリウム第1戦」が開催され、リーグのシリーズ第2戦が行われた。主催者からのレースレポートを紹介する。
宇都宮ブリッツェン主催のシリーズ戦
今シーズン初開催となるこの大会、は2年前から宇都宮ブリッツェン主催でシリーズ開催がスタート。わたらせサイクルパークの完全クローズされた1周回=約1.1kmのコースを走るクリテリウムレースだ。事前に応援メッセージを走行コース上に書くことができたり、QNリーグ主催のスクール企画「スキルアップ!ロ ードレーススクール」など、さまざまなイベントも実施された。 朝から穏やかな天候に恵まれた会場では出店ブースも賑わい、ゲストには宇都宮ブリッツェンから本多晴飛、ヴェロリアン松山からは阿部嵩之とプロ選手の登場もあり各クラスともレースが盛り上がった。
スキルアップ!ロードレーススクールの開講
午前9時30分から開始となったレースと並行するかたちで、周回コースの内側を利用してQNリーグ主催の「スキルアップ!ロードレーススクール」を開講。今回は特別版として、女子と中学生以下のジュニアのみが参加できる設定でスクールを実施した。
まずは自転車に乗る準備が完了してからでもできる準備運動と、ヘルメットの位置合わせや自転車のブレーキなど走行前チェックの手順を指導。その後は事前に受けた「教えて欲しい事アンケート」に応える形で、Uターンを交えた走行でコーナリングを指導。特にブレーキだけでなくペダリングでもスピードを調整するコツを覚えてもらった。 さらにロードレースならではの2列走行もUターンをおこないながら、集団走行で注意したいポイントを実感してもらい、スムーズなスラローム走行のコツやレースで重要なスタートのコツも指導した。
この後は乗車中におけるペダル加重、および体重を自転車の上で前後・左右に移動させる感覚を覚えて体験したり、休憩後にはスクール名物にもなっている「ボトル渡し」のコツを指導しながら、補給する側とされる側の2組に分かれてスムーズに渡せるように反復練習。そのなかで暑くなる季節に向けての補給のポイントも伝授。最後にレース中の機材トラブルでの対処実技として、メカニック役と選手役に分かれてホイールを交換した後に選手をサポートして送り出す手順を覚えてもらった。
国内のハイレベルなロードレースになれば、補給などのチームサポートのために「アテンダント資格」が必要となる。補給やメカニック対応の練習は、これからアテンダント資格取得やサポートスタッフを目指す人に向けて、どのようなサポートが必要かをリアルに学べる良い機会になるだけでなく、選手がレース本番でサポートをスムーズに受けられるコツも学べると考えている。
今回もスクールは休憩を挟みながら約2時間で実施。今後も春から夏ぐらいの時期にかけてはロードレースに関するスクールを実施し、秋から冬にかけてはシクロクロスに関するスクールを企画し、継続的に事前リクエストに応じながら細かい対応の出来るスクールを続けていく。
さて、レースは男子の各カテゴリーで宇都宮ブリッツェンのゲストライダーが先頭を残り1周回まで、事前指定した時速(km/h)に達しないようコントロールしたなかでのレーススタートとなる。これはクリテリウム経験が少なくレースにちょっと自信がない人もチャレンジしやすい「クリテリウム MAX25」「クリテリウム MAX35」など、わたらせクリテリウムならではのクラスで午前中に開催された。
見方を変えての評価
今回の大会では、女子の独立したクラスは撤廃され、全てのクラスにおいて女子選手がエントリーできる方式に変更され、女子だけの表彰が設定されなかった。だが見方を変えれば、今大会は関東各地からのアクセスも容易で、平坦コースのクリテリウムレースであり、JBCFなどへのステップアップを考える女子選手には絶好の腕試しにもなるし、午前の弊リーグ・スクール受講と組み合わせればレース挑戦の予習も可能だ。
また、スポーツとビギナーのAは男子クラス、スポーツとビギナーのBはAでエントリーする「男子以外」となる、女子と男子マスターズとしてはどうだろうか?これならば現在、社会的な課題となっているジェンダーフリー選手も「男子以外」としてBでエントリーもできる。このようにぜひとも、再度の女子クラス設定を考慮いただきたいし、高校生以上女子の「Qリーグ」を運営する弊事務局としては、今後もわたらせクリテリウムのさらなる認知とともに、女子選手参戦の増加をバックアップしたい。今回は、女子クラスの設定が無くなったため、急遽Qリーグのみ対象レースから除外することとした。
熱戦となったレース
午後からは気温が上がって少し汗ばむ中、いよいよNリーグの中学生男子(N)と女子(NW)対象のエスポワール各レースがスタートした。こちらは各クラスが、Cは小学4・5年生の男女、Bは小学 6年生と中学1年、Aが中学2・3年生と細かく分かれており、Nリーグでは中学1年生が対象の「エスポワールB」、そして中学2・3年生が対象の「エスポワールA」の2つに分かれるため、それぞれのレース完走者にリーグポイントを付与することにしている。これにより、わたらせクリテリウムでは、特に中学1年のNリーグ登録選手にとって大量ポイント獲得のチャンスとなるのだ。
そんなチャンスとなるエスポワールBは午後2時にスタート。エントリーは12名でニュートラル1周回から、いったんスタート位置に停止してからレース周回に入るのは、他のクラスと同じわたらせクリテリウムならではの措置。これにより選手たちには一層、良い緊張感が走る。
6周回のレース、冒頭からNリーグ登録の⻘木絆星(ブラウ・ブリッツェン U15)と茂木陽向(#1-PRIMERA-)の2名が他の選手達から先行し飛び出す。その勢いからか、後続の集団は1周回を終えてコントロールラインに戻るまでに崩壊。しかし、後続もそのままでは先行する2名を追えないと判断したようで、齋藤荘太や笹澤大希(群馬グリフィン)、大関麟太郎(スペースゼロポイント)が集団を形成し追走を開始。先行し逃げ続ける⻘木と茂木の 2 名まで 15秒差まで詰めたが、残り1周回では逆に差が広がってしまい、後続3名から齋藤が先行に対して単独でブリッジをかける状況に。
一方で、先行し逃げ続けた⻘木と茂木は、ほぼ茂木が先頭に立って周回を重ねており、茂木によると「1人で逃げを決めたかった」という。結局、2名のままゴールスプリントへ。なんとかゴールを差し切りたかった⻘木を茂木が⼒で捻じ伏せて勝利を手に入れた。「(今回は)逃げを決められず悔しかったので、次は逃げを決めて勝ちを取りたい!」と、既に次のレースに向けての目標を茂木は語ってくれた。
続いてのスタートとなるのがエスポワールA。エントリー14名で、こちらも阿部嵩之による先導でニュートラル1周を終えてからレース開始となった。8周回のレース、冒頭で動いたのは山口⻁太郎(COW GUMMA)を先頭にした8名が先頭集団を形成。 この集団には、現ポイントリーダーの⻄澤崇介(AVG0)、渡邉公太(ブリッジ U15)、柬理日楠詩(TeamFITTE)、高橋祐樹(LINKVISION GIRASOLE CYCLING)、池田⻯雅(Team 一匹狼)のNリーグ登録選手も乗っている。8名でローテーションをしながらグングンとスピードを上げていき、後続とのタイム差が10 秒ほどまで開く。
4周回目に入ったところでLINKVISION高橋が単独でアタック! これに集団が反応し、入れ替わるように今度はFITTE柬理が先頭に出る。この揺さぶりで次周回で再び先頭集団がまとまったものの、7名に減り、さらに集団は6名となる。残り1周回では、ここから4名が抜け出すも決定打とならずゴールスプリントへ向かう最後の直線では6名に。この直線で上手く抜け出したのが⻄澤! 見事に最後まで襲い掛かるNリーグのライバル5名を振り切って開幕戦に続く連勝をつかんだ。
ゴール直後「何としても、このリーダージャージを守りたかった」とバトルマリンジャージを防衛できた安堵の表情を見せた⻄澤に、ゲストでレース先導をした阿部嵩之は「脚を使って逃げたり、積極的に動いたうえでゴールを勝ち取ったのは素晴らしい!」と高く評価していた。
さらにポイントリーダー授与式では⻄澤に、今レースでは1位から5位がNリーグ登録選手で占めるという結果に関して問うと「それだけ厳しいレースだったけど、頑張れました」と笑顔でコメント。副賞プレゼンターとして登壇いただいた阿部からはNリーグについて「このように何か明確な目標があるというのは、目的が具現化するので素晴らしいと思います。この先もずっとポイントリーダージャージを守ってほしい」とコメント。
続いて今日の⻄澤の走りについては「一目見て、これもしかしてジャージを守りたい!というレース運びをするのかな?とスグに判りましたので、今後はそれを覚られないようなレースをするか、俺はジャージを完璧に守るからね!という⼒強い意思表示をしながら、他の選手たちにプレッシャーをかけるような走りをして欲しいと思います」とエールを送ってくれた。更に逃げのスペシャリストとして阿部からアドバイスをお願いしたところ「このジャージを防衛するのと逃げは、ちょっと違うのですが(笑)ジャージを守るなら守る、逃げるなら逃げるというのを、ちゃんと分けてレースをして欲しい」とクレバーな動きをアドバイスしてくれた。
結果、エスポワールAもBも上位をNリーグが独占する、非常に良い形で第2戦を終えることが出来た。最後の記念撮影では、2021-2022シーズンのNリーグ年間総合ポイントリーダーに輝いた水上 央渉(ブラウ・ブリッツェン)も交えて、エスポワールAで入賞したNリーグの後輩達と写真に納まってくれた。今期で5シーズン目となるリーグには、このように頼もしい後輩達も続いている。今後も多くの中学生や女子達の目標になるような選手が育つように、活躍の場を広げられる活動をおこなっていきたいと改めて強く思った。
今大会の年間総合ポイントリーダー授与式では、Bioracer様より「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージのご提供いただきました。また、Qリーグは株式会社 隼様より「アスリチューンQリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社様より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社様より「EXLUB Nリーグ中学生女子NWポイントリーダー賞」を、それぞれ賞品ご提供いただきました。
厚く御礼申し上げます。
第2戦終了時のランキング
アスリチューン賞Qリーグ(高校生以上女子)
ポイントリーダー:岡本彩那(ブラウ・ブリッツエン)・28p
ランキング2位:佐藤直美(Yahoo! JAPAN Cycle Racing team)・20p
ランキング3位:小田恵利花(ラバネロ)・12p
RxL賞Nリーグ・N(中学生男子)
ポイントリーダー:⻄澤崇介(AVG0)・56p
ランキング2位:茂木陽向(#1-PRIMERA-)・36p
ランキング3位:渡邉公太(ブラウ・ブリッツェン U15)・32p
EXLUB 賞Nリーグ・NW(中学生女子)
ポイントリーダー:岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツェン U15)・3p
ランキング2位:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・0p
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