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開発担当者と本場を知るレーサーに聞く「GRXにDi2は必要か?」|part.1

昨年、ついに12速化した二代目のGRX。当初は機械式変速のみだったが、先日ワイヤレス方式のDi2仕様が追加された。グラベルロードにおいて、変速システムを電動にする必要はどこにあるのか。新型GRXの開発を担当したシマノの原田孝雄さんに話を聞き、さらに本場アメリカでグラベルカルチャーにどっぷり浸かっている中村龍太郎さんに新型GRXのDi2仕様、RX825シリーズの試乗印象を語ってもらった。

簡単なGRX史と新型の詳細

同じドロップハンドル用コンポとはいえ、ピュアロード用とグラベルロード用では想定しなければならない状況が大きく異なる。ギヤ比の最適化やフロントシングルのラインナップ追加はもちろん、ブラケットのグリップ強化やリアディレーラーのチェーン暴れ抑制機構など、グラベル用コンポには悪路走行を見据えた機能を追加する必要がある。

シマノのグラベル用コンポの始祖は2018年に登場したリアディレーラー、アルテグラRX(当時のRD-8000をベースにチェーンスタビライザー機能を追加したRD-RX800/RD-RX805)だが、翌2019年にはシマノ初となるグラベルロード用コンポ、初代GRXがデビューする。

アルテグラに相当するRX800シリーズ(11速)、105相当のRX600シリーズ(11速)、ティアグラと同等のRX400(10速)の3シリーズがラインナップされ、RX800にはDi2仕様(RX815シリーズ)も用意されていた。また、11速グレードにはフロントシングル仕様もあった。

2021年にデュラエースがワイヤレス方式のDi2として12速化し、それが105グレードまで降りてきたことで、当然GRXの12速化も期待されていたが、初代GRXのデビューから4年、ついにそれが実現する。

2023年9月、GRXは12速となった第2世代へと進化した。ただし、このとき12速化したのは機械式変速のRX820シリーズ(アルテグラグレード)とRX610シリーズ(105グレード)のみだった。

今年、そんな新型GRXにDi2仕様の「RX825シリーズ」が追加、デュアルコントロールレバー、フロントディレーラー、リアディレーラーの3製品が加わった。なお、今回発表されたのは2×12速仕様のみとなる。

本題にいく前に、写真とキャプションでRX825シリーズの各パーツの詳細を説明する。デュアルコントロールレバー(ST-RX825、ペア9万3,474円)は悪路走行に最適化された新設計に
ブラケットにはリブ状のテクスチャー、ブレーキレバーには滑り止め加工が施され、振動が激しいライドでも安定した操作を可能とする。現行のデュラエース~105と同様に、レバー部分はワイヤレスで、前後ディレーラーがバッテリーと接続されるというワイヤレス方式を採用
グラベルシーンで多用されるフレアハンドルに最適化されており、前から見てレバーが斜めの状態でも、手の平に負担がかからないようなデザインとなった
前モデルであるRX815シリーズと同様に、ブラケット先端の内側に3つめのDi2スイッチとなるフードボタンを配置。変速スイッチとしてはもちろん、サイクルコンピューターの画面スクロールなどの操作にも使用できる。レバーの電源はボタン電池(CR1632)で、寿命は3.5~4年。オプションとしてDi2サテライトスイッチも用意され、変速はもちろん、ライトやサイクルコンピューターの操作を割り当てることが可能となる
  • SPEC
    2×12スピード
    ワイヤレスDi2接続
    油圧ディスクブレーキ対応
    グラベルライドに特化したレバーとブラケット形状
    3つのシフトスイッチはE-TUBE PROJECT Cyclistアプリでカスタマイズ可能
    ボタン電池使用(CR1632×2、交換時期3.5~4年)
    重量:415g(ペア)

 

リアディレーラー(RD-RX825、4万8,601円)はスタビライザー機構(SHIMANO SHADOW RD+テクノロジー)を搭載。チェーンテンションを高めて荒れた路面でのチェーン落ちを低減、静かでスムーズな変速を実現する
スタビライザーはスイッチでオン/オフに切り替え可能。オフロードを走るときにオンにすることで、チェーンテンションが高まり、チェーンのバタつきを抑え、正確な変速が可能となり、チェーン落ちも抑制する。このリアディレーラーには充電ポートとファンクションボタンも搭載。バッテリー残量の確認や、シフトレバー・サイクルコンピューター・E-TUBE PROJECT Cyclistとの接続、調整モードへの切り替え等も操作可能
対応するスプロケットは11-34Tと11-36Tの2種類
  • SPEC
    12スピード
    SHIMANO SHADOWRD+ チェーンスタビライザー
    ワイヤレス通信に対応
    充電ポート付き
    最大フロントギヤ歯数差:17T
    トータルキャパシティ:40T
    対応トップスプロケット:11T
    対応ロースプロケット(最小/最大):34T/36T
    重量:310g
ロード用に比べ、+2.5mmのチェーンラインを採用しタイヤクリアランスを確保したフロントディレーラー(FD-RX825、2万4,736円)。幅が広いタイヤの使用が可能になり、高い泥抜け性能も有する。フロント変速には、新機能となる「FRONT SHIFT NEXT」が加えられたこともトピックだ。これは、これまでシフトアップとシフトダウンを別々のボタンで操作していたフロント変速を1つのボタンで実行できる機能で、シンプルで直感的なシフト操作を実現する
操作方法の自由度が上がることも「FRONT SHIFT NEXT」のメリット。シフトアップもシフトダウンも1つのボタンで行えるようになるため、これまでフロント変速に使用していたボタンの1つを、サイクルコンピューターの操作やライトのオン/オフといったアクセサリーの操作に設定することができる。これにより、レバーから手を離すことなく安全な操作が可能となる。レバーから手を離しにくいグラベルライドでは大きな利点となるだろう
  • SPEC
    2×12スピード
    チェーンライン:47mm(ロード用FD比+2.5mm)
    対応アウターギヤ:48T
    キャパシティ:17T
    重量:142g
ギヤ比の選択肢は、チェーンリングが48-31T(FC-RX820)、スプロケットは11-34T(R9200系デュラエース、R8100系アルテグラ、R7100系105)と11-36T (HG710)の2種類。計4種類の組み合わせが可能で、さまざまな地形に対応する

▼製品の詳細はこちらの記事をチェック!

シマノ公式サイト

 


▼この記事の続き「part.2」はこちらから(6月27日 12:00公開)

開発担当者と本場を知るレーサーに聞く「GRXにDi2は必要か?」|part.2

開発担当者と本場を知るレーサーに聞く「GRXにDi2は必要か?」|part.2

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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