鹿屋体大・中西、中大・伊藤が個人2冠達成|全日本学生選手権トラック自転車競技大会
Bicycle Club編集部
- 2024年07月09日
7月6日から7日の2日間にかけて、千葉県千葉市のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)にて第64回全日本学生選手権トラック自転車競技大会が開催された。熱戦の模様を振り返る。
全日本学生選手権トラック自転車競技大会について
7月6日から7日の2日間にかけて、千葉県千葉市のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)にて第64回全日本学生選手権トラック自転車競技大会(以下、個人トラック)が開催された。
同会場では昨年8月に文部科学大臣杯第78回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(以下、インカレ)が開催されており、今年8月にもインカレが開催予定となっている。例年インカレ1ー2ヶ月前に開催されることが多い個人トラックはインカレの前哨戦と位置づけされ、特に今年は開催地がインカレと同じということで、各選手たちがどのような走りを見せるのか注目された。
個人トラックとインカレの大きな違いは参加資格と開催種目にある。インカレは「大学対抗選手権」と大会名に入っている通り、種目ごとに各校でエントリー可能な人数が決まっている。一方で個人トラックは通称名が表す通り各選手個人の参加資格によってエントリーすることが可能となっており、各校ごとに種目別でエントリー可能な人数の制限はない。エントリーの仕組みがインカレと個人トラックは異なっているため一概に比較はできないが、種目によってはその年のインカレよりもハイレベルなレースが展開されることがある。
また、こちらも通称名の通り個人トラックは個人種目のみ開催となっており、チームスプリントやチーム・パーシュート(団体追い抜き)は開催されないことも特徴となっている。
大会初日、明治大学と中央大学がそれぞれ2種目を制覇
大会初日は女子ポイントレース、男女インディヴィデュアル・パーシュート、男女およびタンデムスプリントの決勝や、男子スクラッチおよびポイントレースの予選を開催。
女子ポイントレースではトラック中距離の強化指定選手に選ばれている水谷彩奈(日本体育大学)や渡部春雅(明治大学)が積極的にレースを展開し、フィニッシュ含めて6回中4回のポイント周回をトップで通過した水谷が優勝を果たした。
男子4kmインディヴィデュアル・パーシュートでは、昨年のインカレで同種目2位に入っている伊藤恭(中央大学)がインカレで記録したタイムを上回る4分20秒960で優勝。
女子3kmインディヴィデュアル・パーシュートでは、昨年のインカレで同種目を制している渡部がこちらも昨年のインカレで記録したタイムを上回る3分46秒662で優勝。
男子タンデムスプリント決勝では、昨年インカレ3位で予選タイムトップを記録した明治大学(吉田唯斗/本田音輝)と予選2位の日本体育大学(清水敦希/小川純平)の対戦となり、ストレートで明治大学が優勝を決めた。
女子スプリント決勝では、昨年インカレ2位で予選タイムトップを記録した中西美央(鹿屋体育大学)と同インカレ3位で予選3位の大野風貴芽(日本体育大学)の対戦となり、こちらもストレートで中西が優勝を決めた。
男子スプリント決勝では、昨年インカレスプリント4位で予選タイム2位の井出晃太郎(中央大学)と、昨年インカレ1kmTT3位で予選タイムトップの吉川敬介(日本大学)の対戦となり、こちらもストレートで井出が優勝を決めた。
大会2日目、中西美央と伊藤恭がそれぞれ個人2冠を達成
大会2日目は女子500mタイムトライアル、男子1kmタイムトライアル、男子スクラッチ、男子ポイントレース、男女マディソン、男子ケイリンの決勝を開催。
女子500mタイムトライアルでは昨年インカレで同種目優勝を果たしている中西が36秒658のタイムで優勝。スプリントに続き2冠を達成した。
男子1kmタイムトライアルでは昨年インターハイで同種目優勝を果たしている山下翔太郎(日本大学)が今大会唯一の3秒台となる1分3秒580のタイムで優勝。
男子スクラッチでは前日に開催された予選で積極的なレースを見せていた明治大学勢がレースを終始リードする展開に。
途中トラブルでニュートラルとなる場面もあったが、最終盤に先頭3名を明治大学勢が固め、最後は小泉響貴、鈴木澪、片岡遼真の明治大学勢が1-2-3フィニッシュを決める圧勝っぷりを見せた。
男子ポイントレースでは上位勢が何度もラップする非常に積極的なレース展開となり、矢萩悠也(京都産業大学)がフィニッシュで梅澤幹太(鹿屋体育大学)を逆転し、昨年の男子マディソンに続き、2年連続で学生選手権のタイトルを獲得した。
女子マディソンではレース後半にかけて1着を連続で獲得した鹿屋体育大学A(岩元美佳/淵稟碧)が逆転で優勝を決めた。
男子マディソンでは前半から積極的にレースを動かした中央大学A(伊藤恭/山下虎ノ亮)と、全体的にしっかりとポイントを獲得した明治大学A(片岡遼真/小泉響貴)が同ポイントで並んだ状態となり最後はフィニッシュを残すのみに。フィニッシュ前最後のタイミングで明治大学Aが交代できなかった一方、中央大学Aはしっかりと後退することに成功し、中央大学Aが1着でフィニッシュ、見事優勝飾った。中央大学Aの伊藤は前日男子インディヴィデュアル・パーシュートに続き、今大会2冠を達成した。
男子ケイリンでは1/2決勝でも残り2周での先行逃げ切りを決めた田村一暉(京都産業大学)が、残り2周での先行を行い見事に逃げ切った。
リザルト
女子ポイントレース
- 1位:水谷彩奈(日本体育大学) 48点
- 2位:渡部春雅(明治大学) 39点
- 3位:大蔵こころ(早稲田大学) 30点
男子4kmインディヴィデュアル・パーシュート
- 1位:伊藤 恭(中央大学) 4分20秒960
- 2位:大仲凜功(早稲田大学)4分29秒726
- 3位:三宅太生(中央大学) 4分31秒725
女子3kmインディヴィデュアル・パーシュート
- 1位:渡部春雅(明治大学) 3分46秒662
- 2位:水谷彩奈(日本体育大学) 3分48秒286
- 3位:岩元美佳(鹿屋体育大学) 3分57秒467
男子タンデムスプリント
- 1位:明治大学(吉田唯斗/本田音輝)
- 2位:日本体育大学(清水敦希/小川純平)
- 3位:日本大学A(鶴見健二/小林岳央)
女子スプリント
- 1位:中西美央(鹿屋体育大学)
- 2位:大野風貴芽(日本体育大学)
- 3位:松下彩也香(八戸学院大学)
男子スプリント
- 1位:井出晃太郎(中央大学)
- 2位:吉川敬介(日本大学)
- 3位:伊藤京介(日本大学)
女子500mタイムトライアル
- 1位:中西美央(鹿屋体育大学) 36秒658
- 2位:沢登香里(順天堂大学) 36秒980
- 3位:大野風貴芽(日本体育大学) 37秒590
男子1kmタイムトライアル
- 1位:山下翔太郎(日本大学) 1分3秒580
- 2位:福地 晶(法政大学) 1分4秒494
- 3位:池田倫之(順天堂大学) 1分4秒599
男子スクラッチ
- 1位:小泉響貴(明治大学)18分25秒
- 2位:鈴木 澪(明治大学)
- 3位:片岡遼真(明治大学)
男子ポイントレース
- 1位:矢萩悠也(京都産業大学) 82点
- 2位:梅澤幹太(鹿屋体育大学) 76点
- 3位:世古眞太郎(朝日大学) 63点
女子マディソン
- 1位:鹿屋体育大学A(岩元美佳/淵 稟碧) 25点
- 2位:法政大学(濱口夕海/相見涼花) 18点
- 3位:順天堂大学(田中杏奈/新沼杏菜) 16点
男子マディソン
- 1位:中央大学A(伊藤 恭/山下虎ノ亮) 31点
- 2位:明治大学A(片岡遼真/小泉響貴) 21点
- 3位:鹿屋体育大学A(梅澤幹太/並江優作) 14点
男子ケイリン
- 1位:田村一暉(京都産業大学)
- 2位:髙佐龍太郎(日本大学)
- 3位:細川拓真(朝日大学)
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集◎バイシクルクラブ編集部 文と写真◎三井至
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