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キャニオン・新型エアロードデビュー 地味だが重要な変化|CANYON

キャニオンからすでにツール・ド・フランスでも活躍していることで注目を集めていたエアロードの公式情報が公開された。ここではそのポイントを自転車ジャーナリストの安井行生さんがお伝えする。

間違い探し?

ロードバイクの完成度が全体的に上がったとはいえ、先鋭の世界で闘うレーシングバイクのトップランカーを挙げよと言われれば、候補が数台に絞られる。キャニオンのエアロロードは間違いなくその一台だろう。

世界選やワールドツアーという異次元の世界での活躍は枚挙に暇がないが、完全独自構造のハンドル&フォークという強烈な個性や、アマチュアレベルでも感取できる速さ、上りも不得意としない万能性など、機材としての見どころも多く、現代エアロロードを語るうえでは欠かせない一台である。

今年、そんなエアロードがフルモデルチェンジする。しかしこの新型、旧型と非常によく似ており、一目では違いを言い当てられない。発表の場となったキャニオン東京テストセンターには、プレゼンが始まる前にすでに新型が展示されていたのだが、最初は新型だと気付かなかったくらいだ。

開発のポイントは以下の4つだという。

  • 未だにプロトン内でトップクラスの性能を持つ旧型をさらに進化させる
  • エアロロードはあくまでプロのための機材なので、選手やメカニックのフィードバックを徹底的に反映させる
  • 石畳や悪天候のレースでも壊れずに安定して性能を発揮する堅牢性を加える
  • 独メディア「ツアーマガジン」の影響力が大きいため、彼らの風洞実験条件下で1位を獲れるような空力設計を与える

フレームの形状に飛躍的な進化はないが、もちろん完全新設計。空力性能をさらに向上させるため、フォークは前後に長くなり、ヘッドチューブ、ダウンチューブ、シートチューブはわずかに細くなった。それによる剛性低下を補うため、トップチューブはやや太くなっているという。また、トップチューブ・シートチューブ・BBエリアの強度を向上させ、落車による破損の可能性を下げた。フレーム重量は960g(ステルスカラー、Mサイズ)と、前作比で30~40g軽くなっている。

完成車のホイールは50mmハイトに

また、レーシングロードバイクのメインストリームが万能モデルからエアロロードへと移行したことを受け(実際、キャニオンが機材供給を行うチームはほぼ全てのレースでエアロードを使用している)、かつての平坦専用機という位置づけではなくなり、万能性も求められるようになった。よって完成車にアッセンブルされるホイールはリムハイトが下げられた(62mm→50mm)。

62mmハイトのホイールを履いた前作と、50mmハイトとなった新型で比較すると、風洞実験では旧型比で1.6W(45km/h時)向上しているという。

レースもしくはレースに準じた使い方をするユーザーを想定しているため、フレームは電動コンポ専用設計となる。以下、ディティールカットにてフレームの詳細を見ていく。

ディティール

スルーアクスルのネジ山側がふさがれ、反対側もフレームと面一に。見た目がよくなると同時に空力性能向上にも寄与する。まさにチリツモ。カッコよく言えばマージナルゲイン。さらに前輪を外したとき、地面と当たって傷がつかないように、フォーク先端にゴムの保護が付く。

パリ~ルーベや雨天でのレースでは、ヘッドベアリングとフレームの間に砂などが入ってフレームやパーツを摩耗させてしまう。新型エアロードでは、フォークの下玉押し部分にチタンのプレートを埋め込んで耐摩耗性を向上させた。さらにフレーム側には厳重なシールを装着し、ゴミの侵入を防ぐ。上側ヘッドパーツにもしっかりとしたシールを追加した。これによって高圧洗浄をしてもワンシーズンはもつとのこと。CFRグレードはヘッドパーツのベアリングボールがセラミックになる。

ハンガー部分はデュラエースのパワーメーター用のマグネットに合わせて成形してあり、デュラエース完成車では内側からマグネットが貼ってから出荷される。洗車を繰り返しても剥がれる心配がなくなる。

整備性を向上させるため、フレームに使われているボルトはT25に統一。しかも、フレームに付属するスルーアクスル用レバーの先端にT25のビットが付いている。

フロントディレーラー台座はリプレイサブルになりフロントシングルにも対応。

リヤディレーラーハンガーはダイレクトマウント。

専用シートポストのヤグラの構造も変更され、サドル角度と前後位置がそれぞれ個別に調整できるように改良された。

タイヤクリアランスは旧型の30Cから32Cへ拡張。シート集合部の形状も変更されているが、これは製造時にプリプレグの積層が無理なくできるよう意図されたもの。

シャフトとエンドとの接触部分の面積を拡大し、迅速なホイール交換作業を可能とした。

左が旧型、右が新型のシートクランプ。形状は共有だが、細かく肉抜きをして10~15gの軽量化。

生まれ変わった独自ハンドル

フレームの変化はやや控えめな新型エアロードだが、最大のトピックはハンドルである。

エアロードは、前作から「CP0018 エアロコクピット」というキャニオン独自のステム一体型ハンドルを採用している。ハンドルがトップ部分で分割でき3段階で幅の調整が可能なうえ、ハンドルのトップ&ステム&コラム上部が一体となっており、ヘッドチューブ内部でフォークと接続する。ステムとハンドルだけでなく、フォークまで完全専用となった超個性的なハンドルである。

利点は、ハンドルを交換せずとも幅の調整ができること、コンパクトに梱包でき配送しやすいこと。欠点は互換性が皆無なこと、ポジションに制限があることなどだ。

新型エアロードに採用される新設計のハンドルセット「PACE(ペース)バー」は、基本的な構造は「CP0018」と同じだが、ドロップ部のみブレーキホースが外装となり、ドロップ部の交換が可能になった。これに伴い、従来のクラシックドロップに加え、エアロドロップというフレア状のドロップを新たに発売。目的や好みによって使い分けることが可能となった。

クラシックは370-395-420mmの3段階で幅を調整可能。ドロップは大きく、スプリントのような瞬間的に大パワーを出す状況に適する。エアロドロップは350-375-400mmと狭く、ドロップも浅い。フレアは18度で、一人逃げなどのようなシーンを想定したものだという。

このエアロドロップを使うと、幅が狭くなり、リーチも1cm長くなってハンドルが遠くなる。よってライダーを含めた前面投影面積が減少するため、クラシックドロップに比べて空気抵抗が14W(45km/h時)も削減される。

なお、完成車に付属するのはクラシックドロップで、エアロドロップはオプションとなる。旧型ハンドルとの互換性はない。ハンドルのサイズは完成車購入時には選べないが、ステム部分単体も別売されるので(70-140mm)、体にフィットさせやすくなった。

「ハンドルのサイズが選べず、後から別サイズの購入もできない」というのはエアロード最大の欠点だったが、新型ではそこが改善されたのだ。ポジション自由度は、スポーツバイクにとって非常に重要な要素。ポジションにシビアになりやすい日本人ライダーにとってなによりの朗報である。

ハンドル高の調整は専用スペーサーで行う。調整幅は前作が15mmだったところ、5mm増えて20mmとなった。ヘッドの調整も専用工具ではなくT25のボルトに変更され、整備性が向上。

ドロップ部分はハンドルトップ部分に挿入してボルトで固定。他に類を見ない構造である。

トップ部分がより扁平になり、空力性能の向上が図られる。

メーターマウントはグラベルロードのグレイルで採用されたものと同じタイプになり、拡張性が向上。メーターやライトはもちろん、DHバーなども装着可能。

ラインナップは完成車6モデル、SLグレードは消滅

ラインナップだが、販売形態は当面は完成車のみ。

フレームはCFRとSLXの2種で、エントリーグレードだったSLは消滅する。エアロードはあくまでレースバイクのため、低価格グレードはアルティメットのSLやエンデュレースに任せるという判断だ。

SLXは、形状はCFRと同じ。フレームの素材が異なり、剛性はほぼ同じにしてあるというが、フレーム重量は約100g重くなる。

CFRはデュラエース完成車とレッド完成車の2モデル。SLXはアルテグラ、105Di2、フォース、ライバルという4モデルが用意される。

エアロードCFR AXS

1,499,000円
※平均重量7.15kg

▲モビスターチームレプリカ

▲キャニオン//スラムレーシングレプリカ

エアロードCFR Di2

1,429,000円
※ 平均重量7.07kg

アルペシン・ドゥクーニンク チームレプリカ

▲スパークルステルス

エアロードCF SLX 8 AXS

999,000円
※ 平均重量7.86kg

▲ラピッドルビー

エアロードCF SLX 8 Di2

929,000円
※ 平均重量7.45kg

▲クリスタルホワイト

エアロードCF SLX 7 Di2

689,000円※ 平均重量7.91kg

▲クリスタルホワイト

エアロードCF SLX 7 AXS

599,000円
※ 平均重量8.06kg

▲ダークフォレスト

※表示価格について
ドイツから日本への配送料24,300円が別途かかります。またキャニオンの購入は、お客様がドイツ・キャニオン社から直接購入し、お客様が個人輸入される形態となります。日本の消費税をキャニオン社は領収しないため、表示価格には日本の消費税は含まれません。消費税額は輸入通関時に税関にて個別に決定されるため、事前に税額をご案内することはできません。なお、自転車の関税は無税となっております。消費税はお客様がご注文品を受け取る際、配達員の方へ現金にてお支払いいただきます。

 

CANYON公式サイト

詳細動画はこちらから

ローンチイベントや試乗会も開催

キャニオンジャパンでは7月26日にローンチイベントを開催するほか事前予約制の試乗会を開催する。キャニオンのブランドクルーがバイクに関する疑問や購入方法、納車、アフターサービスについても相談を実施する。またキャニオン東京テストセンターでは、主要なキャニオンのギアアイテムも販売中だ。

試乗車ラインアップ(予定。会場により異なる場合があります)

新型エアロードCFR

2XS (-166cm), XS (166-172cm), S(172-178cm), M(178-184cm)

新型エアロードCF SLX

2XS (-166cm), XS (166-172cm), S(172-178cm), M(178-184cm), L(184cm-)

開催日程

8/3(土)、4(日) キャニオン東京テストセンター
8/10(土)、11(日) キャニオン東京テストセンター
8/24(土)、25(日) シマノ鈴鹿
8/30(金)、31(土) 9/1(日)大阪・スノーピーク箕面自然館
9/7(土)、8(日) キャニオン東京テストセンター

各試乗会事前予約ページ

https://coubic.com/canyonjapan/blogs/179632

新型エアロードの日本初公開イベント「新型エアロード ジャパンプレミアエキシビジョン」を7月26日(金)東京・渋谷にて開催
キャニオン新型ロードバイク、日本初公開イベント開催決定!|CANYON

キャニオン新型ロードバイク、日本初公開イベント開催決定!|CANYON

2024年07月12日

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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