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ライドの質を変える軽さ。頭の形が悪い自分を救ったヘルメット|OGK KABUTO

「軽量」をキーワードに展開しているオージーケーカブトの「フレックス・エアー」。このヘルメットは軽量であることはもちろん、これまで使ってきたヘルメットよりも一段階上の快適性をもっていた。ここでは、編集部サカモトが実際に使用した感想を書いていく。

「軽量」の謳い文句が目に留まる

2024年6月1日。米国カンザス州で行われたグラベルイベントの筆頭アンバウンドグラベルに参加した編集部サカモト。レース距離はなんと200マイル≒320km。長距離かつそもそもトラブルの多い未舗装路のライドということを考えると、その装備にいつも以上に敏感になる。その中で選んだヘルメットはオージーケーカブトのフレックス・エアー。快適さが特徴の本製品は、夏のカンザス州を走るには最適だった。

フレックス・エアー。エアロ効果も充分に意識されている風貌をしている

筆者がそれまでに使用していたヘルメットは同社のエアロ-R2というモデル。特段重く思ったことも無いが、それよりも空力に重きを置いたフォルムで、商品名も、その打ち出し方からもエアロを意識して開発されていることは明白だった。
そんなヘルメットを出している同社が「軽量」を前面に押し出して販売されているのはフレックス・エアー。既に使用しているものも重いと感じないが、あえて「軽量」と謳われると気になってしまう。そして今年4月、サイクルモードの会場で試着する機会に恵まれた。感動した。そうかこれが「軽量」ということか。

その差は30g。サイズはモデルで変わった

軽量化のためにシェルを減らし発泡剤が見えている部分も。隙間にライトや日本国旗のシールを取り付けカスタマイズをした

筆者が元々使っていたヘルメットも同ブランドの「エアロR2」で、S/Mサイズの重量は245g。それに対して今回使用したフレックス・エアーL/XLモデルは215g。重量差30gは数字上はそこまで大きくないと感じるが、頭部の30gの変化は明らかに首周りに疲れに違いがでるように感じた。特に長距離ライドや今回のアンバウンドグラベルのようなシビアな環境を長時間走る際はその差を強く実感する。

なお、メーカー担当者の話を聞くと、同じ会社がだすヘルメットでもその開発のコンセプトや設計の違いからサイズはモデルによって変わることもあるとのこと。購入する場合には実際に試着をして自分に合うサイズを測って購入することがベストだ。

頭の形の悪さが悩みの筆者。フローティング構造に救われる

中央の3方向に伸びるものがエアフロ―パッドだ

フレックス・エアーのもう一つの特徴として、冷却性能がある。ヘルメットを頭部から浮かせて空気の通り道を確保するフローティング構造がウリだ。そのために「エアフロ―パッド」という内装パッドが装着されており、頭部とヘルメット内部までの距離が保たれ、通気性の向上が図られている。これにより、冷却性能が特徴となったが、同時にその裏で私の長年の悩みも解消された。私は頭の形がすこぶる悪く、左後頭部が出っ張っていて右側がいわゆる絶壁。そのため、普通にヘルメットをかぶると後頭部の出っ張りがあたり長時間ライドだと痛くなることに加え、ヘルメットが頭の形に合わせてどんどん横を向く。そのため、油断していると撮影してもらった写真のヘルメットだけが横を向いている形になることもあるくらいだ.

©エアフロ―パッド 公式サイトより

そんな頭だが、フレックス・エアーでようやく問題が解消されたようだ。フローティング構造で生み出される空間がいわば「遊び」となり、その空間に頭の出っ張りが収まってくれる。そしてエアフロ―パッドが出っ張りにも絶壁にも沿うように柔軟に変形して頭に密着してくれるおかげで、頭部の痛みが出るだけでなくヘルメットも普通に前を向いてくれるようになった。感動だ。頭の形に悩んでいる人はぜひ使ってみてほしい。

200マイル走行でわかる「快適性」

240km地点での撮影。フレックス・エアーはちゃんと正面を向いている。普通に嬉しい ©Yuki Mikami(Panaracer)

200マイル≒320kmの悪路(グラベル)を走るアンバウンドグラベルにおいて、制限時間内の完走を目指す私にとってはとにかく走り続けることが重要だった。そのため、身体に痛みがでずに、ひたすら淡々とでいいので走り続けられる準備が必須だった。すなわち「快適性」という面を重視したいと思っている中でフレックス・エアーを選んだのは当然だった。

NOストレスへの感謝

アンバウンドグラベルフレックス・エアーとともに走る筆者(写真中央左) ©Aaron Davis

しかし、実際に完走をして感じたことは、事前に想定していた快適性は「痛みがでない」こと以上だった。ヘルメットはどうしてもずれてしまうことも多く、その度に少しヘルメットの向きや位置を調整し直して走ることも多かった。特に上述したように頭の形が悪いため、無理やり修正しても元来の頭の形に沿うように振動の度に少しずつずれてくるのが当然だった。と思っている中でこのフレックス・エアーはほぼズレることがなかった。今までズレてばかりだったのでズレないことが逆に違和感を感じるほどに。同様に同じコンセプトで製造されているアイウェアのFA1もこの点は優秀だった。

200マイルのような長距離ともなると、ちょっとした無駄な動きの積み重ねが最終的に大きなダメージになる。それがないばかりか、それ以上に心的負担も軽くなり、気持ち良くアメリカのグラベルを走らせてくれたこのヘルメットには感謝したい。

FLEX-AIR

参考価格:2万9700円

  • カラー:G-2 ホワイトレッド、G-2 レッド、G-2 ネイビーコパー、マットホワイトシルバー、マットブラックガンメタ、マットバーガンディ、マットアクア、マットトランス、マットゴールド、G-1 コクー
  • サイズ:XS/S、S/M、L/XL
  • 重量:185g(XS/S)、195g(S/M)、215g(L/XL)

詳細はこちら

 

 

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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