まんが家がロードバイクに目覚めた理由|夏福のゆるポタコミックエッセイ vol.6番外編
Bicycle Club編集部
- 2024年09月28日
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「ロードバイクと出会ったことで、在宅ワークのひきこもりから解放された」というまんが家・夏福さん。いまではゆるくポタリングを楽しむ人気コーナー「夏福のゆるポタコミックエッセイ」を連載するほど、すっかりロードバイク生活を送っている。今回の連載ではまんが家の夏福さんが「そもそもなぜ自転車に興味を持ったのか?」ということで、購入の際の試行錯誤のエピソードをイラストと共に紹介する。
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興味をもったきっかけは「弱虫ペダル」
ロードバイクを購入したのは数年前の30代半ばの頃。
ママチャリとは違って手を出すには少々勇気のいるスポーツバイクは「もともと興味があって乗り始めた」「身近な人からの影響」など人それぞれきっかけがあるなか、私は人気漫画「弱虫ペダル」がアニメ化されたタイミングで知り、案の定ハマるという当時のあるあるなきっかけでのロードバイク生活スタートでした。
とはいえ最初は漫画にハマってはいても購入するつもりはありませんでした。ロードバイクという特殊なハンドルにスポーティーなフォルム。30代半ばのろくに運動もしていない者が手を出していいものではない(という思い込み)……。
そして専門のグッズやショップなどは未知の世界すぎるし、なによりお値段。ママチャリと比べるものでないのはわかってはいるけど、全くの素人からすると自転車の価格だとは信じられないくらいの高額で、とてもじゃないけど手が出ないとあきらめていました。
SNSで知り合った弱虫ペダルファンの方が次々とロードバイクを購入し、楽しそうにサイクリングをしているのを「行動力があってすごいなぁ、自転車かっこいいなぁ」と羨ましく思って眺めていました。逆に、自分は買う予定もないのに好きなメーカーのホームページを眺めてはうっとりしているだけ。
それがなぜ購入することになったのかというと……。
脱・在宅ワークひきこもり生活、気付いたら自転車店に
その頃在宅ワークを掛け持ちし、ときにはお風呂に入れず連日仮眠、家からは一歩も出ないといった日々を過ごしていました(お仕事があるのはとてもありがたいことなのですが!)。そんな生活になって数年目の春先、仕事部屋の窓から差し込む抜けるような快晴の日差しを受けてなにかがパーーンッ!と弾け、気づけば近所のスポー
ツバイクを扱っている自転車屋さんへと飛び込んでいたんです。「買うつもりはない」とは言いつつも、たびたび「やっぱり欲しい!」と気持ちが高まった時に、自転車関連記事やサイクリストブログで購入~購入後の知識を得ていました。
自分を何とか納得させた
ただ、調べるたびに毎回「いやいや、私には無理だよ」「買ったところでこんなに高価な出費をしたのにすぐに飽きてしまったら?」「太った自分(多忙で20kg増量した)が乗るなんて恥ずかしい」などと心配性と卑屈な私が湧き上がった購入欲を落ち着かせてしまっていました。
だけど、今回は違います。お値段と飽きないかの問題は「一度に出る額は大きいけど、レンタサイクルを借りたと考えて日割りで元が取れるまで乗れたらとりあえずいいんじゃない!!??」と思い込むことに。体重は…しょうがない。恥ずかしいけど乗りながら痩せよう。
ロードバイク? クロスバイク?
今後お世話になることを考えて自走で通えるショップを何店か絞り、その中でも評判の良かったお店へ向かいました。自転車のメンテなどは基本的に購入したお店でしか見てもらえないといった情報をネットで目にしていたので、長いお付き合いになると考えると気難しいお店だったらどうしよう、門前払されるのでは……と若干ビクついていたのですが、おおらかな店主が迎えてくださりとても親切に対応していただけてホッとしました。
ロードバイクが欲しいことを伝えると、
「通勤に使うの?」
「いいえ!(在宅仕事なので!)サイクリングがしたくて、ゆくゆくは遠くまで行きたいです!」
「うんうん、それだとロードバイクがいいと思うよ。通勤だとクロスバイクをオススメしてるんだけどね」
と私の目的にあった乗り方などを教えていただく。
店主と話し、ロードバイクに気持ちが固まる
実は内心少しだけクロスバイクの方がいいのでは?と悩んでもいたんですよね。ママチャリよりも快適に走れて日常使いもできるうえ、価格もロードバイクよりお手頃でスポーツバイクの入門として敷居が低くていいのでは、と。しかしここでまたネット情報なのですが、クロスバイクでは結局物足りなくなり、ロードバイクに乗り換える人が多いとも知りました。高価なロードバイクを購入しても乗らなくなる可能性とクロスバイクを買って結局乗り換える可能性、どっちのリスクを取るか……。そう揺れていたため、店主の言葉にやはりロードバイクなのだ!と気持ちが固まりました。
予算、色、在庫……。悩むことは多い
ロードバイクへと気持ちが固まったら次はモデルの選定。自転車メーカーのホームページを眺めていた時期に、デザインと予算を考えて「買うならこの(弱虫ペダルの推しキャラと一緒の(←心の声))メーカーのこれ!」と第二候補まで決めていたのでそれを伝え在庫を確認してもらったところ、第一候補はあっさり無いとのこと。
「ロードバイクはタイミングを逃すと来季モデルの発売まで待つことになるのはザラ」と、これもネットで調べて想定内ではありましたが、かなりガッカリしました。第二候補はあと2台残っていて、勢いで買っちゃおうか!?と一瞬なりましたが、こちらは予算的に候補に選びはしたもののどうしても気にいらない差し色が入っていて心から好きだとは言えないモヤモヤが残ります。
店主は他のメーカーも勧めてくださったのですが、私のなかで候補のメーカー以外を購入するという選択肢はありませんでした。
「高価なものを妥協して選びたくはない」
「でも、もし来季まで待ったとしてもその間にまた心配性と卑屈な私が購入欲を制止してしまうのではないか」
「私の場合、かなりの確率で購入をやめてしまうだろうな……。じゃあやっぱりこの勢いで第二候補を買ってしまった方が……。」
しばらく自問自答を繰り返し、店頭でうんうん悩みました。それをじっと待っててくれる優しいご店主。
「来年まで一旦は見送ろう」と思いきや?
結局決めきれず、一旦この問題は家に持ち帰ることに。そして少し冷静になり、来季までに欲しいという気持ちが変わらなかったら買えばいい。それまでにかっこよくロードバイクに乗れるようダイエットをして待とう!と気持ちを切り替え購入を見送ることに……した直後のこと。
「来年のモデルが待ち遠しいな~」なんてホームページをうっとりと眺めていたら、第一候補より少しお値段が高くなるけど予算内でデザインも好みに合うモデルがもうひとつあったことに気づいたのでした。
「いやでも、これももう在庫ないよな……。…念のため電話で聞いてみよう」。
あっさり在庫があることが判明。私が帰ったあとにご店主も調べていてくれたみたいで、私が言いだす前にその自転車の情報を教えてくれるという……。優しい……。買います。
トントン拍子で購入が決まりなんと翌週納車。来年までお預けかと思っていたのに翌週に!こうしてあれよあれよと私のロードバイク生活が始まったのでした。
ロードバイクの購入で世界が一変
このとき在庫がなかったらきっと今もロードバイクには乗ってなかっただろうなと思うと不思議な気持ちです。私にとっては世界が一変したと言ってもいいくらい生活が変わりました。そもそも忙しすぎて走る時間なんてないのでは?という心配も残っていたのですが、偶然にもこの頃から忙しさも落ち着き無事ロード沼に沈むことができたのでした。
ちなみに、痩せてかっこよくロードバイクに乗りたいと思っていた私ですが、全く運動していなかった状態から乗り始めた頃はストンと数キロ落ちたものの、いかんせん食べることが好き、消費カロリーよりも摂取カロリーのほうが圧倒的に高い、なんなら美味しいものを食べるために走りに行っていると言っても過言でないので、多少の上下はありつつも高めで安定を維持しております。
今後、私がロードバイクを乗り始めた頃の悩みや試行錯誤のエピソードを、自己紹介がてら数回に分けて番外編として書いていこうかと思います。ぜひ通常の連載とあわせてお読みいただければ嬉しいです。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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