リドル・トレックがクリテリウム5連覇!スクインシュが逃げ切り勝利|宇都宮ジャパンカップ
Bicycle Club編集部
- 2024年10月19日
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10月18日(金)から20日(日)にかけて栃木県宇都宮市を舞台に開催されている「2024 宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」。大会2日目の19日(土)に宇都宮市大通りで行われたクリテリウム、約5万3000人の観客のなか行われたレースでは逃げ集団でのスプリントを制したトムス・スクインシュ(リドル・トレック、ラトビア)が優勝。リドル・トレックは2018年から続く同大会の連覇記録を5に伸ばした。
序盤から激しいアタック合戦
宇都宮市大通りを使用した1周2.25kmを15周する総距離33.75kmで行われたクリテリウム。スプリント賞は4・8・12周回完了時に設定され、各1位通過者が表彰される。
クリテリウムの前にはBMXパフォーマンス、高校生によるホープフル クリテリウム、さらにガールズケイリン スペシャルレース、佐藤栄一宇都宮市長や弱虫ペダルの著者渡辺 航氏、ジャパンカップクリテリウム2度優勝の別府史之さん、そして宇都宮市出身の堀孝明選手(ヴェロリアン松山) が参加するパレードランがおこなわれた。
強力な11名が抜け出す
15時40分、パレードランを終えレースがスタート。引退を表明している畑中勇介(キナンレーシングチーム)がスタートアタックを見せるも、1周目に吸収される。その後、イヴ・ランパール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)が抜け出し2周目に入った。
2周目に入ると、ランパールを吸収したのち、マウロ・シュミット(チームジェイコ・アルウラー、スイス)、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)、アントワン・ユビー(スーダル・クイックステップ、フランス)、ローガン・カリー(ロット・デスティニー、ニュージーランド)という強力な5名が抜け出す。
最初のスプリントポイントはモホリッチが先頭通過。その後、逃げを追走していたアンドレア・バジオーリ(リドル・トレック、イタリア)が先頭に合流する。
5周目には、マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック、カナダ)、トムス・スクインシュ(リドル・トレック、ラトビア)、ジャンマルコ・ガロフォリ(アスタナ・カザクスタンチーム、イタリア)、アントニー・ペレス(コフィディス、フランス)、ディラン・ホプキンス(リュブリャナ・グスト・サンティック、オーストラリア)が追走を開始。
6周目に先頭集団に追いつき、10名となる。しかし、追いついた後、ホプキンスとシュミットが遅れる。その後、ブレイディ・ギルモア(イスラエル・プレミアテック)とシュミットが追いついて8周目に再合流。先頭集団は11名となった。
アタックからのスプリント勝負
2回目のスプリントポイントもモホリッチが獲得。集団とのタイム差は30秒近くまで広がり、逃げ切りが現実味を帯びてくる。3回目のスプリントポイントはカリーが獲得した。
逃げ切りがほぼ確実となった14周目、パウレスがアタックするも、他の選手も反応し吸収される。最終15周目に入るところでスクインシュがアタック。ウッズがギルモアのスプリントのために集団を率いて追走する。スクインシュがペースを緩めたところをカリーがカウンターアタックをかけるも、集団は追いつき、そのまま集団スプリントへ。
最初に仕掛けたスクインシュが後続を引き離し、そのまま独走でフィニッシュ。リドル・トレックに5連覇をもたらした。2位はシュミット、3位はユビーとなった。
優勝したスクインシュはラトビア・スィグルダ出身の33歳。ラ・ポム・マルセイユやリエトゥム – デルフィン、ヒンカピーレーシングを経て2016年にキャノンデール・ドラパック(現在のEFエデュケーション・イージーポスト)からプロデビュー。リドル・トレックには昨年加入し、現在2026年まで契約。今季はストラーデ・ビアンケで2位、パリ五輪ロードレースで5位、世界選手権ロードレースで4位と好調を維持している。
各選手のコメント
優勝したトムス・スクインシュ(リドル・トレック、ラトビア)
「とてもハードなレースでした。どんなレースであっても、短くてもハードに感じます。タフな展開を制して勝利できたことを嬉しく思います。皆さんの前で勝てて嬉しいです。たくさんのファンに囲まれて応援してもらえる雰囲気は最高です。チームの5連覇に貢献できて嬉しいですし、何より自分が勝てたことが本当に嬉しいです。毎年、このレースがタフなことは分かっていたので、誰かがアタックを仕掛けたら自分も乗っていこうと思っていました。作戦が上手くいったと思います。」
2位に入ったマウロ・シュミット(チームジェイコ・アルウラー、スイス)
「自分自身の期待以上の走りができました。明日のレースも楽しみです。」
3位に入ったアントワン・ユビー(スーダル・クイックステップ、フランス)
「こんなに多くのファンの前でレースができて、そして表彰台に上がることができて、とても幸せです。」
スプリント賞を2回獲得したマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)
「逃げ集団に入って、そのまま逃げ切るつもりでスプリント賞も狙いました。最後は3位以内に入れませんでしたが、スプリント賞を獲得できたので良かったです。」
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
「今日も大変でした。周りの選手がどう出てくるか分からなかったので、最前列で様子を見ていました。ワールドチームが動いたら僕たちも反応しないといけないので。まさか1周目で自分がブリッジをかけることになるとは思っていませんでした。そこで心拍数が一気に上がってしまい、回復に2、3周かかりました。モホリッチは良い調子なので、明日も期待しています。天気も良いので、良いレースをしたいと思います。」
日本人最上位の12位に入った岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
「序盤からワールドツアーの選手たちの逃げになってしまい、そこに加わることができませんでした。それでも、自分の持ち味であるスプリントで勝負できたのは良かったです。明日に向けて良い感触を得ることができました。最後のコーナーを曲がった時の余裕は、今まで走ったジャパンカップクリテリウムの中で一番大きかったので、トップ争いはできませんでしたが、良いスプリントができたと思います。」
20日はついに本戦のロードレース
3日目となる20日(日)は、宇都宮市森林公園を舞台に本戦のロードレースが開催される。今年は天気予報もよく絶好のレース日和となりそうだ。ロードレースもレースの模様はYouTubeでライブ配信されるほか、J SPORTS 2、J SPORTSオンデマンドでも視聴可能だ。
リザルト
1位 トムス・スクインシュ(リドル・トレック、ラトビア) 41m32s
2位 マウロ・シュミット(チームジェイコ・アルウラー、スイス)
3位 アントワン・ユビー(スーダル・クイックステップ、フランス)
4位 ブレイディ・ギルモア(イスラエル・プレミアテック、カナダ)
5位 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)
6位 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)
7位 アンドレア・バジオーリ(リドル・トレック、イタリア)
8位 アントニー・ペレス(コフィディス、フランス)
9位 ジャンマルコ・ガロフォリ(アスタナ・カザクスタンチーム、イタリア)
10位 ローガン・カリー(ロット・デスティニー、ニュージーランド)
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- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ 文:相原晴一朗 写真:三井至
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