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全日本選手権シクロクロス開幕!佐藤稔、筧五郎ら年代別マスターズカテゴリーで優勝

12月14日(土)、栃木県宇都宮市の道の駅うつのみや ろまんちっく村内特設コースで、第30回全日本自転車競技選手権大会シクロクロスが開幕した。初日は、オープニングレースの60分エンデューロと年代別マスターズレースが行われた。

今大会は、12月14日(土)と15日(日)の2日間にわたり、同会場で開催される。 ろまんちっく村は、宇都宮シクロクロスの会場として、また常設のマウンテンバイクコース「もくもくの森MTBコース」を有する場所として、地元サイクリストには馴染み深い。なお、今シーズンは大会開催時期が1月から12月に変更されたため、2024年中に2度の全日本選手権シクロクロス開催となる。

60分エンデューロでMTBO Brosが制す

スタートを切った60分エンデューロの参加者達

オープニングレースの60分エンデューロには、エンジョイ勢から翌日の本戦出場選手まで、幅広い層が参加した。出場者の中には2015年、2016年の全日本選手権女子エリート2連覇の沢田聖香や、宇都宮ブリッツェンの選手・スタッフの姿も見られた。レースは、綾野尋/ハネス・ニリカ(MTBO Bros)ペアが優勝。2位は三上将醐/金澤拓世(CORAGGIO KAWANISHI U-19)、3位は松本駿/松本一成(RIDE MASHUN)の親子ペアが入賞した。

3段坂を登る金澤拓世(CORAGGIO KAWANISHI U-19)
久しぶりのレース参加となった沢田聖香(mud sporks with K special team)
キャンバーを駆け上がる武山晃輔(宇都宮ブリッツェン)
シケインをバニーホップで越える野嵜然新(RACING TORQUE)
自転車店を経営しながら宇都宮ブリッツェンのメカニックを務める廣瀬正高(mud sporks with K special team)

MM60+:佐藤稔が王座奪還

野村正(Team Nomu’s)がホールショットを獲る

マスターズカテゴリー最初のレース、MM60+には、ディフェンディングチャンピオンの増田謙一(SHIDO-WORKS)、2連覇経験を持つ佐藤稔(スワコレーシングチーム)ら41名が出走。10時30分にスタートしたレースは、野村正(Team Nomu’s)がホールショットを獲るも、増田がすぐに先頭に立った。

3段坂に先頭で入った増田謙一(SHIDO-WORKS)
サンドセクションで競り合う増田謙一(SHIDO-WORKS)と野村正(Team Nomu’s)
キャンバーセクションで先頭に立った佐藤稔(スワコレーシングチーム)
レース終盤、競り合う増田謙一(SHIDO-WORKS)、佐藤稔(スワコレーシングチーム)、久馬逸志(今日も押しまs)の3名

佐藤、久馬逸志(今日も押しまs)もこれに続き、最終的には佐藤と増田のマッチスプリントに。佐藤が勝利し、再び全日本チャンピオンの座に返り咲いた。3位には久馬が入った。

2年ぶりに王座を奪還した佐藤稔(スワコレーシングチーム)

佐藤はレース後、「昨年はチームの応援に応えられず不甲斐ない結果に終わってしまった。今年は100%の状態でこの会場に来ることができた。増田選手は非常に強く、いつ来るか分からなかったが、コース脇で応援してくれたチームメイトの声援がエネルギーとなり、勝利することができた」と感謝を述べた。

女子マスターズ:伊藤あすみが初戴冠

ホールショットを獲ったのは西山みゆき

MM60+の30秒後、女子マスターズがスタート。前回大会、全日本選手権女子エリート6位の伊藤あすみ(マッディわかやま)をはじめ、片岡幸(Team轍屋)、西山みゆきら7名が出走。西山がホールショットを奪うも、1周目終了時には伊藤と渡辺佳織(AXIS)が先頭に。

西山みゆきをパスし、伊藤あすみ(マッディわかやま)が先頭に立つ
サンドセクションを先頭で走る伊藤あすみ(マッディわかやま)
最終周、渡辺佳織(AXIS)を引き離した伊藤あすみ(マッディわかやま)

最終周回で伊藤が渡辺を引き離し、初のマスターズ全日本タイトルを獲得した。2位は渡辺、3位は西山となった。

初のマスターズ全日本タイトルを獲得した伊藤あすみ(マッディわかやま)

伊藤は「今年初めてマスターズにカテゴリー変更して出場した。たくさんの応援の声が力となり、最後まで集中して走り切ることができた。このチャンピオンジャージを着ることができ、本当に嬉しい」と喜びを語った。

MM50-59:筧五郎が混戦制す

ホールショットを獲ったのはスタートを得意とする浅井秀樹(SNEL)

MM50-59には、5連覇がかかる大原満(Aisan Cycling Club)がエントリーしていたもののDNS。前回大会2位の生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)、3位の杉原貴弘(チーム バケラッタ)ら89名が出走し、11時30分にスタート。

サンドセクションを先頭で走る筧五郎(56)と生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)
弱虫ペダル作者の渡邉航(総北高校自転車競技部OB)も出場

混戦模様のレースを制したのは筧五郎(56)。2019年のMM40-49カテゴリーに続き、MM50-59カテゴリーでもチャンピオン獲得となった。

混戦を制した筧五郎(56)

筧はレース後、「7月に15年間悩まされた股関節の手術を受け、復帰できるか不安だったが、チャンピオンになることができて本当に嬉しい」と喜びを噛み締めた。

レース後、横井利明と喜びの抱擁を交わす筧五郎(56)

MM35-39:佐野千尋が接戦を制し初優勝

ホールショットを獲ったのは澤原翔(Team轍屋)

MM35-39には、3連覇がかかる城島大樹(Cycleshop Re Belle.)、前回大会2位の渡辺佑樹(AXIS)ら19名が出走し、12時30分にスタート。

3段坂に先頭で入った岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING)
一時、2番手に浮上した渡辺佑樹(AXIS)
2番手パックを引き離しにかかる佐野千尋(イナーメ信濃山形)
最終周、元チームメイトの佐川祐太(SNEL)を引き離した佐野千尋(イナーメ信濃山形)

佐野千尋(イナーメ信濃山形)が、岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING)、佐川祐太(SNEL)、渡辺らとの接戦を制し、初優勝を飾った。

「予想通りの展開」となったレースを制した佐野千尋(イナーメ信濃山形)

佐野は「今シーズン、この大会を目標に練習してきたので、本当に嬉しい。佐川選手、岡本選手との争いは予想していたが、その中で勝てたのは本当に良かった。皆さんの応援が力になった」とレースを振り返った。

MM40-49:村田憲治が5連覇達成!

ホールショットを獲ったのは木山孝輔(042 SYNDICATE)

初日最終レースのMM40-49には、3連覇、マスターズ5連覇がかかる村田憲治(岩井商会レーシング)、前回大会2位の斉藤和哉(シルクロード)、白石真悟(シマノドリンキング)ら46名が出走し、13時40分にスタート。

村田憲治(岩井商会レーシング)が先頭で3段坂に入る
レース序盤、村田憲治(岩井商会レーシング)に田﨑友康(ご支援に感謝&F(t))と田邊昌宏(サガミレーシング)が続く
大ベテランの白石真悟(シマノドリンキング)が先頭に立つ場面も
最終的には昨年と同じく、村田憲治(岩井商会レーシング)と斉藤和哉(シルクロード)の一騎打ちとなった

村田と斉藤の一騎打ちとなったレースは、村田が制し、3連覇、マスターズ5連覇を達成。3位には藤田耕志(TEAM RINGOROAD)が入賞し、表彰台は関西シクロクロスを主戦場とする選手で独占された。

MM35-39の頃から通算マスターズカテゴリー5連覇を達成した村田憲治(岩井商会レーシング)

村田は「優勝できて良かった。関西勢3人で表彰台に上がれたのが嬉しい。5番ゼッケンで5連覇を達成できて嬉しい」とコメントした。

大会2日目の15日(日)は、8時30分スタートの男女U17、U15を皮切りに、男女ジュニア、男子U23、男女エリートのレースが行われる。男子U23と男女エリートレースはJ SPORTSオンデマンドでライブ中継される。

リザルト

男子マスターズ60+ (0.7km+2.7km×4Laps=11.5km)

1位 佐藤稔(スワコレーシングチーム) 31m26s
2位 増田謙一(SHIDO-WORKS) +1s
3位 久馬逸志(今日も押しまs) +11s

女子マスターズ (0.7km+2.7km×4Laps=11.5km)

1位 伊藤あすみ(マッディわかやま) 33m30s
2位 渡辺佳織(AXIS)+7s
3位 西山みゆき +58s

男子マスターズ50-59 (0.7km+2.7km×4Laps=11.5km)

1位 筧五郎(56) 28m57s
2位 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) +18s
3位 杉原貴弘(チーム バケラッタ) +1m01s

男子マスターズ35-39 (0.7km+2.7km×6Laps=16.9km)

1位 佐野千尋(イナーメ信濃山形) 42m11s
2位 佐川祐太(SNEL) +36s
3位 岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING) +1m20s

男子マスターズ40-49 (0.7km+2.7km×6Laps=16.9km)

1位 村田憲治(岩井商会レーシング) 43m25s
2位 斉藤和哉(シルクロード) s.t.
3位 藤田耕志(TEAM RINGOROAD) +18s

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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