多くのツアープロも支持。ボールの革新こそキャロウェイだ!
藤井順一
- 2022年05月18日
好調が伝えられるキャウェイゴルフにあって、近年最も成長著しいカテゴリーはボールだ。ツアーでの使用率のみならず、全米ゴルフ市場で第2位のボールメーカーになった彼らのボール開発もまた驚きに溢れている。
ツアーの常識を覆したヒットモデルの最新版
低コンプレッションボールは打感がソフトな反面、飛ばない。そんな業界の常識を覆したのがキャロウェイの『クロム ソフト』だった。コンプレッションが低いソフトなボールはコアが潰れやすいため、ボールの回転の中心である重心点とフェースとの距離が短くなる。すると潰れにくい硬いボールに比べ、テコの原理が働き、ボールは回転が抑制されて低スピンとなる。さらに上位モデル同様に、ウレタンカバーを採用したことでアプローチでのスピン性能が高かったことにより、米国市場で支持を集め、現在に続くキャロウェイ製ボール人気の礎となった。
ただし、誰が使っても万能なボールはない。初期のクロム ソフトは全体がソフトなため、反発性ではやや劣る傾向があった。そこで、同社のR&Dチームは以前から導入に向け検討していた素材「グラフェン」をシリーズに投入。複層化したコアの外側に炭素繊維であるグラフェンをナノレベルで採用することで、内側のコアのソフトさはキープしたまま、外側のコアで強度を確保し、ソフトさと速いボール初速、低スピン性を実現し、以降、ツアープロにまで急速に支持を拡大していった。
一方、そうした直接的なテクノロジーの進化以外の面にも革新性をもっているのがキャロウェイの強みだろう。サッカーボール風の意匠により、ゴルフボールのデザインに一石を投じた「トゥルービス」。パッティングでのアライメントを単なるラインからデザインへと昇華させた「トリプル・トラック」。いずれもボールを内側でなく、外側から革新し、ゴルフボールのアライメントに対する考え方を一変させ、性能以外で選べるボールの付加価値を生み出したといえるだろう。
現在、クロム ソフトシリーズは3種類をラインナップ。最新モデルは、ツアープレーヤーからの要望を受け、クロム ソフト Xよりさらに低スピンな「クロム ソフト X LS」を追加。マーク・リーシュマンはLSをX・シャウフェレはXを使用。トッププロが使うツアーボール、未体験なら是非試して欲しい。
クロム ソフトシリーズ
クロム ソフト
やわらかくても飛ぶ革命的ボール
ウレタンカバーで非常にソフトなコアを持つ3ピースボール。独自のソフトファスト・コアにより、しっかりとボールが潰れる低スピン性と反発性を両立したソフトでも飛ばせる画期的なボールだ。
ボール構造:3ピース構造 コア:ソフトファスト・コア 中間層:マントル カバー:極薄ソフトウレタン 打感:よりソフト スピン(ショット時):少ない スピン(アプローチ):多い
クロム ソフト X
契約プロの多くが使用するツアー性能
シリーズの柔らかいフィーリングを残しつつ、新開発のサイズアップされたシングルのソフトファスト・コア、新たに設計されたハイスピード・デュアルマントルなどで高いボール初速を実現したツアー向けウレタン系4ピースボール。
ボール構造:4ピース構造 コア:ハイパーエラスティック・ソフトファスト・コア 中間層:ハイスピード・デュアル・マントル カバー:極薄ソフトウレタン 打感:ソフト スピン(ショット時):少ない スピン(アプローチ):多い
クロム ソフト X LS
ツアーが求めた低スピンボール
飛びとグリーン周りでのスピンを高次元で両立した「CHROME SOFT X」をベースに、ウレタンカバーの硬度を調整することで、アプローチスピンを維持したまま、ロングショットでの低スピン性能に磨きをかけた最新ボール。
ボール構造:4ピース構造 コア:ソフトファスト・コア 中間層:ハイスピード・デュアル・マントル カバー:極薄ソフトウレタン 打感:ソフト スピン(ショット時):非常に少ない スピン(アプローチ):多い
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