PGAツアーや国内女子ツアーにツートンカラーのグリップが大増殖している意味は
EVEN 編集部
- 2023年03月13日
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国内女子ツアー開幕戦で選手の手元を彩ったゴルフプライドのMCC
今年の冬は長く厳しかった分、春までプレーを控えていたゴルファーも多かったのでは? そんな冬眠ゴルファーたちに、本格的なゴルフシーズンの幕開けを告げる国内女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディース」が開催された。「EVEN(イーブン)」本誌のツアー取材担当も練習日から現地入りし、精力的に取材をしてきたのだが、気になったのが選手が開幕戦に合わせて使用していたグリップ。上の写真、小祝さくら選手が手にしているのは、ゴルフプライドの人気モデル「MCC PLUS4」シリーズ。よく見るとやや利き腕側が太目になっているような…。
そう思って、選手たちのグリップに注目してみると、勝みなみ選手、山路晶選手、大里桃子選手らもカラーこそ違えど、モデルは同じMCCシリーズを使用していた。カラーグリップ自体は別に珍しいものではないが、ゴルフプライドのグリップといえば、まず思い出されるのはしっとりラバーの永久定番「TOUR VELVET(ツアーベルベット)」シリーズ。だが、実は近年、急速にMCCがツアー支持を拡大しているようなのだ。
好調ジョン・ラーム、ロリー・マキロイもPGAツアートッププロにも広がるMCC
今季、PGAツアーで好調をキープしているジョン・ラーム、21-22年シーズンのフェデックス杯王者となったロリー・マキロイ、彼らがマイクラブに挿しているグリップも実はMCCシリーズだ。ラームはレッド×ブラックのスタンダードモデル、マキロイはブラック×ブラックのカラーをチョイスしているのが直近の試合でも確認できる。現在、世界ゴルフランキング上位を争っている両名が使うMCCとは、どんなモデルなのか。
ゴルフグリップの定番「Golf Pride(ゴルフプライド)」
Golf Pride(ゴルフプライド)は、1947年に世界で初めてラバー(ゴム)をグリップに採用したゴルフグリップのトップブランドだ。ラバーグリップ誕生以前まで主流だった革製グリップに比べ、軽さ、衝撃吸収性、耐久性に優れていたのはもちろん、シャフトに接着剤を流し込んで固着させる「スリップオン」方式を採用したのも彼らというから、まさにゴルフグリップの生ける伝説といえる。誕生以来、ラバーの利点をいかした製品を一貫して手掛けており、ゴルフグリップのベンチマークとなった彼らは、米ツアーにおいて実に四半世紀にわたってメジャータイトル獲得率85%を誇っている。ちなみに、同ブランドは、現役ツアープロとは一切、用具契約を結んでいない。つまり選手自らが選び、使っているのがゴルフプライドのグリップというわけだ。
その代表作でもある「TOUR VELVET(ツアーベルベット)」は、文字通りベルベット(=ベロア)のようなやさしいタッチ、シャフト側に向けてテーパーした持ちやすい形状、雨など水分が付着してもしっかりグリップできるラバー素材で、ゴルフグリップのスタンダードとして君臨。コットン繊維を織り込み、摩擦力と全天候のパフォーマンスをアップさせた兄弟モデル「TOUR VELVET CORD(ツアーベルベットコード)」と共に、流行に左右されないロングセラーモデルとして、世界中のゴルファーに支持されている。
MCC(マルチコンパウンド)ってどんなモデル
そんなゴルフグリップの王者が、より機能性を磨き上げたモデルが前述した「MCC」シリーズだ。グローブを装着した手で握る部分はコード入りラバー、素手で握る部分はラバーと2種類の機能を融合させたハイブリッド構造のグリップで、グリップエンド側にコードを採用することで、全天候でもすべりにくく、しっかりとしたホールド感を向上。シャフト側は柔かいラバーを採用し、快適性とコントロール性能を実現したモデルだ。右利きのゴルファーの場合、右手側は力みなく握れるソフトな感触、左手側はクラブをしっかり握って安定させる硬めの素材感。MCCにはスイング中のあるべき握り方を導いてくれる存在ともいえる。
また、プレー中、パッティングなど繊細なタッチを出すための所作として、グローブを外すゴルファーは少なくない。ショットにおいてもそうしたイメージを持っても不思議はないだろう。実際、タイガー・ウッズ選手は、アプローチショットでグローブを外す所作が見受けられる。MCCの備えている高いグリップ力は、そうした繊細な感性をいかしたいゴルファーにとっても、有効な存在といえるだろう。
また、彼らのグリップを象徴しているのが「PLUS4(プラスフォー)」と呼ばれる、テーパーレスモデルの存在だ。ゴルフ用グリップは通常、グリップエンドからシャフト側に向けて細くなるテーパーシルエットを採用しているが、PLUS4は、シャフト側のグリップ部分の太さが一定の寸胴型となっている。これは、下巻きテープ4枚分と同等の太さを再現したものだ。一般にグリップは太いほど、グリッププレッシャーを弱める効果がある。つまり、これを利用することで、強すぎるグリッププレッシャーや余計な手の動きを抑えらるといった効果が期待できるという。ゴルフグリップは単なるすべり止めではない。ゴルフプライドの製品は想像以上に、プレーに影響を与える機能パーツ、いわばチューニングアイテムなのだ。
「MCC TEAMS(エムシーシーチームス)」で拡大したカラーバリエーション
とはいえ、MCCシリーズに一昨年、加わった「MCC TEAMS」のカラーバリエーションは、クラブのカスタマイズを楽しくしてくれる、存在であることも間違いない。アメリカのチームスポーツをイメージしたカラーリングは、どれも存在感のあるカラーで、ラバーとは思えない発色の良さだ。
以上、見てきたようにMCCは単にクラブヘッドやシャフトのコスメに合わせた装飾的なアイテムではなく、プレーを変えるチューニングパーツとしての性格を有したモデルといえる。冒頭の選手たちも、何らかの課題をもってMCCを選択していることは間違いないだろう。百戦錬磨のプロ選手も信頼を寄せる高機能グリップ、本格ゴルフシーズンを前に、マイクラブのグリップにも採用してみてはいかがだろうか。
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Golf Pride(ゴルフプライド)
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- 写真〇USA TODAY Sports/ロイター/アフロ、藤井孝太郎 文〇藤井順一 (問)⽇本フェィウィックTEL.03-6262-6150
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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