タウンページと世界的ホームページ作成サービスWix提携の、したたかな戦略とは?

タウンページと言えば、いわずと知れた電話帳。このNTTタウンページと、世界的なホームページ作成サービス企業Wixが提携。Digital Leadの名称で中小企業向けホームページ企画・制作・運用サービスをスタートする。

じつはそこにある巨大なマーケット

先進的なITサービスにどっぷりなフリック!読者のみなさんだと、『いまさらホームページ? 今やSNSマーケティングでしょ? いやデータマーケティング?』とお思いかもしれないが、そこにITに詳しい人の落とし穴があるのかもしれない。

イノベーター理論でいえば、先進技術にとびつくのは16%。本当にマーケットのマスとなっているのが、キャズムの向こう側、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティなど84%だ。

実際、弊誌読者のみなさんからすると、「いやいや、最近音声通話なんてしてないし」「タウンページなんて最近開いてない」とお思いかもしれないが、タウンページは約700万件の店舗・事業者情報を掲載し、広告掲載は20万件。日本全国に約6,600万部が配布されるという超巨大メディアなのだ。

その巨大メディアから見た時に、日本中にはまだまだ「お店のホームページを作りたいけどできない」「ホームページを作る知識がない」……と思っている人がたくさんいるということなのである。

ここに超巨大なマーケットがある。

ホームページ制作の巨大企業日本上陸

そのNTTタウンページとタッグを組むのが、Wixである。

Wixは世界で1億6000万人もの登録ユーザーを持つクラウドベースのホームページ作成ツール。シンプルな無料サイトから、高度な有料サイトまで、あらゆる人がインターネット上のビジネス拡大や、ブランド構築、ワークフロー導入を実現するサービス。

今年、日本法人が設立され、最初のビッグニュースがこのNTTタウンページとの提携というわけである。

料金はさまざまなプランを提供可能とのことだが、独自ドメイン使用で、ホームページ1P(ライトデザイン)で、制作料、月一回のぺージ更新を含んで7000円(税別)から。問い合せフォームを組み合わせて5P(ライトデザイン)1万500円(税別)。メールキャンペーン、予約問い合わせフォームを合わせて5P(スタンダードデザイン)となっている。

登壇されたのは、左から、NTTタウンページ取締役メディア運営部長の三隅浩之さん、同代表取締役社長酒井紀雄さん、Wix.comの社長兼COOのニール・ゾハールさん、日本法人代表の積田英明さん。

検索ボリュームはホームページの方がある

ウェブに詳しい向きには「ホームページじゃなくて、ウェブサイトじゃないの?」という声もあるかもしれないが、SEO的に検索ボリュームは『ウェブサイト』より『ホームページ』の方がはるかに大きいのである。

一見、先進的には見えないかもしれないが、実際のボリュームがあるビジネスをしっかり見据えている、したたかなる戦略なのである。

今後、デジタルリードで、これまでインターネットに手が届かなかった中小企業、もしくは個人営業のお店などがデジタルマーケティングを扱えるようになれば、それはたしかに日本経済をしっかり下支えすることになるのではないだろうか。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年9月号 Vol.95』

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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