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『Apple丸の内』の、ちょっと深い話

日本の中心『丸の内』にはいろんな歴史が秘められている

ちょっと古い話をしよう。

東京にお住まいの方は、丸の内という場所の概要をご存じだろうが、新しい日本最大のアップルストア、『Apple丸の内』は、ニッポンの中心、東京駅のすぐ前にある。

この丸の内という地名は『丸』の内側、お堀の内側、つまりその昔、徳川将軍家と近い譜代大名のお屋敷が並んでいた場所である。

iOSアプリの『大江戸今昔めぐり』(https://apps.apple.com/jp/app/%E5%A4%A7%E6%B1%9F%E6%88%B8%E4%BB%8A%E6%98%94%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A/id1296167809)によると、今は皇居の芝生となっているあたりには会津藩の松平容保のお屋敷があったし、いわゆるオフィス街になっているところにも三河西尾藩や、土佐高知藩などの大名屋敷がずらりと並んでいた。つまり、日本で一番の大名が住んでいた場所だ。

ちなみに、今回Apple丸の内ができた場所は、出羽天童藩(山形県)のお屋敷があった場所のようである。

しかし、明治維新が起こり、上が下になり、下が上になった結果、薩長が政治の中枢を握った時に、これら旧幕府に近い大名の屋敷をぜんぶブチ壊してしまった。今でいえば、霞が関を更地にするようなものだろうか? その結果、明治初期にはこのあたりはとても寂れた土地になったようである。

で、それをまるごと買い取ったのが土佐出身の岩崎弥之助、坂本龍馬の海援隊の流れを受ける三菱財閥の2代目総帥である。たった、120万円だか、150万円だかで買い取ったそうである(当時の貨幣価値にしても安かったらしい)。彼がこの土地をロンドンの街並みに倣った赤レンガのビジネス街に変え、一丁倫敦(いっちょうロンドン)などと呼ばれるようになった。

第2次世界大戦の東京大空襲でも、このあたりは後々活用する予定だったのか爆撃を免れ、後にGHQビルと呼ばれた第一生命館も丸の内ににあった。その後、戦後復興時、60年代に『丸の内総合改造計画』に基づいて高さ100尺(約30m)に高さの揃ったビルが立ち並ぶ。

2000年代に再開発が行われ、近代的なオフィス街に生まれ変わりつつあるが、それでもこの100尺の時代のビルの面影を残した改装を施されたために、丸の内のビルはそれぞれ100尺のレトロな土台の上に近代的な高層ビルが建てられる……という様相になっている。

ともあれ、その場所に、新たにApple Storeができるというのは非常に興味深い。ちなみに、前にこの場所にあったのは某世界的有名ブランドバッグのお店だそうである。

日本のApple Storeで最大の床面積と好立地

新店舗の床面積は日本最大とのことだから、5フロアあるApple銀座や、独立した建物となっているApple表参道より床面積は多いようだ。交通の要所、東京駅のすぐ前ということで、海外からの旅行客含め、多くの人が訪れることが予想される。

日本に着いたけど、iPhoneがトラブルで……というような訪日外国人の人が、すぐに駆け込める場所が、東京駅の前にあるのはいいことだと思う。Apple StoreはWi-Fiも無償公開しているので、ここに立ちよって情報収集して行動する……というような人にとっても便利に違いない。

なんとなくiPhoneを思わせる角Rのついたシルバーの縁付きのウインドウは、例によって非常に大きく、上まで1枚ガラスとなっている。

内側には竹が植えられている。どういう仕組みなのかは分からないが、生きた竹がプランターに植わっている。一般に竹というのは欧米にないもので、縦の繊維が非常に強く、割って素材として使いやすく、東洋では竹の細工物というのも非常に文化と密接に結びついている。エジソンが電球を発明した時に、京都の八幡男山の石清水八幡宮の竹をフィラメントに使ったというのは有名な話だ。

これもまた、日本を表現しているのである。

内部には巨大な巨大なビデオウォールがあり、その前には多くの人が座れるイスが設けられており、天井は2階に向けて吹き抜けとなっている。心地いい空間だ。

2階の広さも特徴的で、One to Oneのセッションや、ユーザーサポート、ジーニアスバーによる修理などにも重きが置かれていることがよく分かる。銀座や表参道からもそれほど遠くないので、それらのお店の負荷を減らすのにも役に立つだろう。

「iPhone 壊れたけど、Apple Storeがいっぱいで……」という話が少しでも解決されるといいのだが。

みんな大好き、Apple Storeの階段だが、一番東京駅側の角にある。床面は人工大理石、壁部分は何かの素材に塗装したもの、手すりはステンレスとなっている。こんなに白くて汚れないのかと心配。

日本で3カ所目の『BOARDROOM』

Apple丸の内には、京都、渋谷に続いて、日本で3つめの法人客とのミーティングスペース『BOARDROOM』がある。しかも、1階のビデオウォールのすぐ右側という、これまでと違って目立つ場所にある。もっとも、基本的には法人顧客用で、スタッフの持っているカードキーがなければ入室できないが。

場所が丸の内だけに、法人客とのミーティングは非常に重要な要素になるに違いない。広さ的にも(筆者の体感では)日本で一番広いBOARDROOMだと思う。

置いてあるものは、マルニ木工のHIROSHIMAなど、他のBOARDROOMと同じ調度品だが、若干違うものもある。

まず、注目すべきは、白いHomePodが2台設置されていることだろう。きっとステレオペアになっているに違いない(ああ、「Hey Siri ! 音楽を流して」と、唐突につぶやいてみれば良かった(笑))。

入って右側の壁にかかっている写真も他のBOARDROOMとは違うものだった(左側の壁は、Steve Jobs Theaterのコンセプト図、RINGの俯瞰図、Apple Park全体の等高線図で同じ)。

右側のは、夕暮れ時のSteve Jobs Theaterの地上部分の写真だ。

もうひとつは同じく夕暮れの時のSteve Jobs Theaterの屋根部分。Apple Parkが写り込んでいるので、角度からすると、やはり夕暮れだと思える。

そして、行列情報

明日、9月7日のオープニングでは、先着順でトートバッグとステッカー、ピンバッチが配布される。

過去の感じからすると、取材されたりされがちな先頭の方は始発で並ぶか前夜から並ぶか(前夜からの行列は場所によるが規制されることが多い)。けっこうな人が6時ぐらいから並びはじめて、8時ぐらいにもう大行列になっている……という感じだと思う。

開店の10時の時点で並んでいれば、まずギフトは手に入ると思うが、店内入場は入れ替え制になるので、そのあたりで並ぶと、並ぶ時間自体は長くなってしまう。まぁ、諸条件が、これまでと同じだったら……という話ではあるが。

やはり早めに来ておくのがお勧めだ。

渋谷や京都のように、周りが店舗だと行列による周囲への迷惑なども配慮しなければならないが、休日朝の丸の内はわりとひっそりしているから、他の人へに迷惑は少なそう。

行列をどこに伸ばすかについては、許可がどう取れるかにもよるのだけど、地図を見て考えると、一度道を渡って、東京駅の方に行ってから、行幸通りを活用するのが、一番迷惑が少ないような気がするが……どうだろうか?

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年9月号 Vol.95』

(村上タクタ)」

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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