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Peak Designファン感涙! トラベル・トライポッドは三脚の再発明だ!(写真27枚)

クラウドファンディングは唐突に届く。忘れた頃に

家に帰ったら海外から段ボールの筒が届いていた。

もちろん、妻は『また、何か買ったのね!』という顔で見ているが、すまぬ。心当たりはない。最近はAmazonでポチったりするもガマンしている。

と思ったら、だいぶ前にKickStarterで買ったPeak Designのトラベル・トライポッド……つまり三脚だった。

KickStarter・Peak Designトラベル・トライポッド
https://www.kickstarter.com/projects/peak-design/travel-tripod-by-peak-design/description

クラウドファンディングって忘れた頃に届くから、何故買ったのか忘れてしまっていた。冷静に考えたら、僕はプロカメラマンではないので、ブログ記事に使う写真ぐらいは撮るが、本格的に三脚で写真を撮ることなんてない。

ちなみに、下の写真を箱の前後の端までちゃんとピントが来た状態で撮ろうと思うと、本格的なバンクストロボ(傘状の広い光源になる照明ね)と三脚がいる。そこまではできないので、いつも雑に手持ちで撮っている。

とはいえ、必要もあるかと思って、一応SLIKのカーボン三脚を買って持っているのだが、実はそれもほとんど使っていない。使うのは家族で記念写真を撮る時ぐらいだ。本で使う写真をちゃんと撮る時は、プロカメラマンに頼むしねぇ。

なのに、なぜ僕は、また300ドルも出して三脚を買ってしまったのか? 記憶をたどると、またPeak Designの魔法にかかってしまったらしい。つまり動画とか、ことこまかな説明を読んでるうちに「ああ、これこそ僕が必要としていたものだ!」と思い込んでしまっていたような気がする。ああ、愚かなり。何ヶ月か前の僕。

段ボールを開けると、こんなカッコいい箱が出てきた。

そして、結論を先に言ってしまうと、この箱を開けると、また魔法がほとばしり出して、僕を魅了してしまった。そう、このコンパクトでアイデアに満ちた三脚は三脚の再発明だ。Peak Designファンのみんなは、とにかく買った方がいい。躊躇する必要はない。

というわけで、今朝、起き抜け出社前に自宅の部屋で雑に撮った(+α)27枚の写真でことこまかに、Peak Designがこの三脚に対して施した魔法について語っていこう。

三脚の脚は五角形であるべきだ

さて、かなり凝った箱で、フタ部分は幅広のゴムヒモで閉まるようになっているので、長期間使わない時はこれに収納しておくこともできそうだ。

取り出すと、こんどはこんな袋が現れる。手提げ用のベルトなど細部はPeack Designの文法に従っている。すなわち、三角形や菱形を組み合わせた形状で出来ており、ディテールに凝っており、ピッタリとタイトで必要十分な強度を持っている。

上下に、リング状のヒモが付いており、たとえばここにEveryday Backpackのストラップを通すこともできるし、アンカーを付けておけば、Slideなどで肩から提げることができる。素敵。

さて、バッグから出すと、こんな感じ。あまりに嬉しくて、商品説明を付けたまま写真を撮ってしまった。

ちなみに、カーボンとアルミがあって、こちらはアルミのタイプ。カーボン三脚は持っているし、カーボンの棒は横からかかる力には弱いから踏んだりすると割れてしまう。また、三脚は重い方が安定する。

……と自分に言い訳してみたが、主たるところは経済的な理由。ちなみに、たしか、クラウドファンディング時は300ドル弱と、600ドル弱だったが、現在の価格は日本円で3万8700円(アルミ)と、6万6300円(カーボンファイバー)。だいぶカーボンの方がお高いのだ。カーボンはカッコいいし、軽いけどね。

サイズ感としては、ちょっと太めの600mlのペットボトルを縦に2本繋げた感じ。つまり、想定以上にコンパクト。だが、凝縮感がある分、重くは感じる。うむ。やっぱりカーボンにすべきだったか。

この三脚の最大のポイントは、脚を五角形のアルミ引抜き材(もしくはカーボンの成形部品)にしたことにある。これによって、下のように大幅にスリムになるというのが、Peak Designの主張だ。

(Peak Designのサイトより)

そもそも、パイプというのは円形が強度を出しやすい。回転も出来るし、ロック機構も作りやすい。だからずっと三脚の脚は丸かったわけだ。

しかし、製造技術は進歩している。これまでの三脚メーカーが、円筒かせいぜい四角い脚しか思いつかなかったところに、五角形を引抜き材で作るというところが、Peak DesignがPeak Designたるゆえんである。僕らは「カッコいい!」と思うし、Peak Designが好きでない人は「いけすかない!」と思う部分だ。

さて、広げて置くと、こんな感じ。もちろん、この状態だとガッチリと安定している。

マウントの自由度は高いが、強度はどうなのだろう?

マウント部分がまたイカしている。

カメラの三脚穴に取り付けるベース部分は、CAPTUREと共通のようだ。ここらあたりはお得意のアルミの鋳造や、切削を組み合わせて作られている。水準器なんかも入っていて工夫されている(小さ過ぎてあまり見やすくはないが)。

CAPTUREって、下の写真のね。これはサンフランシスコにあるアンテナショップで買ってきたものなのだけど、これをベルトやバッグに固定しておけば、そこにパチリとカメラを取り付けられるという優れものだ。これまでは三脚を付けるためにはこのベースを取り外さねばならなかったが、このトラベルトライポッドがあれば、もうその必要はない……ああ、またPeak Designの沼に取り込まれている!

ベースを外すとご覧の通り。ベースは写真左側のツメに押し付けることで、パチンとワンタッチで付けることができる。とても気持ちのいい、クリック感で、一度体験すると、クセになる。

鍵のマークのついたリングを回すと、ツメをロックすることができる。

上に突き出した2本のネジは、ベースが左右に外れないようにすためのものだと思うが、アレンキーで、取り外すこともできる。

いくつかの場面で必要になるアレンキーは、とっても4mmと2.5mmが組みになっためちゃくちゃカッコいいのが脚の途中のプラスチック製のクリップに取り付けられている。

ただし、このクリップ、かなりゆるゆるで、このままでは、100%の確率でこのアレンキーを失くしそう。このアレンキー、2300円で売ってるが、まさかそれを売るために緩めになっているワケではあるまいが。

ともあれ、ヒモで繋いでおくか、ケースの方のポケットにしておくかしておいた方がいい。絶対。

多くの三脚のように、根元のスイッチを押すことで、より広い角度に広げることができる。

写真を撮った後に気がついたが、センターポールの頂点のボールは内部にネジが隠されており、それを4mmのアレンキーで回すことで、センターポールの下半分が外れて、脚を大きく開いて、カメラを低いアングルで固定することができるようになる。

また、センターポールを取り外して逆さまに付け直せば、カメラを逆さまに固定し、地面スレスレのアングルから撮影することも可能だ。いろいろ面倒ではあるが。

さて、センターポールの上はボールマウントになっていて、その上のダイヤルでロックできる。

このあたり、ガチプロのカメラマンは多分好まないポイント。本当に大きく重いカメラだと、ボールマウントでは緩むと困るからだ。が、普通の一眼レフやミラーレスだとこの方が便利。そのあたりは便利さと、どこまでガチさを求めるかというところ。作りは割と精密でしっかりしている。

ボールマウントはこんな感じで、90°まで傾けることができるので、このまま縦位置にカメラを構えることもできる。便利。

古くからのカメラオジさんの批判を気にしない(メンタルの)強度

さて、それでは、脚について。

最大の特徴である五角形の脚は、4段階のクリップにより5つの節を伸ばすことができる。

ちなみに、脚の伸びる部分を全部取り外して、1節にするための脚のツメもオプションで用意されている。3400円。

脚を伸ばす時は、4つのクリップを同時に開くのが素早く開くポイント。このあたり、1節ずつクリップしなければならなかった旧来のものよりだいぶスピーディ。4つをグイッと開くのは動作感がよくてちょっと快感。

ちなみに、伸ばす時は上の写真のように、上の節から伸ばすのが基本。その方が脚の細い部分を使わなくて済むから安定感が高い。25年ほど前に、先の方から伸ばしてカメラマンに怒鳴りつけられたことを思い出す。

一番先に部分はご覧のように細い。アルミ引抜き材とはいえ、ちょっとしなる。

脚をいっぱいに伸ばして、カメラ(EOS 6D Mark II)を乗せてみた。こんな感じ。センタポールを一番伸ばすと、150cm……つまり、ちょっと背の低い人の目線ぐらいまでカメラを上げることができる。

トラベルトライポッドというだけあって、頑強さを求めるのはちょっと違う感じ。センターポールも、脚の一番先もちょっと細いし、しなる。

三脚といえばGITZO……というようなガチな人だとそんな軟弱な三脚は困る……と思われるだろうが、これはトラベルトライポッドなのである。

長いシャッタースピードでガッチリと絞り込んだピントの深い物撮りをしようというわけではないのだと思う。なにしろ、昔と違って、ISO10万などという数字が語られる世の中だ。

たとえば、ミラーレスや、EOS 6D Mark IIぐらいまでの軽量な一眼レフ。三脚を使うのは、旅先の記念写真や、タイムラプスなどの撮影……というのがトラベルトライポッドの活躍する場面だろう。セルフィー動画中継のために使う人もいるかもしれない。シリコンバレーの新興カメラ周辺機器メーカーは、古くからのカメラオジさんからの批判を気にせずにこういう商品を作る。そこが面白い(笑)

「PeakDesign ピークデザイン 三脚」をAmazon.co.jpで見る

センターポールにはファンをくすぐる隠しアイテムが

センターポールの一番下には穴のついたフックがある。ここと上部にアンカーを付ければ、またしてもSlideでもって背負うことができる。

また、少しでも三脚の安定度を増したければ、このフックにバッグなどをかけるといい。

本格的なカメラマンさんは、こういうフックに下げる用の砂袋を用意していたものだが、もちろん砂袋も(ヒモがあれば)かけられる。

このフックの部分をちょっと引っ張って回すと、なんと中からアルミの小さな部品が出てくる。これが何かというと……。

なんと、上のマウントに付けて、スマホをクリップすることができるのだ。

もうちょっとガッチリした作りでもいいような気はするが、これで十分に用は足せる。カメラだけでなくスマホも使うよね……というところをよく分かったオマケである。もちろん、これもアルミ製。

しかも、スマホをクリップする部分には(どういう構造かは分からないが)ゴムが組み込まれている。素晴らしい(が、取り付ける時にアルミに当るような気はする。意外とPeak Designってそういう傷は気にしない印象)。

もちろん、Everyoneシリーズのバッグにピッタリ

というわけで、最後のキモ。

Peak Designファンの方は、これを見たら買わざるを得ないというカットを2カット。

Everyday Backpack 20Lの横のポケットに入れてみた。

『ヒャッホーイ!』と言いたくなるぐらいピッタリ。あたり前だが、このために作られたようだ。そうなのだが。

そして、Everyday Sling 10Lに取り付けてみた。最高。バッチリ。

どちらもあつらえたほうにピッタリだ。これまで別に三脚を持っていたPeak Designファンの方は、この2カットを見たら買わざるを得ないのではないだろうか?(笑)

ちなみにどちらも(特にSlingの方は)ハードに固定されているわけではないので、動きによっては落ちたり、海外だったら盗まれたりする可能性はあると思うので、長時間移動の際は何かしっかりと固定する方法を考えた方がいいと思う。

また、このレビューは商品が届いた勢いで書いたが、まだ使ってみたわけではないので、使ってみたらまた別の感想とかもあるかもしれない。それはまた後日にでも。

お求めは(別にアフェリリンクとか貼ってあるわけではないが)、こちらからどうぞ。

Peak Designトライポッド
https://www.peakdesign.com/collections/tripods

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(村上タクタ)

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村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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