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表現力を増したiPhone、iPad——WWDC 2020を俯瞰する(前編)

with コロナ時代のプレゼンを再定義したかも

年に一度、世界中から、アップルのアプリエンジニア達が集う祭典……WWDC。

去年まで3年連続して取材に行っていたが、今年はコロナ禍でオンラインで開催なのがとても残念。それはアップルも同じだと思うが、逆に「世界中のエンジニアが参加できる」と宣言したアップル。例年より半月ほど開催を遅らせただけあって、発表は盛り沢山、プレゼンテーションの映像も、製品プレゼン動画のレベルをまた一段上に上げるすさまじくハイレベルなものだった。

オープニングは宇宙の映像から、世界中に散らばる開発者達。そして、宇宙からズームアップしてきて、シリコンバレーのApple Parkに。そのままパーク全体を見渡して、Steve Jobs Theaterにズームし、(おそらく途中はドローン撮影だと思われるが)地階のメインステージに立つティム・クックに。

「Apple Parkからお届けします」という言葉どおり、RINGや、フィットネスルーム、駐車場から、プールの地下にある秘密のアップルチップ開発ルーム(これはいくらなんでも、サンダーバードの秘密基地を模した演出だと思うが(笑))などを、ドローンで撮影したっぽい高速で宙を舞う映像で繋いでいく演出だった。

我々取材陣もApple Parkに行っても、基本的にはSteve Jobs Theaterしか見られないので、他の場所は見たことがなかったので、とても面白い演出だった。

クライマックスはもちろん、14年ぶりの大事業Macの『Apple Silicon』への移行と、macOS 11 Big Surの発表だったが、iPhoneやiPadのOSの発表も非常に興味深いものだった。まず前編はこちらのお話から。

早くこの使いやすそうなiPhoneを使いたい

iPhoneはアピアランスが大きく変わった。

多くの人は、整理し切れない大量のアプリに悩んでいると思う。

なにしろ、世の中には数百万のアプリがあって多くのアプリを試したいが、ホーム画面に表示できるのは、多くても32個。フォルダなどを駆使してもせいぜい普段使うアプリは2画面目までに置いている……という人が多いのではないだろうか。

多数のアプリがある一方、非常に頻繁にアクセスするアプリもある。頻繁にアクセスするアプリに一瞬でアクセスできて、たまにしか開かないアプリも苦労せずに探せる。そんなインターフェイスが、iOS 14に設けられたApp Libraryとウィジェットの活用だ。

App Libraryは頻繁にアクセスしないと判断したアプリを自動的に分類してくれる。iPhoneが履歴などから比較的重要と思ったアプリはひとつにまとめてくれるし、最近インストールしたアプリも同様。あとはカテゴリーごとに分けてくれるし、検索しようとすると50音順に並ぶ。

ウィジェットは従来のホーム画面の左側という位置から、個別にホーム画面に引き出すことができるようになった。サイズ調整もできるし、スタックさせておくこともできる。スマートスタックという機構で、そのタイミングで見そうなウィジェットが前面に表示されるというインテリジェントな仕組みだ。

来年は、このTraslateを持って取材できるかな?

Siriの能力もかなり増強されたようだが、英語の苦手な筆者が特に気になったのが、 Siriの音声認識能力を活用したTranslate。

しかも、話はローカルで処理され、情報が漏れることもない。ということは通信が繋がっていない場所でも使えるのだろうか?(旅行先では往々にしてそういうことがある)。

利用可能な言語は、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、日本語、韓国語、アラビア語、ポルトガル語、ロシア語。他との差異が大きくて音声認識がしにくい日本語も利用可能な言語のリストに入ってくれて非常に嬉しい。

これで、来年のWWDCは、iPhoneの翻訳で取材できるかな?(そうはいかないか……)。

自転車乗りのための『マップ』

弊社、バイシクルクラブの人たちが喜びそうなのが、マップに自転車のナビゲーションが加わったこと。たとえば日本でいえば、河川敷のサイクリングロードなど、自転車ならではのルートというものがある。それをナビゲーションしてくれるのはうれしい。

ルートの選定には標高差も含まれており、近くても急な坂があるかどうか……などをチェックできる。もちろん、急な坂を好んで走るヒルクライマーも激しい坂を探せるワケだ。

また、ルート上の急坂や階段などもアラートとして表示されるので、事前に把握しておくことができる。

といっても、このマップ、まだ日本では使えず、最初は、NY、ロス、San Franciscoベイエリア、上海、北京のみ。とはいえ、順次世界に広がって行くだろうから楽しみに待ちたい。

App Clipが日常を便利にしてくれそう

その時折りに応じて、ヒョコッと出てくる小さなアプリ App Clip(Apple CLIPではありませんw)も新しいギミックのひとつ。

ウェブや友達のメッセージ、マップで見つけたお店、NFCタグ、QRコードなどから、この小さなアプリを開く事ができる。そのままアプリを開いて決済したり、Yelpのようなアプリにジャンプすることができる。

iPhoneはクルマの鍵にもなった

iPhoneと連携するという意味では、Carplayも進化。

最新のBMW 5シリーズでは、iPhoneをスマートキーとして使えるようになった。また、そのキーの持つ『運転する権限』を、メッセージなどで他の人に渡したりすることができる。

新しい5シリーズ良さそう。iPhoneの周辺機器として買おうかしら?

ちなみに、この場所、Apple Parkの駐車場らしい。どんなところなのか気になる。

iPadはサイドバーを多用するインターフェイスに

iPadは、広くなった画面を有効に使えるようにサイドバーをさまざまなアプリで使うようになった。

特に大画面のiPad Proなどで使っていると、「もうちょっと情報量が多くてもいいのに」と思ったものだが、そのニーズがキレイに埋められている。

Apple Pencilの手書き文字をテキストに

さらに気になるのが、手書き入力の『Scribble』。

Apple Pencilを使っている時に、検索などのためにキーボード入力するのは面倒なものだが、Scribbleを使ってApple Pencilの手書き入力の文字をテキストに変換することができるようになった。

この機能が日本語をサポートするのかどうかは今のところ公表されていない。デモでは中国語は使えるようだったが。

手書きといえば我々にはMetaMoJi があるが、日本語であのぐらいの認識率が得られるとかなりうれしいのだが、どうだろうか?

すぐ使える機能としては、Apple Pencilで線を引いて終点でちょっと待つと直線になる機能もある。手書きながらしっかりとした絵柄に使えそうだ。

後編では、Apple WatchとAirPods、そしてMacについてお届けする。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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