何これ? 個人情報を叫び続けるAppleのCM
- 2020年09月04日
奇妙な「個人情報を叫ぶ人」に、あなたはなっていないか?
「今日、離婚弁護士のサイト、8つ見たよ」
「一緒に働けて嬉しい♥️ Leeは苦手だけど(笑)(笑)」
「現在の心拍数は、150、151、152……」
「3月15日、美顔器と補整下着を4枚買ったの」
「私のクレジットカード番号は、0237 1221 0725……」
さまざまな個人情報を叫びぶ人たち。
「あなたのインターネット上での活動は、この人たちのように、個人情報を叫び続けていませんか……?」というAppleからの問いかけだ。
たとえば、FacebookやGoogleのサービスがなぜ無料で使えるか? それは広告を表示するとともに、個人情報が背後でやりとりされているからだ。
Facebookメッセンジャーでやりとりした途端に、その言葉に関する広告が表示されてピックリしたことはないだろうか? 違うサイトに行っても、同じ商品の広告がついてくることに恐怖感を感じたことは?
他人ごとのように言っているが、弊社のサイトだって広告表示などのために、最低限のクッキー情報などをやりとりしている。決して、Facebookや、Googleだけが悪いわけではない。むしろ、そうすることで、誰でも無料で、Googleの高度な機能や、Facebookを使って友達の様子を知ったりすることができているのだ。
Appleのデバイスは個人情報を勝手に利用させない
しかし、ちょっとやり過ぎちゃいませんか? というのがAppleの主張だ。
iPhoneやMacのsafariはサイトが勝手にユーザーをトラッキングするのを防ぐインテリジェント・トラッキング防止機能を持っている。
マップで移動する過程を検索しても、ルートは暗号化されて検索されており、ユーザーがどこからどこへ行ったかは、Appleも把握できないようになっている。
メッセージは暗号化されて送られ、読めるのは送った相手のみ。もちろん、Apple自身もメッセージの内容を分析することはない。
歩いた歩数、心臓の脈拍など個人のヘルスケア情報は基本的に手元のデバイスにだけ暗号化されて保存され、誰がユーザーの情報にアクセスできるかはユーザーが決定し、データはすべて暗号化される。
Apple Payに登録したカード番号は決済に使われるがAppleも情報を得ておらず、購入先のストアなどに知らされることはない。購入履歴はユーザーのみに表示され、これもストアに知らされることはない。余計な製品をレコメンドされることもない。
そろそろ、僕らの個人情報をが自由に売り買いされる状況を終わらせたい
Appleは商品の代金や、サブスクリプションから収益を上げており、ユーザーの個人情報を売り物にすることで収益を上げているわけではない……ということを主張するのは、AppleがGAFAの残り3社と戦う上において、有効な差別化戦略だという見方はあるだろう。もちろん。
しかし、そろそろ我々の知らないとことで、我々の個人情報が自由にやりとりされて、巨大企業にのみ利益が集約されているという状況は終わりにした方がいいかもしれない。
iPhoneやiPad、Mac……など、Appleのデバイスを使えば、あなたは個人情報を叫ばずに、インターネットサービスを利用することができるのだ。
(村上タクタ)
SHARE
PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。