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53時間に渡る『Adobe MAX 2020』開幕! 注目はiPad版illustrator、iPhone版Fresco

Adobeの慟哭

Adobe MAXのオープニングは、孤独な雰囲気のミュージシャンが川を渡ってニューヨークに入り、ビルの屋上で演奏する場面から始まった。

思えば、橋を渡って、地下の高速を通って、鉄道で、クルマでマンハッタンに入るのはいつも高揚感があった。

世界のクリエイティブの首都。あらゆる種類のクリエイターがいて、マーケットがあり、美術館や画像、ステージ、マーケットがあり、タイムズスクエアがあり、資本と成功のすべてがあった。

そのマンハッタンをCOVID-19の惨禍が襲った。多くの人が命を失い、職を失い、待ちの賑わいはなくなった。一次ほどの患者数は出ていないが、それでも冬に向けて第2波の襲来に神経をとがらせる日々が続いている。

そんな寂しい世界の首都に音楽が鳴りひびく。

コメディアンのコナン・オブリエン氏が立つのは、ロサンジェルスの小さなステージ。オンライン開催のために観客はおらず、うらぶれた感じさえする場所。そのステージの中央に招かれたのはAdobeのCEOであるシャンタヌ・ナラヤン氏。

今回のAdobeMAXのKeynoteでは、#BlackLivesMatterや、LGBTQの開放を意味するレインボーカラーのもチーフが繰り返し使われた。

コロナ禍で大きなダメージを受け、コミュニティは分断され、多くの人が外出さえできない日々を送っている。人々の気持ちはさらに分断され、有色人種やセクシャルマイノリティの人への弾圧に繋がってる側面もある。

そんな中で、クリエイティブは何ができるのか? そんな中だからクリエイティブの力を信じよう。Adobe MAXのオープニングはそう伝えているように感じた。

マスクをしよう。医療従事者への感謝を伝えよう。肌の色で人を区別するのをやめよう。性的マイノリティの人が生きやすい社会を作ろう。こんな時だからこそ、クリエイティブのできることは大きいはずだ。

iPad版のIllustrator登場!

そんな、大きなメッセージを掲げてスタートしたAdobe MAXでは、Creative Cloudの製品の多くが大きく進化した。

特に注目はiPad版のIllustratorの登場だろう。

タッチパネルとApple Pencilならではの操作のしやすさと、ベクターデータならではの扱いやすさを活かした新たらしいIllustratorは革命的な生産性の高さをもたらしそうだ。

例によって(Photoshopの時と同じく)既存のパソコン版のユーザーの人たちからは「あの機能がない」「ここが扱いにくい」と不満の声が上がりそうだが、Adobeはこの機会にiPadアプリの開発環境を使ってゼロからアプリを作り直しているので(そしておそらくCatalystの機能でMac版も最終的にはiPad版に置き換わる)、しばらくの間は機能が不足するのはやむを得ない。また、マウスを使ったインターフェイスと、指とApple Pencilを使ったインターフェイスは根本的に違うのだから、使い勝手が変化していくのは仕方がない部分もある。

むしろ、新しくiPad版からIllustratorを使い始める人にとっては、シンプルで簡単かもしれない。

FrescoのiPhone版がリリース

続いて話題になりそうなのは、iPhone版のFresco。これは話題になりそう。

iPhoneだけ取り出して、ちょちょっとスケッチして、あとでiPadで仕上げたり、逆にiPadで描いていた絵をiPhoneで修正したりと、いろいろと使い道がありそうだ。あのデリケートな表現ができるFrescoをiPhoneで扱えるというのは驚き。最近のAシリーズチップの性能の高さが感じられる。

もちろん、iPad版のFrescoも進化している。チャコールのペンは良さそうだ。

iPad版の含めPhotoshop、Lightroom、XDなど多くのアプリが大きく進化している。多くのアプリケーションが、さまざまなSNSサービスに最適化したクリエイティブを容易に作り分けられるのも特徴的だ。

Adobe CCアカウントがあれば誰でも無料で参加できるので、ぜひこの怒濤の情報量を体験してみていただきたい。日本語化されたコンテンツもけっこうあるし、ヒカキンも登壇していたりする。

Adobe MAX 2020
https://maxjapan.adobe.com/

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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