在宅仕事で、一番触れるものだからこそ選んだ【HHKBユーザー取材1・磯野公耀さん】
- 2020年12月08日
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高価なHHKBが若い人にも売れてるワケ
PFUの『Happy Hacking Keyboard』は決して安価なキーボードではない.
至高の打ち心地を実現する静電容量無接点方式のキースイッチ、コンパクトなキー配列、ワイヤレス接続など、すべての日々パソコンに向かう人にお勧めしたいアイテムだが、現行最上位モデルの(買うなら妥協せずにこれを選ぶべき)Professional HYBRID Type-Sが3万2000円(税別)とかなり高価なキーボード。
Happy Hacking Keyboard
https://happyhackingkb.com/jp/
ところが、最近、若い人が『ずっと使える道具』として、HHKBを購入するケースが増えているという。
そこで、HHKBを実際に購入して使っている人のご自宅にお邪魔して、お話を聞いてみた。
この春就職。新入社員研修も在宅オンラインで
今年の6月頃HHKBを買った、磯野公耀さんは’98年生まれの22歳。
香川県出身で、大学は京都の京都外国語大学を卒業。この春に東京のコンピュータシステム開発・保守・運用の仕事をする会社に入った。
ところが、このコロナ禍である。新入社員のとして出社する機会はほとんどなく在宅勤務の状況になってしまった。
プログラマーとしては未経験の状態で、いきなりオンラインの研修はなかなか大変だったことだろう。研修もOJTも在宅で、オンラインで行ったという。
「将来を見据えて、IT系の仕事に就こうと思っていましたから、大学時代からITパスポートの授業を選択していました。プログラム言語って英語をベースとしていますし、エラーメッセージなども英語ですから、英語が好きで外大に行っていたことが大きく役に立っています。ドキュメントを当たる時も、英語でそのまま読めるのは大きな武器になりました。日本語での情報は限られているので」
在宅勤務の状況になったとはいえ、さすがにIT系企業は影響が少なく、オンラインで滞りなく研修を受けて、在宅での業務に移行できたという。
現在業務に使用しているのは会社から貸与されているiMac。大学の3回生の頃に買ったMacBook Proは調べモノなどサポート的に使っている。HHKBなら接続先の端末をショートカット1発で切り替えられるので、両方の端末でHHKBを共用するのも簡単だ。
大学に入学時には安価なWindowsを買ったが、すぐに動きが重くなってしまい、将来を見据えてMacBook Proを買ったのだという。それは、Macも使うIT系企業に入社するのにも役立ったという。
「キーボードは自分の手に合うものを買った方が、仕事も楽しくなるよ」
就職をして、出社する機会があった頃、副社長が黒いカッコいいキーボードを使っていた。
そして、「キーボードは自分の手に合うものを買った方が、仕事も楽しくなるよ」とおっしゃったという。
「副社長が使ってらっしゃったのはHHKBじゃなくて、REALFORCEだったと思うのですが、『自分の手に合うものを買った方がいい』っていう言葉はとても印象に残りました」
会社には他にも5歳ぐらい上の、キーボード好きの先輩がいて、キーボードについて語り合うという。
その後、人気YouTuberがHHKBのいい点を語っているのを見て、HHKBが気になりはじめたという。
研修が始まって1カ月半ほどした時に、HHKBの購入を決断。
そして、さまざまな仕様を検討。最終的にProfessional HYBRID Type-SのUS配列、無刻印の墨を選んだという。
「自宅で集中して仕事できるこの生活はいいなと思っています。それだけに、自分が一番長い間触れいてる仕事の道具はいいものを使いたいなと思ってHHKBを買うことにしました。本当に打鍵感が素晴らしくて、毎日楽しく仕事ができます」
表面に印字のない『墨』の『無刻印』を選んだそうだが、不自由はないのだろうか?
「無刻印でも全然問題ないですね。プログラミングだとそれほど数字は打たないですしね。コンパクトで持ち運びも容易で、手の位置をあまり動かさなくてもいいのがメリットです。1週間も使うと慣れました。もう、今ではHHKBがないと仕事にならないほど気に入ってます」とのこと。
OM-Dとビワイチ
趣味は自転車やカメラ。
カメラはオリンパスのPEN FやOM-Dを使う。気に入った写真はウェブサイトで公開している。
Koyoisono Secret of My LIfe
https://koyoisono.smugmug.com/
また、自転車も好きで、高校卒業間近から、よく走るようになった。大学時代には他大学の自転車サークルに入って走っていたという。よく『ビワイチ』と言って、1日で琵琶湖を一周(約200km)したりしたという。
今後、エンジニアとしてもっと技術力を付けて海外でも働きたいという。エンジニアの世界で、英語が得意なら国境を気にせず、さまざまな国で働けるのも魅力だ。
磯野公耀さんが、世界をまたにかけて仕事をするようになった時、きっとその手にはHHKBのキーボードがあるはずだ。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。