ScanSnapに新型iX1600登場。40枚/分の超高速。紙のデジタル化に不可欠
- 2021年01月19日
iX1500の進化形iX1600は、40枚/分の読み取り能力
リモートワークにスムーズに移行できたかどうかのキモに、紙のデジタル化を進めていたかどうかが挙げられる。
「ウチは紙の資料がたくさんあるから、リモートワークは無理」というのは、それ以前に紙のデジタル化を怠っていた人の言い訳に過ぎない側面もある。
紙をデジタルデータにしておけば、
・物理的なストック場所が必要ない
・今回のような災害時に、リモートワークが可能
・資料の検索が可能になる
・複数人数での共有が容易
・転送、共有が可能なので作業が効率的
など、数多くのメリットがある。
いつまでも紙の資料に拘泥していると、どんどん競争力を失ってしまう。
そんな紙のデジタル化に必要不可欠なツールが、PFUのドキュメントスキャナー、ScanSnapなのだが、フラッグシップモデルが2年3カ月ぶりにモデルチェンジ、本日、iX1600とiX1400の2モデルが発表された。本稿では、iX1500の正常進化形となるiX1600をご紹介する。
(iX1400の情報はこちら)
書類をすべてデジタルに。個人でもオフィスでも、自由自在に
iX1600の最大の特徴は、最大読み取り速度が40枚/分になったこと。前モデルのiX1500が、30枚/分だったから、実に1.33倍の速度。ちなみに、iX500が25枚/分、S1500が20枚/分だから、およそ10年の間に読み取り速度は2倍になっている。
待てばいい……とお思いかもしれないが、実際に読み取っているところを見ると、それどころではない速度差がある。差し込んだドキュメントが、あっという間にデジタルデータになっていくのは実に快適だ。
本体前面には4.3インチの液晶タッチパネルが用意されており、さまざまな機能をワンタッチで利用可能。
単体でScanSnap Cloudにデータを送り、自動処理することもできるし、パソコンに直接データを送ることもできる。実に多彩な使い方ができるのだが、その使い方を液晶タッチパネル上のボタンに『プロファイル』として設定できるのがキモだ。
たとえば、『カラーの高精細原稿を、パソコンのデスクトップに送る』『Evernoteに送る』『名刺管理アプリのEightに送る』『会計ソフトのfreeeに送る』などの設定を最初にしてしまえば、あとはプロファイルを選んでスキャンボタンを押すだけなのだ。
さらに、複数のユーザーも設定してボタンの色を変えることができるから、オフィスや家庭での共有も簡単。Aさんのプロファイルは赤、Bさんのプロファイルは青というように色分けできて、それぞれに望みのボタンを複数作れるから、共有しても混乱しない。
驚くべき高速スキャンと、ソフトウェアの洗練
今回、ひと足お先に試用機をお借りして、日常的に使ってみたが、やはりスキャン速度の向上は圧倒的で、iX1500からでもかなり速くなったと感じるから、iX500やS1500からだと、もはや雲泥の差というべきだろう。
しかし、それ以上に感心したのは、ソフトウェアの使い心地の良さだ。
iX1500と一緒に登場したScanSnap Homeはそれまでの状況の『抜本的改革』を意識し過ぎたために、従来ならのユーザーに混乱を来した面もあったが、PFU側もその意見を重く受け止め2カ月ごとScanSnap Homeとファームウェアにアップデートを加えて使い勝手を改善し、ついに本来の目的であった『新規ユーザー』にも『既存のユーザー』にも良い使い勝手を実現している。
たとえば、ScanSnap HomeのPC上での設定画面で、単体でのクラウド送信と、パソコン経由での送信のプロファイルのボタンは明確に分けられたし、スキャンボタンの長押しで一時的に手差しモードに変更できたり、と変更点は枚挙にいとまがない。
初期値として表示されるプロファイル名も『おまかせスキャン→ScanSnap Home』『ScanSnap Cloudに送る→クラウドに送る』『家計の支出を管理→レシートを管理』に変えるなど、細かな表示用語もより即物的に分かりやすくなっている。
コロナ禍を乗り切るためのDXに必要不可欠なScanSnap。個人にしろ、オフィスにしろ、もし万が一まだお持ちでないのなら、すぐに購入することをお勧めする。
発売は2021年1月22日。価格はオープンだが、PFUダイレクトでは4万8000円(税別)となっている。
PFUダイレクト
https://scansnap.fujitsu.com/jp/product/ix1600/
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。