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なぜ、住友生命がポケモンGoと連携するのか?

加入者は歩くとポケモンGOのアイテムがもらえる

Nianticが運営するポケモンGOと、住友生命の『Vitality』が連携するという発表があった。

住友生命×ポケモンGO 『ポケモンGO』が、ますます楽しくなる保険
https://vitality.sumitomolife.co.jp/special/pokemongo.html

このパートナーシップは、これまでのマクドナルドや、セブンイレブンなどとの提携と少しニュアンスが違う。

全国の住友生命の支社・支部がポケストップやジムになるというのは従来通りなのだが、Vitalityの会員だと、歩いた距離に応じて、『ふかそうち』『スーパーふかそうち』『リモートレイドパス』『ほしのかけら』などのアイテムがもらえるのだ(保険の加入とVitality利用料880円/月が必要)。

また、そもそもVitalityの仕様として、歩く距離に応じて保険料の割引率が上がっていく、1週間の目標を達成するとドリンク交換チケットがもらえるなどの特典がある。

健康な人が増えると、世の中の医療費負担も減る

歩くほど得になる仕組み。つまり生命保険会社にとっては、歩いて健康が増進されるほど健康寿命が伸び、保険料を支払う可能性が下がる。だから、そのメリットを加入者に分配することができるのだ。

世の中全体で考えても、健康な人が増える方が、医療費負担が下がる。これから日本はさらに高齢者が増え、現役世代への医療費負担はさらに重くなってくる。そのためにも、多くの人が健康で居続けられるような仕組みはメリットがあるのだ。

ヘルスケア情報の共有の注意点

この件についてはメリットしかないが、これからの世の中を考えると、行動履歴、ヘルスケアデータを生命保険会社に提供するというのは気をつけた方がいい側面もある。

筆者が入っている生命保険でも、健康診断の結果を保険会社に提供するとキャッシュバックがあるというサービスがあるが、裏を返せば健康診断の結果や、ヘルスケアデータの蓄積を分析して、保険料が上がったり、保険への加入を断られたりする可能性もあるということだ。

このあたりの制度設計は十分に気をつけて行って欲しいし、我々も情報提供はよく考えて精査して行うようにしたい。ちなみに、Vitalityアプリは、ワークアウトと歩数、心拍数しか共有しないようだし、問題なさそう(ただし、ご判断は各自で)。

アップルがヘルスケアデータの扱いにおいて、非常に慎重に、セキュリティの高い場所に暗号化して保存するようにしているのも、こういう理由からなのである。

住友生命×ポケモンGOの場合のように、健康が増進されて、我々の健康寿命が伸び、お互いに得をするような仕組み作りは大歓迎だ。

(村上タクタ)

(最新刊)
flick! digital 2021年4月号 Vol.114
https://funq.jp/flick/magazines/20159/
デジタル超整理術 リモートワーク編
https://funq.jp/flick/magazines/20164/

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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