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M1 iMacにWindowsを入れたら、違和感ない上に高速動作【Parallels Desktop 16.5】

え? 新型M1 iMacでWindows?

厚さ、わずか11.5mmのアルミの板……というような形状のM1搭載の新型iMac 24インチに、Windowsをインストールしてみたら、見た目にも面白いのではないかと思ってインストールしてみた。

先日お伝えした通り、アップルシリコンのM1チップを搭載するMacには従来のParallels Desktopを使ってWindowsなどをインストールすることができなかった。Parallels Desktopはあくまで仮想化ソフトウェアであり、エミュレータではないからだ。従来はハードウェアがインテルのCPUだったから、インテル版のmacOSの上でインテル版のWindowsを動作させることができた。

しかし、アップルシリコンはARM系のチップセット。Parallels Desktopを挟んでも、インテル系のWindowsを動作させることはできない。

そこで、Parallels Desktop 16.5のアップデートでは、アップルシリコン上で動作するParallels Desktop 16.5の上で、ARM版のWindows 10を動作させようという試みが行われている。

M1搭載Macで、Windowsが使える! どのぐらい実用的か確認【Parallels Desktop 16.5】

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2021年05月20日

ただし、いくつか注意点がある。まず、Windows 10 on ARMはARM版のアプリを動作させられるのはもちろんだが、インテル版に関しては32bit版のアプリ(x86と言われるもの)と64bit版のアプリ(ほぼx64と言われるもの)をエミュレートする方向で開発が進められているが、すべてのインテル版のアプリが動作するわけではない。特に聞いた所では、特に64bit版にはまだエミュレートできないアプリがあるそうだ。

また、動作するのは、Windows 10 on ARMの『インサイダー・プレビュー』版。なにしろ、Windows 10 on ARMはSurfaceなどにプリインストールされることが前提のOS。自作パソコンなどで使えるわけではないから、インテル版のWindowsのように単体販売されるのかどうかは分からない。

筆者の個人的な展望としては、Parallelsが何の見通しもなくこんな大掛かりな仕組みを開発するとは思えないので、Microsoftとの間に連携、内諾のようなものがあるのではないかと思うが……少なくとも表向きには、インサイダー・プレビューが終了した時に、一般公開が終了しても不思議はないOSだから将来の見通しは不明瞭(その割には、Parallelsのサイトでは、「M1 MacでもWindowsを実行できる」と堂々と書いてある)。

インストールは若干手間だが、作業自体は簡単

それでは、M1 iMacの上で、Windowsを動作させてみよう。

まずは、Parallelsのウェブサイトから、Parallels Desktop 16.5のM1対応版をダウンロードして、インストール。動作には本来ライセンスの購入が必要だが、持っていなくても2週間は試用することができる。

続いて、Windows 10 on ARMのインサイダー・プログラムに参加し、利用規約を承認し、Windows 10 on ARMのインサイダー・プレビューをダウンロードする。

インストール時に、MacのCPUのうち何コアをWindows側で使うか、メモリーは何GB割り当てるかを選ぶことができる(あとでも、設定変更できる)。今回はM1 Macの本気を見たかったので、『ゲーム仕様』ということで、可能な限りのスペックをWindows側に振ってみた(CPU 8コアすべてと、4GBのメモリー)。

GeekBenchで、M1 iMacの動作速度を計測

され、これだけで、あっさりとM1 iMac上でWindows 10 on ARMインサイダー・プレビューが動作した。美しい新型iMacの画面で、Windows 10が動作するというのは、実に興味深い光景だ。

さて、可能な限りParallelsの方にCPUやメモリーを振った状態でGeekBench 5を動作させてみた。ちなみに、GeekBench 5から見ると、この端末な『Parallels Desktop ARM Virtual Machine』として見えているらしい。

結果はシングルコアで1519、6218というスコア。これは、直接M1のmacOS 11 Big Surの上でGeekBenchを動作させた状態の1728、7604に肉薄するものだ。そして、ARM搭載のWindowsとしても、こんなに軽快に動作するマシンは数少ないといえるだろう。

というわけで、M1 iMac上でWindows 10を動作させるのはそれほど難しくはないが、現状、制約もあり、なおかつ今後ライセンス的にどうなるのか、ちょっと不明瞭。試しにやってみるのはいいが、今のところ仕事のワークフローに取り込むのは避けた方がいいだろう。

しかし、同時に、動作することは動作するし、ライセンス的な問題が解決したら、かなり面白い展開になることだろう。今後の展開を楽しみにしておきたい。

↓フリック!のYouTubeチャンネルで、Parallels Desktop 16.5がどのように動作するか実際に動画でご覧いただくことができる。

(村上タクタ)

(最新刊)

flick! digital 2021年5月号 Vol.115
https://funq.jp/flick/magazines/20160/
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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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